続き10
「出て来た! 」
「奴だ! 」
「奴を攫え! 」
そうフクロウの顔が人間である妖の連中で控えていた奴らが一斉に俺に向かって飛んでくる。
「この人を皆で守ってくれっ! 攫われるぞっ! 」
それを俺の影から出て来たヤタガラスさんが数羽を撃退した。
それは一瞬の事だった。
「おおおおぉぉ! 素晴らしい! 」
俺が拍手した。
「いや! そう言う場合じゃ無いでしょうに! 」
次々とフクロウの人間の顔の奴が俺を攫おうとするのを爪と嘴で鮮やかに潰していく。
フクロウの人間の顔の目を一瞬でくり抜くのだ。
SP達の銃撃も再度始まった。
今度はダイナマイトがこちらに投げ込まれる前に撃ち落とす。
拳銃は普通当たらないと言われるがそれをするのだから大したものだ。
その瞬間一瞬にして何かがブルーシートの破れ目から飛び込んできた。
それは悪魔のような彫像で背中に羽根が生えている。
それを慧光さんが炎にまみれた五鈷杵で焼き払った。
「西洋の悪魔だと? 」
「ガーゴイルだ。我等と間違えるな」
そう慧光さんを目玉さんが窘めた。
「これはまずいですね。想像以上に敵が多い」
<おやっさん>の野崎君が騒ぐ。
「小鬼みたいなのが入って来た! 」
大神さんが刀を抜いて、それを両断した。
まだ柳生十兵衛は降りていないみたいだが、それにしても大した腕だと思う。
一瞬にして剣戟で振り払うように首を切り落としていく。
「グールだ! なんで西洋の奴がこんなに! 」
「いや、グールはイスラムだぞ? 」
慧光さんの言葉にいちいちと目玉さんが突っ込む。
攻撃される魔王と言う立場がむかつくらしい。
「段々腹が立ってきたな」
そう目玉さんがぽつりと呟いた。




