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Vampire’Chrono ~救済の理想郷と誘いの半吸血鬼~  作者: 秋籠 雨加瀬
第一部・第一章~狩人と癒しの双子~
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第六話

「化け物が!」


シグの異形の姿を見たリーガが叫び声をあげる


「この後もやる事があるからな、そろそろ終わらせるぞ」


シグが触手を無茶苦茶に振り回す


「ぐぁっ!」「なぁっ!?」


ある者は腕を、またある者は足を、首を、数秒後にそこにあったのは夥しい量の血と肉片、そして離れていた為に助かったリーガのみであった


「後はお前1人だ」


シグにそう言われ、リーガは静かに剣を構える


「…うぉぉおおお!!!」


慟哭と共にシグに向かって行くリーガ、シグはそんなリーガに触手を叩きつける

触手が今にもあたるというその時、


「《ブースト》!」


瞬間的にリーガの動きが加速し触手を躱してシグの懐に潜り込む

そのままシグの首を跳ね飛ばす


「はぁ…はぁ…なっ!」


一瞬気の抜けたリーガであったが、その一瞬が命取りとなる

リーガの身体を全ての触手が背後から貫いたのだ


「首を跳ねても…生きているのか?」


「ああ、悪いな」


そこには、跳ねたはずの首が元通り生えているシグの姿があった


「だが見事な動きだったぞ、特にあの《ブースト》は良かった…騎士団には魔術の教師でも居るのか?」


魔術…それは力を持つこと無く生まれた者が〝能力者〟に対抗する為にはるか昔に開発した戦う術、今では魔術師自体の数が極小数しかいない為ほぼ使い手の居ないものであった


「貴様に話す事など、何一つとして無いわ!」


リーガは最後の力を振り絞りシグにしがみつく


「《スーサイド・ボム》!」


リーガの最期の魔術が発動し、術者自身の身体が大爆発を起こす

辺りには最早どちらの物なのかすら分からないほど細い肉片が飛び散り、舞い上がった砂煙によって周囲が包まれた


「まさか…自爆とは…」


土煙の中から、シグが姿を現す

その身体は爆発の影響で触手はちぎれ飛び、全身に無数の傷や火傷があった


「すぐに他の奴らも集まるな…うっ!」


シグが小さくうめき声をあげ、うずくまる

すると、みるみるうちにシグの身体の傷や火傷が塞がってゆく

おおよそ10秒程で傷一つない身体となった


「はぁ…はぁ…よし、これで準備は出来た」


シグは立ち上がると、自身に向かってくる多くの足音を耳にする



「さて、最後の一仕事だ」

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