続き18
「面白い真似をする」
そう<黄泉の王>の身体が崩れてきたら、空間が歪んで、真っ黒い闇のようなものが空中に現れた。
「何、あれ? 」
俺が小さい俺に聞いた。
「<黄泉の王>の本体だ」
そう小さい俺が身震いして答えた。
「良し、ぷっこむか! 」
俺が再度どでかい注射器を構えた。
「駄目だ! 近寄ればやられる! 」
山本さんがそう叫ぶので、一気に身体を改造して、今度は注射器をレールガンで打ち出すように変形した。
「おおおお、ナイスアイデア! 」
<おやっさん>の野崎君がそう感動した。
そして間髪入れずに注射器を発射したが、それはあっさりと空間で粉々に爆ぜた。
「ちっ! どれっ! 」
その瞬間に目玉さんがバラバラになったままの小さな姿で突撃した。
それが一瞬にして塵に還る。
「ああああ、目玉さんがぁぁぁ! 」
「嘘! 」
俺が叫ぶと薫子さんも動揺した声をあげた。
「いや、大丈夫。な、増えると便利だろ? 」
そう突撃しないで残ってたバラバラの小さな目玉さん達が笑い声をあげた。
何だか、良くわからんけど。
「あいつ、心も集合体なのか? 」
そう目玉さん達が小さな俺に聞いた。
「そうなんですか? 」
「何だ、気が付いて無いのか。あれ、尋常でない作られ方してるな」
そう目玉さん達が呻いた。
「作られた? 」
「作った可能性の高い意識の集合体だな。かなり厄介だ」
そう俺の疑問に目玉さん達が答える。
「そうなんですか? 」
山本さんもそう驚いたように聞いた。
「おい、薫子の旦那か、三鈴の旦那になるのか知らんが小さい方は奴らの方に行くな。ありゃ、最後にお前を飲み込むつもりだ」
そう目玉さんがさらりとヤバい話をした。
皆が凄い顔して聞いていた。




