第三話
「あ、もう終わっちゃったかい♪」
シグがジャックに着替えを取りに行ってもらっていると、アルハンドリアがひょっこりと現れた
「遅かったな」
「むー!これでもアベルくんが来てからすぐに駆け付けたんだよ?むしろ褒めてほしいな♪」
「ああ、ありがとうな」
シグはそう言うと{異界の門}の方を向く
門は無数の魔法陣によって囲まれ、無理やり閉じられていた
「これかい?例の{異界の門}っていうのは♪」
「ああ、今は無理やり閉ざしてるが長くは持たない」
「それじゃあ…とりあえず皆を集めようか♪」
普段アルハンドリアが住んでいる他とは異彩を放つ建物
よくある城をそのまま小さくしたようなその建物の中にある一室にシグ、ジャック、アルハンドリア、アベル、リアの五名が集まった
「あの…私は何で呼ばれたんですか?」
リアが小さく手を上げアルハンドリアに聞いた
「ん?別にいいでしょ♪」
「まぁ、いいですけど…」
「さーて♪それじゃあシグくん、あの門についての説明をお願いするね♪」
「分かった」
シグが立ち上がった
「あの門は異世界に生きる悪魔達が他の世界に攻め込む為に使う移動用の道具だ、設置型の魔道具で一度開けば閉ざすのは困難、今は一時的に封じたがおそらく2~3日がいい所だ」
「なぁ、門をぶっ壊すってのは出来ねえのか?」
ジャックが手を上げ発言した
「無理だな、空間を繋ぎ止めるという性質上破壊は困難だ」
「埋めちまうとかは?」
今度がアベルが声を上げた
「無理だな、悪魔共は《魔術》のエキスパートだ、埋めたぐらいじゃあ意味がない」
「じゃあ、どうすればいいんでしょう?」
全員が腕を組んで考えるも、いいアイデアが浮かばない
そうこうしていると、夕食の時間が近づいてきたので一旦解散となった
その夜、再び集まって話し合う一同
「…逆にこちらから攻め込むってのはどうだ?」
徐に呟いたジャックの言葉に全員の動きが止まる
「…危険だが、それしかないかもしれないな」
「うん♪じゃあそれでいこうか♪」
「だがメンバーはどうする?」
「…アルハンドリア、お前は残ってくれ、リアもだ、残りのメンバーで行く」
「分かりました」
「あいあい~♪」
そうして、一同の異界進行が始まった