続き20
「まずい! 両方連れ去られた! 」
「これでは! 三鈴さんに会わせる顔が無いっ! 」
追儺の実働部隊の人達もそう必死に呪符で抵抗しながら叫んだ。
「ああああああ、孫がっ! 」
小さい俺も<黄泉の王>の空間に飲み込まれた。
そして、俺のパワードスーツの方もずぶずぶと空間の闇の飲まれだした。
「あああああっ! これでは世界がっ! 」
山本さんの焦りが凄い。
「とにかく! 土御門家に連絡を! 」
追儺の実働部隊の人達の一人が急いで連絡を始めた。
だが、それはすでに遅かった。
とうとう<黄泉の王>の真っ暗な空間にパワード完全に俺のパワードスーツも完全に飲み込まれたのだ。
「何でこんなことに……」
「あああああ」
山本さんと祖母が呻いた。
「いや、まあ、あんだけでかいと捕まるでしょうね」
そう俺が窓際まで寄って、それを眺めた。
「は? 」
追儺の実働部隊の人達が俺を見つけて唖然としてた。
「いや、いつの間に? 」
「逃げれないと思ったら、普通に、その前に分離して離脱するでしょ」
山本さんの言葉に俺が笑った。
そうしたら、パワードスーツが爆発した。
中西君が作ってくれた、ガスで土砂加持の砂を噴射できるようにしたボンペとかパワードスーツに混ぜ混ぜしてたんで、それが爆発したようだ。
「おおおおお、やっぱり爆発したか」
そう俺がそれを見て呟いた。
その後に激しい閃光とか浄化の光とかいろんなものが花火のように爆ぜた。
ぶっちゃけ、浄化に使うものとか呪符とか、いろんなものを大量に事務所に備蓄してたので、それもパワードスーツに混ぜてたのだ。
「あああぁぁああぁぁぁあぁぁぁぁ! 」
<黄泉の王>が爆ぜながら何か異様なものを吐き出すように叫んだ。
そして、空間だけでなく、周辺に地震すら起きた。
「一体、何が起こっているんだ? 」
俺がそう呟いたもんで、皆がドン引きしていたが。




