続き6
「それは本当なんですか? 」
「まあ、匂いだがな」
俺の疑問に目玉さんが答えた。
「ああ、土御門家ではあれだけ<老公>とも<三本首>と戦った加茂さんを疑ってるわけじゃない。どちらかと言うと、何らかの呪術を掛けられているのでは無いかと心配している」
そう慧光さんが話す。
「こっちの情報ではそんな話は聞いて無いが」
そう<角錐>さんが答えた。
「うちの霊能師の連中で感覚の鋭敏な奴が懸念しているんだ。勿論、<老公>とか連中に一番近い連中を撃破しているし、裏切ってるとは全く思っていない。だが、流石に何かあるなら、この大一番の戦闘では不安になるものもいて、仕方ない措置だと思ってくれ」
そう慧光さんがすまなさそうに<角錐>さんと俺に頭を下げた。
「しかし、我ながら思うが、こいつが行かないと勝てないんじゃないか? 」
<角錐>さんがそう話す。
「それはどうとも。土御門家としても巫女神が参加するし、その辺は何とかなると思うんだがな」
そう慧光さんが話す。
「まあ、<角錐>さんは俺を高評価し過ぎですよ」
そう俺が苦笑した。
「いや、それだけの事はやってるぞ。正直、関わり合いになりたくないタイプだ」
「まあ、あまり敵味方に縛られないからな。自由な分だけ考え方が柔軟だ」
そう<角錐>さんと目玉が答える。
「何か、評価高いな」
そう大神さんが呟いた。
微妙にライバル心を持っているらしくて、俺が褒められるのが苛つくみたいだ。
三鈴さんに憧れてたもんな。
「で、お前はどうしたいんだ? 」
<角錐>さんがそう直球で聞いて来た。
皆が凄い目で注目してくるので微妙に脂汗が出る。
正直、小さい俺とのこともあるし、関わらない方が良いのかと言う気持ちもあれば、三鈴さんが心配な気持ちもあって悩む。




