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Vampire’Chrono ~救済の理想郷と誘いの半吸血鬼~  作者: 秋籠 雨加瀬
第一部・第四章【ロスト・クロニクル】~ノー・ライフ・プリンセス~
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第十話

「それで、どんな名前をもらったの?」


家族で食卓を囲んでいる時、エリシアがアニスとシグに聞いた


「{チャーム}!可愛い名前でしょ!」


「あら可愛らしい、いい名前ね」


エリシアがアニスの頭を撫でるとアニスはくすぐったそうにする


「シグは?どんな名前なの?」


「{ブラッド}!どう!かっこいいでしょ!」


「いい名だ、その名に恥じない男になるんだぞ」


マグナスはシグにそう言うとシグに微笑みかける


「はい!お父様!」





シグ達の家の地下、大きな古びた扉があった

かつて異界の悪魔達がこちら側に攻め込む為に使い、マグナスが封じた異界の門である

その門がほんの一瞬、音も無く開き、そして閉じた

その門の前には靄が漂っていた

その靄は暫くした後、天井を通り抜け、屋敷の中の一室、シグの寝室へとたどり着いた

そして、ベッドに横になるシグの体の中へ入り込んだのだった…




あさ、目がさめた、いつもより早い、少し気分がわるい

とても良い目覚めだ、気分が良い


まだ早いし、もう少しねようかな

少し、散歩でもするか?


いやだ、ふとんから出たくない

いつまでも横になっていてもしょうがない


お姉ちゃんが来た、たいせつな家族だ

とても憎たらしい半端者の小娘だ


お母さまだ、今日の朝ごはんはなんだろう

吸血鬼と交わった、穢らわしい女だ


お父様だ、今日もかっこいい

憎き吸血鬼、化け物、ロクデナシで自己中心的


お父様、今日は少し気分がわるいので部屋で横になっていてもいいですか?

………


へやにかえろう、あたまがくらくらしてきた

地下だ、地下に行こう


からだがだるい、うまくあるけない

門だ、門へ行くんだ


あれ?いまぼくどこあるいてるの?

もっと、もっと下だ


うちのろうかってこんなにくらかったっけ?

もうすぐだ


じめんがでこぼこであるきにくいな

あと少しだ


なにか、こえが、きこえる

皆喜んでいる!自由になる時を今か今かと待ち望んでいる!


あれ?こんなおおきなとびらなんてあったっけ?

さぁ開けろ!忌々しい吸血鬼の血を引く者よ


あけてみよう

さあ!さあ!さあ!





「そこまでだ」


マグナスの声でシグの意識がハッキリとする


「あ、あれ?ぼく何してるの?」


「シグ、そのままじっとしていなさい」


『そうはいかねえなぁ!!』


突然聞こえた声と共にシグの体が勝手にマグナス目掛けて駆け出した


「わわわわわ!!体がかってに!」


『死ねぇ!』


シグの手に血のナイフが創り出され、マグナス目掛けて投げつけられた

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