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続き3

 そう言えば薫子さんについてる目玉の魔王も不思議な事を言っていた。


 ひょっとしたら、昔に何かあったのかもしれない。


 実は大学生の最後の辺りがあまり記憶にない。


 就活して仕事を決める前後だ。


 正直に言うと、地元でこの会社を選んだのが実を言うと良く分からないのだ。


 この街は何故か好きだ。


 ここに住みたいと思ったから、ここを選んだはず。


 だが、あの会社にした理由が分からない。


 一応、この街では大企業である。


 近いうちに上場するつもりで動いているのも知っていた。


 まあ、現状のグダグダではどうなるか分からないけど。


 そんなつもりでここを選んだはずなのに……ひょっとして違うのか?


 ふと、顔を上げて見ていると、<おやっさん>の野崎君が山本さんに何か話してた。


 格で言えば遥かに山本さんの方が上のはずだが、すまなさそうに頭を下げているのが印象に残った。


「そろそろ着きますよ」


 <おやっさん>の野崎君に何か言われたのか山本さんは何も言わないで、それだけを俺に話した。


「ありがとうございます」


 いずれは俺もそれが何なのかを知らないといけないのだろうけど、とりあえず、そう頭を下げた。


「今日は水島先輩がボストンバックを持ってきてくれたので、それに入りましょう。いつもは病院に入る為に前日から小窓を開けておいて入るようにしてたからたまに閉まってたりして大変でしたが、今日は随分楽ですよ」


 そう柚原さんが喜んだ。


 と言う事で、早速、俺と<おやっさん>の野崎君と柚原さんが人形とぬいぐるみのままでバックに入った。


 後は水島先輩に運んでもらうだけだ。


「では、何かあればいけませんので私は駐車場で待ってます」


 そう山本さんはさっきの残念そうな顔が嘘のような笑顔で笑ってそう言ってくれた。


「では、行ってきます」

 

 そう、俺が挨拶すると内側からボストンバックのチャックを閉めた。


 後は水島先輩に病室まで運んでもらうだけだ。

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