異世界到着?
遅れてすみませぬ、風邪を引いておりました。
しばらくすると、周りの光が落ち着いていた。
そして、目を開けると、そこは見知らぬ場所だった。
以前、暮らしていた町とは違い、遙かに発展した町並みだった。
町は発展していて、すべての移動はどうやら、車ではなく徒歩のようだ。
町には転移装置がつけられていて、車を使う場所が無いようだ。
「起きましたか」
「うぉ、」
背後からの声に、思わず声を上げる。
「なんだ、びっくりさせないでくれ」
「それより、ここは?」
「ここは、あなたのいた世界じゃない」
「つまり、あなたの国の言葉を使うなら異世界」
「いや、平行世界といったところよ」
「え、平行世界?」
「わかりやすく言うならば、平行世界は本来、存在しない空間なの」
「あなたがいた時間があるとすると通常、時間はまっすぐに経過するの」
「しかし、何らかの影響により、この世界は出来た。」
「うん、ちょっと待って、ここの住人じゃないの?」
少し間が開き、答える。
「ええ、私はこの平行世界の住人ではないわ」
僕は、頭が真っ白になった。
いきなり異世界、いや、平行世界に連れてこられたと思えば、住人ではない?
どういうことだ。考えれば考えるほど、頭の中で引っかかる。あれこれ考えているうちに、彼女は呆れて声をかける。
「まだ、わかんないのですか?」
「つまり、私はあなたを利用したのですよ」
「ははっ」僕は思わず笑みを浮かべる。
いや、ちょうど良いところに死に際の人間がいたから、連れてきただけですよ。
「これからあなたには、死より苦しい絶望を見せてやります」
そういい、彼女は髪を振り乱し言う。
「堕ちろ」
「クロスティーン…」
彼女が呪文を唱えると、僕の体は黒い霧に覆われ、漆黒の空間へ落ちていく。
視界がフェドアウトする前、彼女の顔は、まるで僕を嘲笑うように微笑んでいた。




