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プロローグ 「死」

 この世にはたくさんの奇跡が溢れている。


 世界、いや地球や宇宙には数えきれない、未発見の事象が存在している。

 生物の進化、物理現象、化学反応etc…


 僕はこういった未知を解き明かす、自他ともに認める『天才科学者』だ。

 飛び級で入学した世界一の東景大を首席で卒業

 その後、研究所を立ち上げ、博士として多くの研究成果を発表してきた。


 あぁ仕事が研究…なんて嬉しいことか。

 もうこんな調子で研究一筋…

 独身のままアラフォーになってしまった。


 見た目は悪くないと思うが、外見に無頓着すぎたのも理由か?

 自分を冷静に分析はできるくせに、研究を愛しすぎてその他がどうでもよくなってしまう。

 かれこれ、研究以外では人としばらく会っていないし、話していないかもしれない。

 没頭すると他が疎かになってしまうのは僕の悪癖だろう。


 でもいいんだ!

 僕には研究があるから!

 さて切り替え!本日も研究日和!


 …おっと眩暈が。最近あまり睡眠をとれていないからか?

 朝日が昇っている。

 また徹夜してしまった。

 生活リズムが壊れてるから、体も壊すわ。

 でもこんなに頑張っているのには理由がある。

 あと少しで、今までの研究の中でも一番の成果がでるところなんだ!もうひと踏ん張り僕!


「先生、大丈夫ですか? 無理なさらないでください。

 この研究は、きっと世界が驚く大発表になるんですから」


 声をかけてきた、イケメンメガネくんは僕の大切な助手だ。


「たまには帰って休まれてはどうです? あとはやっておきますよ」


 気の利く助手だ。つくづく感心する。

 こういう男がモテるのだろうな。

 若いし、性格も容姿もいいし。

 上司のくせに助手から劣等感を叩き込まれ、自分が情けないと多少思った。

 だが相手が悪いと自分を納得させた。

 なにより、疲れがピークに達していているので、頭から3秒で劣等感など消滅させた。


「お言葉に甘えて、今日は休むよ」


「では片づけ含め、やっておきますね。」


 うっ眩しい…

 女性を何人落とした?と思わせるイケメンスマイルをアラフォーおじさんに向けちゃう?

 そんなことを考えながら、小さく一礼をしている助手を横目に、僕は手を振り、研究所をでた。


 なんだか早く帰れるのが嬉しくて、朝日の下を年甲斐もなくスキップして我が家へ帰った。

 家についてからの記憶は、なんだかぼんやりしている

 気づいたらもう夕方だった。

 どうやら、朝から夕方にかけて寝てたようだ。


 (お腹すいた…)


 家の冷蔵庫を開けると、食べれそうなものはなかった。


 (久しぶりに帰ったからなぁ)


 そんなことを考えながら、研究所に昨日買い置きした惣菜があることを思い出した。


「戻るか」


 結局こうなるのね。


 研究所に戻った僕は冷蔵庫にいれていた惣菜をとりだし、デスクで食事することにした。


(ついでにデータでも見ながら、今後の方針を考えるか)


「ん?」


 研究に使用していたデータが…ない。

 毎日、散々PCは見ている。場所は変えていないはず。

 検索にも引っかからない。

 頭が真っ白になった。


 必死に考えた。


 間違えて消した?

 いやあり得ない。


 盗みか?

 いや現金を盗むならまだしも、なんの研究か理解できないデータ、誰がいるんだ?

 そもそもPCのロックを解除できるのは…

 そんなことを考えていたら、突然背中が熱くなった。


 (なんだ…?)


 僕の身は地面に打ち付けられた。意識が虚ろだ…

 背後にナイフを持った男がいた。

 体が冷たくなっていく…

 刺されたのか…


(できることならもっと研究をしたかった…もっと遊んでいればよかった…)


 そんな願望を垂れ流しながら、そっと目を閉じた。

これからよろしくお願いします。

お読みいただきありがとうございます。


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