6.休日の約束
「口だけだったわね。アヤメ」
「違う・・・城の結界の力で全力が出せなかっただけ」
「あら言い訳?それでも失敗は失敗だわ」
サクラ様とアヤメ様が言い争っている。どちらも襲撃に失敗しているのに、強気な方々だ。
「総帥、次こそ私が始末しますわ」
「総帥。もう一度私が・・・」
サクラ様とアヤメ様が訴える。
「・・・シャクヤク。お前はどうだ」
「・・・お引き受けいたしますわ。ただ、時期は私が決めても?」
「任せる」
「かしこまりました」
総帥は奥へと去って行った。サクラ様とアヤメ様がこちらを睨んでくる。
「では、失礼しますわ。カスミ行くわよ」
「はい。シャクヤク様」
ピオニア様の自室に戻るとメリッサが出迎えてくれた。
「お疲れ様でございました」
「ありがとうメリッサ。アリッサも疲れたでしょう。明日は休日だし、しっかり休みなさい」
「はい。ピオニア様」
「おやすみ」
「「おやすみなさいませ」」
部屋を辞して自室に向かう途中、セネルと会った。
「アリッサ、メリッサ。お前達、悪魔に襲われたんだって?大丈夫だったか」
「平気よ。アレキサンダー様がいらしたから」
「私も」
「そうか・・・アリッサ、ちょっと良いか?」
「ええ」
「私は行くわ。おやすみ。アリッサ、セネル」
メリッサが先に部屋へと向かった。
セネルに向き直る。
「何?悪魔に襲われた時の事が聞きたいの?」
「それもあるけど、アリッサ、明日が休みなんだって?」
「ええ」
「俺もなんだ。良かったら一緒に芝居に行かないか?チケットがあるんだ」
「本当!?是非行きたいわ」
「良かった。明日の10時、裏門で」
お休みの挨拶をしてセネルとも別れた。部屋へと帰る足が浮足立ってしまう。何故かって?それは勿論・・・
(・・・珍しく婚活チャンス到来です!!)




