表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/315

続き9

「とりあえず、逃げますよ」


 そう中西君が軽自動車を発進させようとしたが動かなかった。


 タイヤが空回りして異音を立てた。


「あれ? 」


「タイヤ交換をケチってたのか? 」


「本当だ? 」


「いや、中古の軽自動車だけどメンテはちゃんとやってるし、バリ山のタイヤを使ってるんだが」


「じゃあ、何で? 」


 俺が中西君に突っ込んだ。


「いや、わかんない。前に何か透明な壁があるみたいで……」


「透明な壁? まさか、それは水木大先生がお会いしたと言う<ぬりかべ>では? 」


 俺が衝撃を受けたように話した。


「何ですって? 」


「水木先生は南方で米兵から逃げる時にその壁に邪魔されて、結局、そちらにはいかずに寝たら、次の日の朝に起きるとそこから先は崖だったとか」


「おおおおおおおお、つまり、こちらから先には行ってはいけないと<ぬりかべ>さんが教えてくれてるとかっ! 」


 俺の言葉に<おやっさん>の野崎君が感動した。


「いやいや、横を見ろっ! 横をっ! 」


 中西君が絶叫した。


 俺達が見ると、あの超巨大な牛鬼がこちらに向かって来ていた。


「「あああああああっ! 」」


「敵じゃ無いのか? 足止めされている感じだっ! 」


 中西君がそう叫ぶ。


「馬鹿なっ! 水木大先生の人生最大の危機を救った<ぬりかべ>がそんな事をする筈が無い! 」


「その通りだぁぁぁ! 」


「現実を見ろやぁぁぁ! 」


 ハフハフ言って向かってくる超巨大な牛鬼を見て中西君が絶叫した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ