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765.Rush the Grand Duke to a safe zone!

登場人物紹介にエンヴィルークを追加。

https://ncode.syosetu.com/n0050fz/2/

 レウス達が飛び立って早々に、城の出入り口に着地したワイバーンの集団の中から爆弾として使用される魔晶石が投げ付けられた。

 それは手のひらサイズの大きさに見合わない大爆発を起こし、出入り口に警備担当として立っていた騎士団員二人を一気に爆殺した。


「来やがったな……!!」


 そして一気に雪崩れ込んで来るウルリーカの手下達に対して、レウスを追うよりもこちらの方に対処しなければならない、とレウス以外のパーティーメンバー達が迎え撃つ。

 この展開になると、なり振り構わずに自分達のリーダーを奪還したいと考える連中がやって来ているらしい。

 ジークの言う通り、ペルドロッグの城下町の中で迎撃していたら住民達にも被害が及んでいただろう。

 何故ならこの連中は盗賊なので、ウルリーカを奪還するついでに略奪や殺戮をしないとも限らないからだ。


「出入り口は全て封鎖だ!!」

「一人でも逃がしたら盗賊として城下町が荒らされそうね!!」


 クリスピンの命令で即刻、城の出入り口全てが封鎖されて城の中でワイバーンのシンベリ盗賊団を迎え撃ち始めたパーティーメンバーと騎士団員達。

 サイカもそんな心配をしながらシャムシールを振るう。

 だが、エンヴィルークの背中に乗って飛び立ったジークとレウスを追い掛けるのも忘れられていなかったらしい。

 あのオレンジっぽい赤いドラゴンの存在は嫌でも目立つ上に、エレデラム公国で彼にやられてしまったシンベリ盗賊団のメンバー達が殺気立って追い掛けて行く。

 レウス達も、そのメンバー達が追い掛けて来ているのをすぐに察知した。


「案の定、追っ掛けて来たぞ!!」

「おい、もっとスピードを出せないのか!?」

『お前達が乗っていなかったらもっとスピード出せっけどよぉ、今はこれが限界なんだよ!!』


 そうぼやくエンヴィルークに纏わり付く様に、追い掛けて来たシンベリ盗賊団のワイバーン達が迫る。

 もしかすると、ワイバーンの方がこの神のドラゴンよりもスピードが速いのかも知れないと考えたレウスは、以前自分が使ったスピードアップの方法をエンヴィルークに提案する。


「なぁ、スピードアップの方法ならあるぞ!!」

『あるのか?』

「ああ。あんたの身体の中に魔力を注ぎ込む! それで一時的に身体能力を上げるんだよ!!」

『あー……それだったら前にアンフェレイアにやって貰った事があるぜ。わーったよ、それじゃ首の付け根辺りから胴体に広がる様なイメージで頼むわ』

「分かった!!」


 とりあえず言われた通りの流し方でエンヴィルークの身体の中に自分の魔力を注ぎ込み、彼をスピードアップをさせて振り切ろうとするレウス。

 しかし、敵は数の利があるので通話用の魔晶石で互いに連絡を取り合っていた。


「こちら追撃部隊、ターゲットはエレデラムで俺達を攻撃して来たあの赤いドラゴンだ!!」

『こちら待機部隊、了解した』


 その魔晶石での連絡を切っ掛けにして、空のはるか彼方からワイバーン達の増援がやって来た。

 しかし、このやりとりによってレウス達にシンベリ盗賊団に増援が居る事がバレてしまったのだ!!


「お、おい……あれって何だ!?」

「あ、あれは増援ですよ!! くそっ……奴等は増援まで用意していたのか!!」

『ちっ、後ろもまた追い付いて来てやがる!!』


 少しスピードアップしたのは良かったが、前回同じ手段で加速させたワイバーンよりも大きなドラゴンの中に魔力を注ぎ込んだので、加速の持続時間もそのワイバーンからすると短くなってしまう。

 なのでこれは使うタイミングが重要だなと考えつつ、まずは左から寄って来たワイバーンに対して再度アタックを仕掛ける様にエンヴィルークに命じるレウス。


「左だ!」

『任せろ!!』


 大きなドラゴン相手にドカンと一発体当たりされれば、それだけでバランスを失ったワイバーンごと吹っ飛んだ背中のシンベリ盗賊団員が背中から投げ出され、地上に向かって落下して行った。

 その後も左前方からやって来た増援に出合い頭に激突し、更に身体をグイっと水平の状態のまま横に向けて、前方から正面衝突を企む四匹を一気に叩き落す。

 レウスとジークが乗っている背中に乗り込まれない様に、自分のこの大きなボディを活かして体当たりで突き進むエンヴィルークだが、最終的に何処に向かえば良いのか分からないのでジークに尋ねる。


『おいおっさん、何処に行けば良いんだよ!?』

「おっさ……ええとだな、北西に向かって進んだ場所にある、大きな川が流れ込んでいる森の中に向かってくれ! あそこならワイバーン達もなかなか着地出来ないだろうからな!!」

『俺も着地出来ねえんじゃねえの!?』

「大丈夫だ。あそこの森の中には樹の広場って言って、大樹が立っている広場がある。そこだったら着陸できるから、そこに着陸してから空から来るあいつ等を撃ち落とす作戦で行こう!!」

『わーったよ!! だったらもっとスピードアップしてくれやレウス。そしておっさんはしっかり掴まってろよ!!』


 レウスにスピードアップを命じるエンヴィルークに対し、ジークは「一応俺も大公なんだから、おっさん呼ばわりは止めて欲しい……」とこの状況でブツブツ文句を言っていた。

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