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続き7

 周辺は次々と何かと何かが戦い合っていた。


 剣と剣の切り合いなのか金属音と、激しい叫び合いが続いている。


「くそっ! フクロウが居なくなったっ! 」


 追儺の実働部隊との激しいタックルの切り返しを水島先輩が制した。


 実に簡単な事に、本気であの被り物を取られて顔を見られるのが駄目らしくて、水島先輩がそれを脱がそうとして相手が抑えるのを止めて、その隙に投げ飛ばすと言う荒業で水島先輩が勝ってしまった。


「まるで覆面レスラーと戦うプロレスラーみたいですね」


 そう<おやっさん>の野崎君が唸る。


 実は俺もそう思った。


 ピンチに悪役レスラーが相手の覆面に手をかけて相手の注意を引くのお決まりのパターンだ。


 まさか、リアルの話で、こんな戦いを見るとは。


「ふふふふふ、顔を隠す以上、それが弱点と言う事さ」


 水島先輩がそう笑った。


「あ、あれは! 」


 柚原さんが驚いて叫んだ。


 白い布がふわふわと百鬼夜行らしいところから流れてくる。


「一反木綿だと? 」


 俺が唸る。


「いや、しかし、手とかついてませんよ? 」


「あれは大先生の創作だ。本当は布だけが舞うんだ」


 そう俺が<おやっさん>の野崎君の言葉に突っ込んだ。


「布じゃあなぁ」


 そう冷やかに水島先輩が呟いた。


 流石、雑食王だ。


 布は食べ物では無いからか。


 水島先輩は全く興味を持っていなかった。


「何でも、一反木綿が現れる所は土葬して木綿の旗を立てて弔う習慣があるらしくて、ある意味心霊現象なのかもしれないけど」


「詰まんない事は良く知ってますね」


 俺の言葉に<おやっさん>が冷やかに突っ込んだ。

 

「詰まんなくて悪かったな」


「いやいや、感心しているのですが」


 くくっ、何という言い草だろうか。


 蘊蓄好きはそう言うので傷つくと言うのに。

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