第12部 終わり
だが、それでも<黄泉の王>と呼ばれるだけあって、致命傷にはなっていないようだ。
実に困ったものである。
小さい俺は回収されてしまった。
「駄目か? 」
俺がそう呟いた。
ついでにいろんなものを載せていたので、もっとダメージを与えれると思ったのだが。
「狙ってやったんですか? 」
「無茶苦茶するなぁ」
そう追儺の実働部隊の人達がそう答えた。
「あの小さな加茂さんも貴方に任せた方が良かったかもしれない」
そう山本さん悔しそうな顔で呟いた。
「それはどうかな? 」
「私もそう思います」
目玉さんと祖母が俺に任せたらいけないに同意とかどういう展開なんだが。
そうして、黒い空間は渦になり小さくなって消えた。
「また、彼を助けれなかった」
そう山本さんが跪いて茫然と呟いた。
いや、俺はここにいるんだけどな。
その辺りは微妙に引っかかっている俺が居た。
三鈴さんが惚れたのがあちらなら、俺は単なる間男ポジションなのか?
はたまたNTRした側なのか?
手は出してないけど、微妙に別人格の俺が居るとな。
がっくりとした山本さんを見てしみじみそう思う。
「やっぱり、あそこに置いてあった奴が全部無くなってる。全部仕掛けたんですね? 」
しれっと戻って来た<おやっさん>の野崎君がそう聞いて来た。
やはり、彼は目ざとい。
「何を仕掛けたんです? 」
そう追儺の実働部隊の人が聞いて来た。
「ああ、GPSです。相手の居る場所が分かるかと思いまして」
そう俺が答えた。
「えええええ? いつの間に? 」
「いや、こっちから襲撃してやろうかと思いまして」
そう俺が追儺の実働部隊の人達に笑った。
そうしたら、山本さんの目がギラリとしだした。
まあ、そうなるだろうなと思ったけど。




