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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私が『カリモートの栄花』に係わった時の話。

作者: mappo

のびあがって繰り出された勢いのある蹴りを、つい腕で受けたトロールの腕が、今ボキッと折れた。

「シッ」

そのまま身を深く沈めた彼女は、曲芸のようなくるんとした動きで鋭くトロールの膝裏を狙い、蹴りを打ち込む。

ズドンと巨体の化け物が倒れたところで、丁度。


おまたせしました。


私の魔術光術雷鳴の陣が完成した。


パリッ。


よほど聴覚の鋭敏な者でないと聞き取られない素敵なとても小さな音は、確実にトロールの脳内部だけを電熱が焼き尽くした派生現象だ。

標的の死を確認した彼女は、そこで「もういいですよー!」と、激闘の害の及ばない、離れた岩場へ声かける。岩陰からひょっこり現れたそばかすの青年は、こちらの現状を見回して、やっと更に後ろで隠れていた『依頼人』へ「教授。えーと、大丈夫そうですよ?」声かけた。


しつれいな。どうしょうもないほどきっちり仕留めたというのに。


『依頼人』は誰でも使える安全安心旅キットの簡易結界にこもっていたらしい。簡易結界は近づいた徘徊モンスターに気づかれづらい効果があるが、同時に外の音に鈍くなる。

そばかすの青年は、『依頼人』の助手で、彼の口の動きで安全を理解した『依頼人』はやっと岩陰から出て、こっち来た。

「ほほう。これがトロールか」

好奇心強い依頼人は、切り替えも早い。

トロールの死体をしげしげと観察し、取り出した紙束にデッサンを始める。


「日が暮れます。やめてください」


彼女が真顔で、『依頼人』に忠告しているので、さっさと小刀をトロールの角根に突き立てた私は、二三回同じ動作をガッガと繰り返し、ボキッとトロールの角をもぎりとる。

「魔術師の方のおじょうちゃん、それは何の意味があるのだね?」

『依頼人』の好奇心がこちらに向かってきたので、返事をちょっと考えていると、代わりに彼女が応えてくれた。

「トロールの角は地の魔力に満ち、術の媒介となるので、錬金術師や呪術師からの需要があります」

そうそう。


「金になるの」


「・・・え。あ、そう」

なぜかたじろいだ『依頼人』に、「さあさあ、カリモートの泉はもう少しですよ!」なぜか話をそらしたそばかす青年。

せっかくちゃんと応えたというのに、失礼なやつらだと思いませんか?


「ジュゼリッテ。少しペースを速めましょう。徘徊モンスターとの接敵を回避していきたいです。広範囲探知は可能ですか?」


出来ると確信しているのに、訊ねてくるのは彼女のスタイルだ。

私への確認をとるというより、『依頼人』達への説明を省いているのだろう。


私は目を瞬くと、めんどくさいなー?と思った。

広範囲探知は術者の力量によるが数キロ先への薄い魔力拡散で、魔力に当たる生物を近くする術だ。

一回の魔力拡散で、障害物を探知し。

二回、三回と繰り返すことで、動いている障害物と動かない障害物を分けて、状況を把握する。

把握内容は術者の知識経験に寄るところが大きいし、つまり確実とはいいづらい。


けれど。仕方ない。


『依頼人』は、おえらい教授でモンスターから身を守る能力は無い。

しかも、死んだモンスターを観察したがる。

彼女の提案通りに、私は魔力波を目的地カリモートの泉方面に向けて、薄く、扇状に拡散させた。


「うわっ!」

「どうしたね? ミドガトロム君?」

「あ、いや・・・、あ、なんでもないです教授。蜥蜴がいて驚いただけで」

「なんだ。つまらないことで騒がないでくれたまえ」

「にゅるんってしたんですよ!にゅるんって!」


「出立しますよ?」

彼女がつめったい声で、教授と助手を促していた。

先行するのは彼女の役目である。

武術に長けている彼女は、手甲と脚甲、心臓部を守る胸甲のみで、非常に身軽な装備をしている。

ひっつめポニーから始まり腰まで届く三つ編み。薄黄色の髪色は、私と同じだ。

身長も同じで、体型の違いも基本無い。

前を見据える目は藤色で、そこも私と変わりない。

武闘家。魔術師。

三つ編み長髪ポニーテール。ばっさり直線ボブカット。

他人に混同されたり間違われたことは無いが、つまり彼女と私の関係はそんなところだ。わかりやすいので、改めて問われたことすらない。

「すみません! ハーリアさん!」

そばかす青年が慌てて追いかける。

教授と青年の分、二人分の荷物を背負っているのだから、スタミナのあるタイプなのだろう。

ひょろいのに。




二足歩行魚類サハギンのたむろする谷川を迂回して、二時間ほど。

昨日宿泊した、村落からは半日ほど。

カリモートの泉は、清らかな水を湛える、普通の泉に見えた。


奇妙だ。


真円の泉。


縁に沿って、配置された白い岩石。


「うぉおおおおおおおおおおおおお!!!」

急に、『依頼人』が雄叫びを上げた。

「すばらしい!! カリモートの華が! ああ、紫紺の華が一輪清らかに咲いておる!!」

「よかったですね! 教授! 幻の名花ですよ!」

「うむ! これを学会で発表すれば、世紀の発見としてワシの名、チェギフ・ステラ・バントムート教授の名は、王宮の永久石版に刻まれるであろう!」

「そうですね! 危険な東部山脈周辺の生態系に的を絞って調べたり、東部神話伝承を集めるだけ集めて地理史と示し合わせたり、旅行の準備をするためにあちこち伝手を頼って資金を集めたり、僕もほんとに大変な思いをしたかいがありました!」

「そんなことはどうでもいい! カリモートの華! アレはワシのものだ!!」


『依頼人』が興奮のままに、泉の縁の整った白い岩石へ足をかけ。


「花など無いですが?」


彼女の指摘は落ち着いていた。


「どこにあるのですか?」


彼女の冷静に引っ張られて、『依頼人』は「・・・。」後一歩、泉へ踏み出さなかった。


「あそこに・・・。あるだろう?・・・紫紺の、大輪の、・・・」


「どこに?」


『依頼人』は震える指で真円の泉の中央を指す。


私にも彼女と同じ風景が見える。

カリモートの泉は真円で、清らかに水を湛え、縁に沿って白い岩石が並んでいる。綺麗に。


「どういう、・・・ことだ?」


『依頼人』は臆病で、だから呆然と呟いた。

そして、後ろから蹴り落とされ、カリモートの泉にぼちゃんと頭から落ちた。

泉は深くない。

すぐに、水面からザバッと上半身を出した『依頼人』は、


「キサマ!! 下っ端助手が偉大なる教授に!!!」


教授を泉に蹴り落とした助手の青年は、「偉大な・・・か」嫌悪も興奮も喜びも全ての感情が抜け落ちた声で


「貴女が」


彼女に言った。


「花が無いかもしれない。って気づかせなければ、そう虚栄心にまみれたコイツらしい愚かな妄想を抱いたまま死ねていたでしょうね」


「はぁあ? 何を言っとるのだ!」


教授の声は聞こえないかのように、青年はただ


「もういいですけど」


自己完結した。


「カリモートが久しぶりのエサに気づいたようだし」




教授は気がついた。

おのれが浸かっている泉は清らかではないことを。

ぬめぬめとしてやや生温かく。

身体に張り付き。

足下、水底は硬く、ざらざらとして。

中央に向かってころげおちやすいように傾斜しており。

白い岩石は、




絶叫した。





まず、白い岩石がズジャッと伸びた。

「モンスター!」

もうこれを石とは呼ばない。

牙。

獲物を捕らえる牙。包み込む檻。

清らかな泉の擬態を解いた、『カリモート』は牙を檻のように使って構内の獲物を咀嚼する。

慌てた彼女が蹴りを叩き込むが、硬い。


「あ、邪魔しないでくださいよ」


邪魔をするなと言うそばかす青年は、ひたりと私を見据えていた。

「貴女方の依頼人はもう死にます。人間の欲望を喰らう魔蟲カリモートは、獲物を逃がさない。口内でゆっくりと、ヤスリで削り取るようにエサを喰らう。血肉と共にゆっくりと流れ出す欲望が好物だからな。ゆっくりだが、確実にヤツは死ぬ。」


本当は、無関係の貴女方を巻き込みたくは無かったのですが。


そういうそばかす青年は、最初と変わらぬ誠実そうな印象で残酷な罠を用意した。

危険地帯の東部山脈周辺を調べ上げ、伝承と照らし合わせ、危険なモンスター『カリモート』の存在を推測で発見し、それを伝承にある『幻の華』とこじつけた。

いや、逆だ。

『カリモート』は伝説にある、不老長寿を約束する天華の名。

夜が明ける紫紺の色を吸い込んで咲く、女神の花。


きいていいかな?


「あのモンスター。名前、なに?」


カリモートじゃないでしょ。


眉間に皺を寄せた、そばかす青年は「知らないよ。泉に擬態した口を開けて獲物を待つ。」


ふむ。


「あの華は幻?」


「君の目にも見えてるんだ? アレ。ごめんね。僕には見えない」


そばかす青年の口は笑っている。

『足止め』が成功していると思っているから、機嫌が良いのだろう。


「欲望の泉っていうらしいよ? あの教授様がちゃんと近くの村落で話を聞いて廻る。そんな普通の学者だったなら、すぐ分かったことだろうけど」

青年の表情は無い。

「そういうのは全部、僕にやらせていたからね」


森の中で、美しい泉に行き会ったら逃げろ。

村落の住人達は、森の危険を子供らへと、夜語りに教え込んでいた。

『森のバケモノ泉』

-むかし、とても強欲な猟師の男がいた。口が上手く、怠け者の男は、なにかと楽をして、そして他人の分け前を多くいただくことをばかり考えていた。男は他の村人よりかしこかったので、それはとても簡単な作業だった。

-ある日、男は頭の悪い友人をつれて森に入った。危険なことは友人にやらせて楽なもうけを得ようと、獲物を探して森の奥へ奥へと入る。

-男は帰ってこなかった。

-泣きながら帰ってきた頭の悪い友人は、「森できれいな泉に出た。きれいなまるいかたちで、きれいな水。男は急に『金が山ほど生まれている』といいだして、泉にたべられた」

-森できれいな泉を見たら、逃げなきゃいけないよ。たべられるよ。


「ははっ、見る者の欲望を刺激するナニカが見えるのだそうだよ?」


だから花は見えなかった。


「本当に、目的地が近くなった瞬間に臆病風に吹かれたヤツが、冒険者を雇う程の行動力をみせるとは思わなかった。本当にね、貴女たちを巻き込む気は無かったんだ。碌に支度もせず、すべて助手任せのくせに」


なるほど、そうか。それなら罠にはめるのも簡単だっただろう。


私はゆっくり瞬いた。

常に不機嫌そうと言われるこの顔は、そばかす青年にどう解釈されているかは知らないが、私には彼女の見える物が見える。


「諦めて帰るようにって、物わかりの良さそうな貴女から、ハーリアさんに言ってくれませんか? いくらトロールを叩きつぶす手練れでも、・・・ムリでしょ。あの牙を折るのは。」


ああなるほど。

この青年は、彼女を馬鹿にしているのか。

だから警戒している魔術師の私を、私の注意を引きたいのか。


「わかった」


タイミング遅れて、彼女が了承した。


「分かりました」

彼女の手甲に魔力が流れる。シュウ・・・、熱が煙を上げる。手甲が赤いのは、金属に流れた魔力が物理的に熱温度を上昇させているからだ。

「いきます!」

鋭い正拳突きは、牙の一つの真ん中を捉える。

赤い手甲は衝撃で溶け、牙に吹き付けられた。

手甲だった金属はそのまま熱を上げ、赤い光は牙を熱し。

「セェイッ!」

すでに反対の手甲に流されていた、凍り付く魔力を手甲ごと、同じ箇所に叩き込む。

衝撃で弾けた手甲は、限界まで冷やされてバキャッと音を立て弾けるままに、牙の真ん中へ楔のごとく刺さり、そこから


ボキッと、牙が折れた。


「折れるよ」


「はぁっ!?」


彼女の右手は熱で焼け、彼女の左手は凍傷で腫れているが、

それでも、青年をキレさせるには十分だったようだ。

青年の目が憎悪に染まる。

「邪魔するなああああああああああああああああああああ!!!」


野獣のごとき咆吼を上げ、小刀を抜き放った青年は彼女に斬りかかる。

躱したかに見えた彼女のステップは、タイミングがコンマ一秒間に合わず、肩口からピッと血が流れた。

だが、靴底が腹に当たりかけた次の攻撃は、脚甲で冷静に彼女は受ける。

力比べでは彼女が勝つ。

だが。

男が腰袋から取り出して、解を唱えた力玉の込められた呪により、私のところまで吹っ飛ばされる。

彼女は、ごろごろ転がると更に一転して体勢を立て直した。

「王都の魔法教授の助手だ。」

青年の素性を考えると、魔道具に長けていると推測できる。

日々、新しい魔道具を作り出している張本人達の一員だ。

魔道具使いの特徴でやりにくい点は、ひとえに『何を持って居るか分からない』点だ。

武術体術では彼女に劣り。

魔力と操作技術で、私に敵うべくもない。

けれど、そんな実力と関係無く。時間を技術の粋を、王都に集まる物資を潤沢な資金を。


手札をそろえた魔道具使いは、準備万端すぎて非常に強い。


ほら、すでに取り出したナイフを、魔力を解して、青年は自分の後方に投げ。地面に刺さったナイフは電磁結界を帯びて折れた牙の代わりに、檻を作った。

あの腰袋自体が、中身の広い特別製魔道具なのだろうな。

うらやましい。


三秒ほどだが待機した彼女に、失った手甲代わりの全身を包む硬い膜を貼り付ける。

対象者に沿った魔力を紡ぎ上げねば完成しない魔術だが、そこは彼女と同じ体格の私がいる。

彼女が手甲を失う時には、私の体格に合わせて作り始め、それを彼女に貼り付けるだけの待機を作れば完成する。


彼女が突進した。

「ッ?!」

待機時間の短さでつけた不意討ちで、鳩尾を捉えた頭突きは、お返しとばかりに、青年を吹き飛ばす。

隣の牙に叩きつけられた青年が、回復薬を口に飲み込む間に、試しに電磁結界に体当たりをしたが、これは弾かれただけだった。

結界を精製している三本の魔術具、ナイフは、黒い刀身よりも柄に埋め込まれた黄色い要宝石に力が収束している。

魔術師なりの知識で看破すれば、当然、そこを壊せば結界が消えると結論づく。


さて。

「石を壊せばいいわ。」

「結界を通り抜けて、目標物を破壊することができるなら。」

即座に反論してきた青年は、また玉で彼女をはじき飛ばした。

なんという効果。どんなレシピで作った回復薬か、興味深い。

「とっくに貴女なら終わらせているのでは?」

ぺらぺらしゃべりながら、彼女の足止め狙って玉を解放していく。

「呪文も必要無いのか。便利だな」

無属性の衝撃は、とても避けづらい。

打撃の勢いを削り、弾けるたびに彼女を数メートル後退させる。

ザッと彼女の着地した足が、地を抉り、そのまま数十センチの線を引く。

「無詠唱で魔方陣を構成していく貴女にそれをいわれましても」

いや?詠唱しなくてもいいけれど、陣を宙に描き出す指先は忙しいからそれほど余裕ではないよ?

早くしないと、本気で依頼人が命儚くなってしまうだろうし。

ちらりと、青年の向こうに依頼人が見えた。


「げ」


ひかえめに描写して、腕から血が吹き出ている。

外周のぞろりと並んだ牙の檻の中で、小さな、それでも五歳児ほどの牙がぐるぐると石臼のように、うごき、獲物をすり潰している。

私の表情を読んで、背後の状況を察した青年は、にやりと笑んだ。

たいして早くもない牙の動きは、よけることも難しくなさそうだけれど。依頼人は混乱しており、しかも半身を液体に浸かった動きにくい中で、水の中を動く牙は把握しづらく、そして一回でも皮膚を抉られると、そこから痛みが更に獲物の動きを鈍らせる。


にやりと笑んだ青年の横面に、彼女が拳を叩きつける。

鈍い骨を砕く音がすることを予測したのに、ギリッと、硬いモノと硬いモノがこすれ合ったような、変な音がした。

片方の硬いモノは、彼女の手甲。

もう一方の硬いモノは?

青年の、皮膚。


「ウロコですか?」


彼女は近くで見て、殴りつけた皮膚の表面にキラキラとした硬質のウロコが、透明な鱗がびっしりと被っている姿を確認した。

「人間にウロコは生えない」

笑んでいるから分かる青年の口元の犬歯も、おかしい。

大きく目立つ犬歯だけではない。

歯が、尖っている。

近くで見た、

目が。

ミドガトロム君、と呼ばれていた青年の目が、ぎょろっと彼女を睨む。

瞳孔が、縦に細まる人間はいない。


「鬼の眼」


確認したときには、彼女の胸郭は心臓を守る甲冑ごと、ぐじゃりと握りつぶされていた。

「カッアハッ」

肺から押し出された空気が、彼女の声帯を通って、悲鳴では無い音を立てる。

そして、青年だったソレが、おのれの腕を掴んだまま硬直した彼女の腕を、千切り取ろうと力を込めたタイミングで。


おまたせしました。


私の魔術光術雷鳴の陣が完成した。


パリッ。






邪魔さえなければ、電磁結界の向こうの石を砕くこともできるし。

依頼人も、生きていれば、それで死地を逃れることができる。

獲物を逃がした『カリモートの泉』は、あっさりと牙をしまいこみ。静かで清らかな真円の泉がそこにある。

青年の腰袋に残っていた回復薬で、怪我を治した依頼人が目覚めたときには、大概のことは終わっていた。

意識は取り戻しても、目に活力が戻らぬままで、依頼人がぽつぽつと推測を述べるところに寄ると。


青年の最期の変化は、蜥蜴人の呪いではないかと。


二年前、蜥蜴人の者どもから、騙し取るように彼らの祭具を奪ったことがある。

鱗生えた凶悪な姿と、鬼の眼は、蜥蜴人の崇拝している神の特徴で。

普段から、自己の待遇に不満を抱いていていた助手の青年の恨みと、呪いが重なったのではないか。


その祭具?


「研究室にあるはずだが・・・」


そう、教授は最後に呟いた。




ところで、見事依頼人を守りきり、報酬も手に入れてホクホクのはずの私だが。

現実問題、魔力枯渇と血液も不足で、非常に吐き気しんどい気持ち悪い動きたくないです。

ぶっちゃけ、彼女に負ぶわれての帰路でしたからね。

彼女?

ちゃんと稼働していますよ?

彼女は人工的な生命体だから、核さえ有れば、どうにかなるし。血と魔力さえ充填しなおせば欠損部分も修復するんです。


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