表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
225/315

続き3

「何か光みたいなものが見えるな」


 そう水島先輩が<角錐>さんが破壊した窓から外を見た。


 確かに俺にも見える。


「いや、私には見えないが」


 常務がそう答えた。


「多分、妖気が見えるものだけしか見えないのでは無いでしょうか? 私にも見えますから」


 そう<おやっさん>の野崎君が答えた。


 確かにその感じはある。


「わしらはどうしょうか? 」


「とりあえず、まだ仕事がありますし」


「終わって無いから、逃げようがないですね」


 残っている部長とかそう言う人は社畜の鏡みたいな人達だった。


「そこで皆さんに提案があります。この食材を食べてください」


 そう水島先輩がリュックの食材を見せた。


 牛鬼を捌いたものであった。


「「「えええええ? 」」」


 社長の騒動で、それが何であるか薄々と察したらしくて、部長たちが一瞬に怯んだ。


「ははははは、見ててください」


 そう水島先輩が笑いながら、背中からまた蜘蛛の足を出した。


 皆がさらにそれでドン引きした。


 だが、水島先輩はそんな事では折れなかった。


「見ててくださいね」


 そう自分の席に座ると、書類のチェックをしながらパソコンの打ち込みも同時に始めた。


 何と蜘蛛の足がパソコンをスゴイスピードで打ち込んでいた。


「何と、仕事の効率が倍以上に上がるんですよ」

 

 そう水島先輩がにっこり笑った。


「こ、これは……」


「これがあれば仕事が早く済んで、家に早く帰れるかも……」


「仕事の効率が上がるのか……」


 ふらふらと部長達の手が食材に向かった。

 

 まさに彼らは社畜の鏡であった。


「いやいや、それはまずいのでは」


 そう追儺の実働部隊の人が答えた。


 だが、部長達の震える手は止まらなかった。


 そして、それを常務が静かに止めた。

 

「社畜だけど……人間で居よう……」


 重い重い言葉を常務が呟いた。


 何という深い話なんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ