続き8
「とにかく、その眷属を縛って後で取り調べしよう」
そう慧光さんが指示を出したんで、特別なSPさん達が飛びついて<おやっさん>の野崎君は捕まえた。
「いやいや、私は別に違法な事をしたわけで無くて、黒子ですし本部の暗いとこに潜んで聞き耳を立てただけです」
<おやっさん>の野崎君がそう騒ぎまくっていた。
何をやってんだか……。
「いや、そんな風に本部とはいえ喋る奴いるのか? 」
慧光さんが皆を見た。
「今回は皆が決戦だと目を血走らせてましたから、やる気満々の連中もいれば、不安だらけの人も居て、ぽそりと言う人が結構いたんですよ」
そう<おやっさん>の野崎君が呻いた。
「いやいや、それにしてもだな。喋るか? 今回は巫女神と手練れだけの話だぞ? 」
慧光さんがそう呟くと大神さんが悔しそうな顔になった。
「いやいや、この人を守るのが一つの大きな問題なのですから、別に悔しがる事は無いのでは? 」
SPさんが大神さんを見て苦笑した。
「しかし、ここぞと言う時に戦う為に、私は訓練していたのに」
そう悔しそうに大神さんが呻いた。
「いや、それは正しいと思うぞ。それにそもそも、ここが最前線で無いと言う事はない」
そう慧光さんが笑った。
「そうですよ。貴方がいつだって頑張っているのは眷属の私が一番良く知っております」
そう<おやっさん>の野崎君がグルグルに特別なSPさんに縛られていたはずなのに、いつの間にか脱出して、その和やかな話に参加していた。
「いや、お前! いつの間に? 」
そう慧光さんが叫ぶと同時に爆発した。
ブルーシートの隙間から次々と火が付いたダイナマイトが投げ込まれている。
爆炎と悲鳴の中で俺は唖然として見ていた。




