続き1
「そんな事があったんですか……」
そう、俺が薫子さんに言いつつも確かに脳内出血とかの手術の後で性格が変わると言うのは良くある話だった。
輸血でも変わるし、最近では腸内細菌で変わるのが分かってる。
陽キャのうんこから採取した腸内細菌を陰キャに移すと陽キャに変わるとかなんとか。
そりゃあ、魂を移したのなら、性格が変わってもおかしくないと思われた。
「やはり死んだ前と死んだ後と私が変わっていると言われても私には分からなかったし、信じているお父様に疑われたのは辛かった。別の人格の自分が居た貴方とは違いますが、何となく身の置き場所が無いような感覚なら分かります」
「ああ、なるほど。確かに私はここに居て良いのかなって気持ちはしますからね。正直、三鈴さんは俺とは別の違う人に惚れてて勘違いで結婚したような感じもします。小さい俺を見てると前向きで必死で、俺みたいなノリだけで突っ走ってるのとは違うし。本当に同一人物なのかなとか思ったり。俺の方が本当は生きてちゃいけない人間と違うのかなと思ったり」
そう俺が苦笑した。
「いや、でも、私は貴方に救われましたから」
そう、薫子さんが真面目に答えた。
「ははははは、気を使っていただいて、ありがとうございます」
「いえ、本当の事ですから」
そう薫子さんがもじもじしながら答えた。
「何ですか? 私は彼女を探しにいけないのに、いきなり不倫ですか? 」
いきなり<おやっさん>の野崎君が部屋の隅から叫んだ。
「馬鹿やろう! もう少しだったのにぃ! 」
その背後には合体して、元の大きさに戻った目玉さんが居た。
「いや、隠れて見てたって、私にメリット無いですしっ! 」
「いやいや、こういうのを見るのがジャパンのデバガメとか言って通のする行動なんだろうが! 」
<おやっさん>の野崎君と目玉さんが騒いでいた。
薫子さんは恥ずかしそうに俯いていたが。




