続き1
「実は、あそこの病院死んでる人が凄く多くて亡霊が一杯いるんですよ」
そう柚原さんが話す。
「まあ、死人病院だものな」
そう水島先輩が苦笑した。
「え? 」
俺が驚いた。
「ああ、市民病院って名前から、あまりに死に過ぎるもんでな」
水島先輩が苦笑した。
「私、ここに住んでたのに初めて聞きました」
三鈴さんが驚いた。
「いや、お金がある人は自分の命が大事だから他所に行くしな」
「何かの祟りでもあるんですか? 」
「いや、単に病院の質じゃねぇかな? 知り合いが盲腸の開腹手術をやった時に、開腹寸前で担当医が電話を始めて、昔の大学の時の教授に電話を始めて、お腹を切ってから、その後の手順ってどうでしたっけ? って聞いてたらしい。知り合いは震えたって言ってたからな」
「生前に夜間で緊急にお腹が痛くなって、電話して看護婦さんと相談したら来てくださいって言われたから行ったら、何故か麻酔医さんが出て来て、看護婦さんと俺に言われてもわかんねぇぞってブチ切れた挙句、家帰って寝てろと暴言を吐かれた事がありますよ」
水島先輩の話に<おやっさん>の野崎君が続いた。
「そう言えば、俺も次回も用心に来てくださいって言われて、次回に行ったら前の先生が急遽学会に行ったらしくて、代わりの先生が不貞腐れていて、すでに症状が殆ど無かったから、何しに来たっ! この程度で来るなっ! て逆切れされたことある」
俺もそれを思い出した。
「まあ、あまり評判は良くないですよね」
「確かに」
追儺の実働部隊の人達まで同意した。
「それなら、たくさん亡くなってるでしょうね」
俺がそう同意した。
「でも、それで社長にチョッカイ出してくるのもいるんですよ」
そう柚原さんが話す。
なるほど、それで毎晩行っていたと言う事か。
「出来たら、一度、皆さんにも一緒に来て欲しいのですけど……」
そう柚原さんが頼んできた。
追儺の実働部隊の人達は困ってたけど。
事実は小説より奇なり。
恐ろしい病院でつね。




