続き18
「くうっ、抜け目がない奴め。俺だけは生身の人間だからか」
闇の修験者が今更ながらに答えた。
今度は延長コードからからむき出しにして引っ張った電線を蛇のように動かして、闇の修験者に片側はコンセントで片側は闇の修験者に絡めた。
「んがぁぁああぁぁ! 」
また、凄まじい電流が流れて、闇の修験者がのたうち回る。
だが、流石に何度もスパークさせたせいで、病院の電気がパシッと言って切れた。
次の補助電源が入った時にスパークさせるとこの病院の患者が不味いかもしれない。
そう一瞬考えたのが悪かった。
闇の修験者が石笛を吹いた。
その瞬間にバキバキって音がする。
細い足を壁に突き刺すように何かが登ってきている。
「牛鬼ですかね? 」
<おやっさん>の野崎君が呻いた。
「おぉぉおおぉおおおおおおおおお! 」
「アアアアアアアアアアアアア! 」
外から<角錐>さんと般若の面の傀儡人形さんの叫び声がした。
相当、やばい奴が上がってきてるのか。
闇の修験者がこちらが怯んだので笑った。
だが、その笑いは固まったままになった。
窓に立っていたのは水島先輩だった。
しかも、背中から八本の足が生えていて、それが壁を伝って歩いていたようだ。
「呼んだ? 」
水島先輩が笑った。
「ど、どうしたんですか? 」
俺が流石に驚いて聞いた。
「いや、食べたら、生えてきたよ」
そう水島先輩が微笑んだ。
「さらに、混ざってますね」
<おやっさん>の野崎君が冷やかに分析した。
「食べた? 」
そう闇の修験者が凄い顔で驚いていた。
「味はどうだったんですか? 」
「最高! 」
俺が聞くと水島先輩が親指を立てた。




