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続き12

「オマエカ……オマエナンダナ……」


 そう外から響くような声が窓からした。


 窓を見ると張り付いたような般若の面をした操り人形が浮かんでいた。


 俺と<おやっさん>の野崎君と柚原さんはナチュラルに<角錐>さんを見た。


「いや! ナチュラルに俺に押し付けるなよ! どう見てもお前を見ているだろうがっ! 」


 そう<角錐>さんが叫ぶ。


 すると俺達は今度は一斉にベットに寝ている社長を見た。


「いやいや、お前ら見舞いに来たんんじゃねぇのかっ! 病気の社長に押し付けてどうすんだよっ! 」


 <角錐>さんが再度騒いだ。


「何という突っ込みスキルだ」


 俺が凄く感動した。


「本当ですね。こちらが意図する所が良く分かるなんて」


 <おやっさん>の野崎君も手放しで感動していた。


「いや、お前ら絶対おかしいわ」


 そう<角錐>さんが俺達に突っ込んだ。


「ナルホドウワサイジョウニフザケタヤツダ。ワガシヲソウヤッテヒキズリコンデシナセタノハワカッテイルノダ」


「何故、カタコト? 」


 俺が聞いた。


「ムカシノコトバデハヨクワカルマイヨ。イマノコトバデハナシテイルノダ」


 般若の面はカタカタと話す。


「何ですとぉぉぉ? 」


 そう<おやっさん>の野崎君が驚いた。


「驚いたな。何というリアリティだ」


 俺が感心した。


「どういう事なんです? 」


「いえ、昔の言葉だと発音を伸ばしてて分かりにくいんですよ。実は。江戸時代の人の言葉が大体歌舞伎の感じで、昔はさらに長く伸ばしていたとか」


「確かに、昔の言葉でちゃんと聞けるくらいのクラスの霊能者になると、恐ろしい事に何を言ってるのか伸ばし過ぎて分かんないって言う人もいますからね」


 そう俺の言葉に<おやっさん>の野崎君が解説してくれた。


「そこまでリアルにやらなくても良いじゃないですか」


 そう柚原さんがほっこり笑って答えた。


「まあ、<老公>も普通に話してたもんな」


 そう俺も笑って同意したら、般若の面が困惑した顔で俯いていた。


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