続き16
「いや、六十年以上生きて来て、こんな奴等見た事ないわっ! 」
「センネンイジョウイキテルガ、カマクラブシトカコンナノイタゾ? 」
「いや、昔過ぎでしょうがっ! 」
目の前のあまりの出来事に衝撃を受けた闇の修験者さんが騒いでいた。
「正義を名乗ってる連中の闇を見てしまうとうんざりするがな」
<角錐>さんがそう苦い顔をした。
「いや、まあ、俺達はノリだけど、確かに正義を名乗っているのに実はこんな事して良いのかって言う事はごく普通にありますよね」
そう俺が答えた。
「ノリはどうかと思うがな」
そう<角錐>さんが苦笑した。
「これまた友人の話なんですがね。某掲示板サイトでお寺さんとかの宗教系の板があったんですよ。んで、そこにお坊さんだけで五十人くらいいる、とても大きな寺のお坊さん達の愚痴が書かれてたんですよ。友人もお寺の苦しい修行の話が書いてあるのかと思ってたら、本日貫通話ばかりなんですよね。とうとう、俺もやられた。寝ている間にやられた。どうも食事に一服盛られたらしい。ケツの穴が痛いとかですね」
「は? 」
<角錐>さんの瞳孔が開いた。
「そこからですね。何でも住職さんの秘書係やってるナンバーツーの坊さんがやってるらしくて、俺なんか三回やられたとか悲痛な叫びが次々と書き込まれている訳なんですよ。で、住職さんが弟子の可愛さからか黙認していると文句言ってる……。で、一番の闇がね、その寺の名前と住職さんの名前をとうとう暴露した人が居て、友人の祖母の代から付き合いのある〇〇山のお寺の住職さんだったりして」
「おおおおお、それは気まずいですな」
俺の話に<おやっさん>の野崎君が同意した。
「話のディーテルが確かに微妙に合うんですよね。こんな恐ろしい闇がですね。未だに仏教の聖地にあるとか。それ以上に長いお付き合いの住職さんにこんな闇がみたいな。いや、確かに開祖がそう言うのを弟子に推奨したって言い伝えはあるけど、あれデマだって聞いてたんですが……」
俺が途方に暮れたように話す。
「恐ろしい現実ですな」
そう柚原さんが唸る。
<角錐>さんは固まったままだった。
 




