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第一話
爽やかな小鳥のさえずりが私の1日のはじまりを告げる…
「楓ー!ご飯よぉ」母の愛情に満ちた声が私を優しく眠りから目覚めさせた
おそらく一般的に言えば私はとても幸せな境遇にあるのだと思う…両親は心の底から私のことを愛してくれているし経済的にも私の記憶に有る限りでは裕福な生活をしていると思っているそれに加えて友人にも恵まれ友好関係で問題などまったく無くおおよそ容姿にも恵まれている
「はーい!」母に明るく返事をし、制服に着替える…私の通う高校は小中高大とエスカレーター式に登っていくいわゆる私立学校だ赤のタータンチェックのスカートにくすんだ茶色のベスト群青色の上着…制服に身を包んだ私は鏡の前でくるりと回転し、軽やかな足取りで暖かな家族の待つ一階へと降りていった…