第十五話
シグがトワイライトの足を蹴り払いトワイライトを転倒させる
すかさず頭に足を乗せ、トワイライトの頭を踏み砕いた
普通の生物なら確実に致命傷となっている攻撃、だが…
「痛ェじゃねえか……」
まるで何事もなかったようにトワイライトが立ち上がる
「面倒な…」
「お互い様だろうが！」
トワイライトがシグを切りつけるも、すぐさまその傷が治癒する
「ああもうめんどくせえ！！」
「俺もだよ」
シグは懐から普通のナイフを取り出し構える
そしてシグはトワイライトに斬られるのも構わずに滅多切りにする
トワイライトは一度その場で崩れ落ちるも再び立ち上がる
シグはトワイライトが崩れ落ちたその一度でトワイライトの胸に付けられた《それ》を見つけるとナイトメアと戦っているジャックに声をかける
「ジャック！ペンダントだ！ペンダントを破壊しろ！」
「はぁ！？何言ってんだよ！」
「いいから！奴等のペンダントを破壊すれば〝能力〟が通るぞ！」
シグの言葉にナイトメアとトワイライトがぎょっとする
「何故それを！？」
「《魔術》には少しばかり詳しくてな」
シグは地面を蹴りトワイライトに接近しペンダントを掴む
「コイツは簡易式の《魔法陣増幅装置《マジック・インクリース》》だろ？その位なら見ればわかる」
「いやいやいや！！普通わかんねえだろそんなん！！」
「ごちゃごちゃ五月蠅いぞ」
シグはペンダントを引きちぎりトワイライトを蹴り飛ばす
「お前は邪魔だ、〝血棺〟」
シグから放たれた玉がトワイライトを包み込み圧殺する
トワイライトはすぐさま蘇生するが、その身を包む紅き棺を脱する事は叶わずに再び圧死する
シグはトワイライトから目を離しジャックとナイトメアの方を向く
シグがナイトメアのペンダントも奪おうと今にも地面を蹴ろうとしたその時、村中にセツの慟哭が響き渡る
「今のは？」
「…セツだ」
ジャックはシグに向かって叫ぶ
「シグ！セツの方に行ってくれ！こっちはいい！」
「分かった」
シグはセツの声がした方へと向かって駆け出した
「行かせて良かったのか？お前一人では俺は倒せないぞ？」
ジャックはナイトメアの言葉に答える事無く地を蹴りナイトメアに肉薄する
ナイトメアはただ右手をジャックに向ける
それだけでジャックの動きはその場で固まる
「だから言っているだろ、お前では俺は倒せないと」
ナイトメアは止まっているジャックの後ろに回り込むとかざしていた右手を下ろす
ジャックの動きが戻ると同時にジャックの背中に蹴りを叩き込み蹴り飛ばす
「時間の無駄だ、お前一人ではどうあがいても俺は倒せない」
「…何回も同じ事言ってんじゃねえよ！」
ジャックは懐からナイフを八本取り出し、両手に4本ずつ持つ
それをナイトメア目掛けて投げるが、ナイトメアはまた右手を向けナイフの動きを止める
「今だ！」
ジャックはナイフを避けるように大きく回り込みナイトメアに近づく
ナイトメアはその場を飛びのき距離をとった
「へっ…今ので分かったぜ！お前の倒し方がよ！」
