続き11
「いや、随分と俺は性格が変わってしまったんだな。山本さん」
そう小さい俺は苦笑した。
「いや、それは……仕方ないですよ……」
「三鈴ちゃんは元気なの? 」
「……ええ」
小さい俺の言葉で山本さんの言葉が小さくなった。
俺はそれを唖然と見ていた。
「まさか、あんな小さな女の子と俺が冥婚とは言え結婚しているとは思わなかったよ」
そう俺に小さな俺が冷やかに呟いた。
「えええと……つまり……三鈴さんが俺と結婚したがったのは、君のせい? 」
「それは聞いてみないと分からないけど、昔に彼女を守って戦ったことがあるのは確かだよ」
そう小さな俺は苦笑した。
「じゃあ、俺の立場ってどうなるんだ? 」
そう俺が悩んだ。
とにかく冷静に考えてみよう。
「俺が二人いて、その一人が三鈴さんを助けて、それで三鈴さんが俺に惚れたって事? じゃあ、俺っていらない方じゃん……」
俺がそう呟いた。
「いや、俺は人間では無い。本来は君が持つ性格と記憶と<呼ぶもの>の一部を分離して妖魔が食べたもので再構築したのさ。<呼ぶもの>がどうしても欲しかった、まつろわぬものと言うよりも、この世界の悪しきものを支配するものがさ」
そう小さい俺が悲しそうに答えた。
「何があったんだ? 一体、俺に……」
俺が動揺して悩む。
「山本さん。今、<角錐>さんだけでなく西洋の魔王の奇襲で俺を抑えて監視していたモノがそちらへの対応で俺に気が付けてません。だから、ここに来ました。俺を殺してくれませんか? 」
そう小さな俺が寂しそうに笑った。
「そ、それは……」
山本さんが物凄く動揺した顔で呻いた。
「ええ? 」
俺は動揺したままで、どうしたら良いのかさっぱりわからなかった。
何が昔の俺に起こったか分かったが、記憶には全くない。
皆が小さな俺の言葉で静まり返った。




