続き14
「いや、あいつらいちいちウザいんだよっ! 」
「ダカラコソ、ハナシアウナトイッテタハズ」
「私も話したりとかしたくねぇよ! あいつらずっとこうなんだものっ! 」
電信柱の上の闇の修験者さんと般若の面の傀儡人形が激しく突っ込み合いをしていた。
「あーあーあー、こうなるんだよな」
そう<角錐>さんが呆れた。
「あまり言い合いしてる方の邪魔するのも宜しく無いですね」
そう柚原さんがそっと俺達をつついたので無言で俺と<おやっさん>の野崎君とでトテトテと病室を出ていった。
「ふう」
その俺達を見て<角錐>さんもため息を深くつくと一緒に病室を出ていこうとした。
「ちょっと、待てっ! 待てっ! 」
それに闇の修験者が気が付いて叫んだ。
だが、俺達は反応しなかった。
そうしたら、病室のドアがバタリと勝手に閉まってガチャリと鍵が掛かった。
「おや? 」
「これは、参りましたね」
俺と柚原さんが寸前で出れなくなって驚いた。
「逃げるなっ! と言うか、その男はお前達の会社の社長では無いのか? 置いて行くのか? 」
そうベットで寝たままの社長を指差して闇の修験者が叫んだ。
「いや、病気ですから」
俺がさらりと答えた。
「いや! 置いて行ったら殺されるかもって思わないのか? 」
「え? 一般人を巻き込んじゃうんですか? 」
「当たり前だろうがっ! 」
そう闇の修験者が絶叫した。
「まつろわぬものとしても卑怯な道を歩まない鬼族はそんな事はしないのではないですか? 」
「お、おぅ」
俺が<角錐>さんに聞いたら、困ったように<>角錐>さんが頷いた。
「いやいや、だから、悪の組織なんだろうがっ! 」
そう闇の修験者さんが叫ぶとあまりの正々堂々とした告白にちょっと俺達は気恥ずかしく感じて目を伏せた。
「いやいや、どういう態度っ? 」
「青春ですね」
そう闇の修験者に柚原さんが微笑んだ。
思いっきり空気が固まった。




