リボンをたどって
主人公の名前「◯◯」の部分を、お子さんの名前など、好きな名前を入れてお読みください。
とてもいいお天気の、ある日のことです。
お外に出た◯◯ちゃんは、家の前に一本のリボンがあるのを見つけました。
それはとてもとても長〜いリボンで、家の前の道にどこまでも続いていって、まるで終わりが見えません。
「このリボンは、どこまで続いているんだろう。よーし、このリボンをたどってみよう!」
◯◯ちゃんは、リボンをたどってみることにしました。
◯◯ちゃんがリボンをたどって歩いていると、道の向こうから犬さんがやってきました。
犬さんは、首にリボンを結んでいます。
「こんにちは、犬さん。ステキなリボンね」
「こんにちは、◯◯ちゃん。あのね、リボンの森に行ってきたんだよ」
そう言って、犬さんは鼻歌を歌いながら行ってしまいました。
「あーあ、行っちゃった。リボンの森ってなんだろう?」
◯◯ちゃんがリボンをたどって歩いていると、道の向こうから、今度は猫さんがやってきました。
猫さんは、しっぽにリボンを結んでいます。
「こんにちは、猫さん。ステキなリボンね」
「こんにちは、◯◯ちゃん。これはね、リボンの森でもらってきたのよ」
そう言って、猫さんはしっぽをふりふり行ってしまいました。
「猫さんもリボンの森に行ったのね。リボンの森ってどこにあるのかな?」
◯◯ちゃんがリボンをたどって歩いていると、道の向こうから、今度はうさぎさんがやってきました。
うさぎさんは、耳にリボンを結んでいます。
「こんにちは、うさぎさん。ステキなリボンね」
「ありがとう、◯◯ちゃん」
「うさぎさんも、リボンの森に行ってきたの?」
「ええ、そうよ」
「リボンの森には、どうやって行くの?」
「この長〜いリボンをたどって行けば、リボンの森に着くのよ」
「リボンの森までは遠いの?」
「そんなことないわ。リボンの森まであと少しよ」
そう言って、うさぎさんはピョンコピョンコ跳ねながら行ってしまいました。
「よーし、頑張るぞ!」
◯◯ちゃんはリボンの続いていく先へ向かって歩いていきました。
しばらくすると、緑の木々が生い茂った森がありました。森の入り口には「この先、リボンの森」と書かれた看板がありました。
◯◯ちゃんがたどってきたリボンは、森の中へと続いています。
◯◯ちゃんは、
「赤ずきんちゃんみたいに、オオカミが出てきたら、どうしよう」
と思いましたが、
「犬さんも、猫さんも、うさぎさんも行ってきたんだから、きっと大丈夫だよね」
と、勇気を出して森の中へ入って行きました。
◯◯ちゃんが、リボンをたどって森の中を進んで行くと…
森の奥には広場がありました。
広場にはリボンのお花がたくさん咲いていて、その上をリボンのちょうちょが舞っています!
「うわあ!リボンのお花畑だ!」
◯◯ちゃんはリボンのお花畑の中へ入りました。
リボンでできたお花は、ひとつひとつが違うリボンです。
ばらのような赤色、ひまわりのような黄色、桜色にすみれ色。
チェック柄に水玉模様。縁取りがあるもの。
ツヤツヤ光るサテンに、ふわっと透けるオーガンジー。
どれも素敵なリボンで、◯◯ちゃんはうっとり。
「どのリボンもとってもステキ。迷っちゃうなぁ」
◯◯ちゃんが選べなくて迷っていると、一輪のリボンのお花が囁きました。
「◯◯ちゃん。わたしを、◯◯ちゃんのリボンにしてくださいな」
そのリボンは、◯◯ちゃんの好きな色で、とてもオシャレな模様で、とてもキレイな布でできていて、とても可愛いリボンでした。
「うん!リボンさん、わたしのリボンになって!」
◯◯ちゃんがそう言うと、リボンのお花はするするほどけて、一本の長〜いリボンになりました。
リボンの先は、森の外へと続いています。
「さあ、◯◯ちゃん。わたしをたどって、一緒にお家に帰りましょう」
「わあ!リボンさん、ありがとう!」
◯◯ちゃんがリボンをたどって進んで行くと、◯◯ちゃんのお家が見えてきました。お家の前では、お母さんが待っています。
「あっ、お母さんだ。おーい、お母さーん!」
◯◯ちゃんはお母さんめがけて走って行きました。
お家につくと、長かったリボンはするすると短くなり、可愛いちょうちょ結びになって、◯◯ちゃんの服の上に留まりました。
「◯◯ちゃん、お帰りなさい。どこへ行っていたの?」
「ただいま、お母さん!あのね、わたし、リボンの森に行ってきたのよ!」
◯◯ちゃんは服の上のリボンを見せながら、そう言いました。
*おしまい*
お話の後で、◯◯ちゃんのリボンはどんなリボンなのか、聞いてみても楽しいと思います。
お読み頂きありがとうございました。お子様との楽しい時間のお供になれて嬉しいです。
評価・ご感想を頂戴できれば幸いです。




