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Vampire’Chrono ~救済の理想郷と誘いの半吸血鬼~  作者: 秋籠 雨加瀬
第一部・第二章~アライザ村の空白少女~
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第十話

「面倒な事になったな…」


〝紅蝙蝠〟越しに一連の出来事を見ていたシグはすぐさまキールの元へ向かう




「キール!緊急事態だ!起きてくれ!」


シグが大声で呼ぶとキールが目をこすりながら現れた


「んん…何ですかシグ殿…」


「悪いが村の皆を起こしてくれ、襲撃だ」


シグのその言葉にキールが目を見開く


「本当ですかそれは!?」


「ああ、ただの賊じゃないぞ、避難する必要がある」


キールは暫し考え込んだ後口を開いた


「そのお気持ちは嬉しいのですが、あくまで避難は希望する者のみにして頂きたいのです。ここは我々の故郷です、簡単に捨てる事など出来ません」


「分かった、ならいそいで皆を集めるぞ、時間がない」


「はい!」





村人たちが村の広場に全員集められキールとシグから事情説明を受ける


「…という訳だ、避難先の安全は保障する。俺としては避難して欲しい所だが…」


「このまま無抵抗で村を明け渡す訳にはいかん!だが、あくまで村に残る者は希望者のみとしたい。」


ざわざわと村人たちの間にどよめきが広がる

やがて村人の一人が口を開いた


「村長!俺は戦うぜ!」「俺もだ!みすみす故郷を捨てて逃げられるかよ!」

「そうだ!」「そうだ!」


結果、この場にいる村人全員が残留する意思を示した




シグは村の防衛の為に移動していると、リアとすれ違う


「…なぁ」


「はい?なんですか?」


「リア、お前はなんで逃げなかったんだ?」


シグの問いにリアは静かに口を開いた


「…私、昔の事、覚えてないんです。1人でいた時にジャックさんに見つけてもらって、この村でお世話になったんです。だから、この村を見捨てて逃げるなんて、私には出来ません!」


「…そう、か」


シグはリアに背を向けて歩き出す


「せめて、自分の命を第一に考えてくれ」


「…」


リアからの返事は、無かった




シグの〝紅蝙蝠〟が敵の接近を捉える


「皆!来るぞ!」


シグの声に皆が身構える

やがて、村の前に5人の黒ずくめが並んだ


「この村の村長は居るか!」


リーダーが声を上げ、それに答える為にキールが前に出る


「私が村長のキール・アライザだ!お前達は何者だ!」


「我々は帝国所属抹殺部隊デスサイズ!俺はリーダーのミッドナイトだ!」


ミッドナイトと名乗った男の言葉にシグが小さく舌打ちを打つ


「また帝国か…」


「我々の要求はただ1つ!この村の〝能力者(スキルホルダー)〟と{亜人種(ノット・ヒューマン)}を全員差し出せ!そうすれば人間には危害を加えない!」


キールはミッドナイトの言葉に答える


「返答は既に決まっている…かかれぇ!」


キールの言葉を合図にデスサイズ一同目掛けて矢が降り注いだ

開戦の時だ

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