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チートで鍛冶屋で傭兵隊の隊長な兄さんは嫌い? 学校生活

作者: 赤羽 圭

長い作品です。書くのつかれたぁ

 ここは現代。しかし剣と魔法の世界。剣で相手を切り魔法で相手を焦がす。それがすべての時代に鍛冶屋の男が一人。


「兄さん今日も修行手伝ってください!」


「んいいよー少しこれの鍔造ってからねー」


 この元気はつらつな男は剣聖けんせい。幼い顔つきと声だがだがれっきとした高校生である。そしてこのぽへーとした答えを返した男こそ【鍛冶屋】創也そうやである。いつもぽわぽやとした感じだが弱冠15歳にして鍛冶屋の中で知らぬものは居ないと言わしめたほどの男である。


「うーんこんな感じでいいかなよし!剣聖修行に行こうか!」


「はい兄さん!」


 この家は創也が鍛冶屋の売り上げを使って建てた家でしっかりとした修行用の部屋がある。創也は鍛冶場から二つの剣を持って修行場へ行く。修行場といっても広いジムの様な器具が置いてあるだけの部屋だ。


「はいこれいつもの鉄剣ね」


 片手でぽいっと鉄の剣を剣聖に渡す。剣といっても鉄パイプに持ち手が出来たようなものだ。当たったとしても剣よりは痛くない


「うぎぎ・・・いつになっても重い・・・」


 剣聖が両手で受け取ったが持ちきれず切っ先に当たる部分を床につけてしまう。床に剣がめり込む。この剣は創也が修行用に造ったものだ。重量が尋常じゃない。


「ほらほら素振り百回!行くよ!」


 創也が剣を振る。ちなみに創也の剣は剣聖が使ってる剣より2倍重い。それをまるで小枝を振っているかの速度でびゅんびゅん振っている。


「うわぁほんとに人間?・・・よし僕も負けていられないですね!」


 剣聖も振り始める。しかしゆっくりとした力ない素振りだ。それを横目で見ていた宗谷は思案顔で考えてこう言った。


「うーんまだ無理か・・・仕方ない筋トレやる?」


「・・・お願いします」


 渋々だが剣聖も了解した。しかし剣を持ってる手はもうプルプルしてる。創也が受け取りこの剣のためにあけた穴二つに差し込む。


「ほいまずは腹筋と腕立て伏せね」


「はい!」


 二人で腹筋をやっていく。回数は五百回腕立て伏せも五百回。気がつけば夜になっていた。修行場に取り付けておいたベルが鳴る。


「およ?もうご飯かはい今日はここまでね」


 創也はいい汗かいたなぁ程度の感じ。それに対し剣聖は


「はぁ・・・はぁ・・・ありがとうございました・・・」


 という有様である。汗が滝のように出ていてもう動けないといった感じだ。


「ほら肩貸してやるからお風呂行くよ」


「・・・すみません少し借ります・・・」


 ベルが鳴ったのはそろそろご飯できるからお風呂に行きなさいという合図だ。


 所変わってお風呂である。露天で檜で出来た湯船で檜の香りが気持ちをゆったりとさせる。星も見える。


「うーんやっぱりお風呂はいいなぁ」


「そうですね・・・いてて造がまだ痛い・・・よくあれ振れますね・・・」


「慣れちゃったら意味無いからね僕もそろそろ重いやつを造かな」


「うわぁ・・・もっと重くするんですか?そんなの振れるんですかね?」


「小枝みたいに振るよりはいいでしょて言うかこの修行始めてもう10年だねぇ」


「そうですね・・・あっストレッチ後で手伝って下さい!」


「あぁそれ僕も言おうとしてたんだいいよ」


「じゃあ先に身造洗いますね」


「うん僕もすぐいくよ」


 ざばぁと男二人の湯船から上がる音が響く。二人とも細いながらしっかりとした筋肉がついており日常的に鍛えてることが見て取れる。剣聖は男とは思えない美白の肌。対する創也は夥しい数の切傷があった。背中には一本もなかった。すべてが造の正面に集まっている。


「その傷跡・・・」


「気にしないでよ僕は正しいと思った判断をしただけだからね」


「そうですか・・・あっそうだ今日は背中流しますよ!」


「んそう?じゃあお願いしようかな」


 男二人背中を洗いあう音と笑いあう声だけが風呂場に響く


「ふいーさてストレッチしようか」


「お願いします」


「よいしょ・・・よいしょ結構造は柔らかくなったね」


「さすがに10年やってたらこうなりますよ」


 剣聖の背中を押してやる。造がぺたっとゆかに着くほどに柔らかくなっている。


「ふわぁありがとうございます次は僕の番ですね」


「うんよろしくね」


「兄さんはあまり押してる感じがしないんですよねぇ」


「カッカッカ年季が違うんですもっとワシを労れ」


「ふふじゃあもうしません」


「あっごめん!これやんないと夜寝れないの知ってるでしょ!」


「ふふ冗談ですよちゃんとやりますって」


 そんな話をしながらストレッチをやる。十分にほぐれリラックスも終わり男二人は居間へと向かった。


「おっそいー!ご飯冷めるー!」


「えぇー?いつもと同じ時間だよ?遅くないよ!」


「いつもより15秒遅いです!気を付けて!」


「うわぁ・・・それは・・・」


「それはないよー」


「うっさい!早く食べるよ!」


 この怒鳴り散らすのが妹の魔姫まき。金髪のゆるっとしたカールが入った髪型だ。いつもはやさしいのだがご飯のときだけやけにうるさい。その裏には兄弟に美味しいご飯を食べてもらいたいという思いが入っている。


「今日は何ー?昨日は中華だったよね?そうだよね剣聖?」


「はい昨日は中華でしたね酢豚が美味しかったです!」


「今日は和洋折衷よ!好きなだけ食べなさい!」


「「いただきまーす!」」


 目の前に広がる一皿ごとの桃源郷。それをほおばる。肉の質感、野菜の食感。そのすべてが今までの人生で生きてて良かったと思える時間である。


「「ごちそうさまー!」」


「お粗末さまじゃあ食器洗ってくるね」


「明日は僕の番かぁ何造ろうかな」


「お兄ちゃんの料理も中々よね」


「料理といえばその包丁まだ平気?そろそろ砥ぐ時期だと思うんだけど」


「うーんちょっと鈍って来たかなお願いね」


「普通包丁って2年もすればぼこぼこなんじゃないんですか?」


「それはステンレスとか軟らかい物を使っているからだよこの包丁は日本刀と同じ材料で造っているから長持ちするんだほんとに日本刀はいいものだよ」


「ほえーそうなんですか所で日本刀ってなんですか?」


「そっか今から4千年も前にねここ日本で剣が造られていたんだそれが日本刀さ」


「そんなに昔からですか!凄いですねー」


 鍛冶屋の知識をほめられ鼻が高くなっている創也をつめたーい目で見てる女が一人。


「はいはいもう寝ましょ?明日から2学期だよ?」


「そうだね早く寝ようかもう依頼は終わってるからね」


 今日は8月の31日。誰もが憂鬱であるこの日。しかしこの三人は気分は上がっていった。創也は学校生活中は依頼が来ないのだ。そのため思い切り学校生活を謳歌できるのだ。残りの二人は友達に会えるといった純粋な心の持ち主である。そしてこの三人は部屋に行きまどろみの中に落ちていった・・・


 どこからか鴉の声がする。心地の良い朝だ。最初に起きるのは決まって創也である。鍛冶屋の朝は早い。


「よいしょ今日は包丁砥ぎだけか」


 今日の依頼は魔姫の包丁だけだ。地下にある造業場に行く。電気を点け自動砥石のスイッチを入れる。音が造業場に響く。夏の暑い時期にはもってこいの涼しげな音だ。


「うーんこんなもんかな後は仕上げだ」


 ここからは人の手だ。仕上げ砥石に刃を滑らせる。じっくりと刃の調子を見ながら砥ぐ。少したった今刃は鏡のように光を反射するまでになった。


「うん良くなった後は仕上がりを見るだけだな」


 いつも造業場には竹が置いてある。それをゆっくりと切っていく。ほとんど手ごたえもなく切れていき刃が最高の切れ味であるという証明が出来た。


「後はキッチンに行ってもう魔姫も起きてるだろうから渡してこよう」


 専用のケースに入れキッチンへと向かった。キッチンでは丁度魔姫がエプロンを着ているときであった。


「あっお兄ちゃんおはよ包丁砥いでおいてくれたんだ」


「うん他には平気?金物とか穴開いてない?」


「うん平気ー」


「分かったじゃあ剣聖起こしてくる」


 そういって創也は剣聖の部屋にいった。ベッドに寝てる剣聖はさながら女子みたいだ。


「おーい剣聖起きろー朝だよー」


 剣聖の頬をつつく。剣聖が目をこすりながらおきる。お目覚めのようだ。


「あっおはようございます・・・兄さん」


「うんおはようご飯造ってるから学校の準備しときな」


「はいできたら行きますので」


「うんそうしなー」


 創也はいつもハンマーが入った袋を持って学校に行く。やけに細長いのは別の理由だ。やはり煩くなった魔姫をなだめつつ学校へ。学校へ向かう途中にクラスメイトに会う。


「あっおはようスミス今日もよろしくね」


「うんおはよう剣はどう?また今度研ぐからね」


「うん平気!また頼むわね」


 学校ではもっぱらスミスと呼ばれている創也である。スミスとは英語で鍛冶屋を表す言葉だ。


「おはとうございまーす」


「スミス!おはよう!聞いてくれよ!今日折れちゃったんだ!どうしよ!」


「えぇ!?どう使ったの!?しょうがないなぁ予備造ってあるでしょ?それ使って」


「恩に着るぜ!ほんとごめん!」


 学校支給の剣は全部創也が造ったものせいと一人一人の癖に合わせてあるなので剣の生産管理は全部創也が仕切っている。


「おはようスミス今日の授業も期待しているわよ?」


「うっ生徒会長・・・がんばります!」


 授業とは週2で創也が鍛冶屋の事や剣の事防具の事などを教えてよりよい有効活用に繋げようと言う校長の計らいである。


「はい席についてー転校生を紹介するわよーはいってー」


 皆ざわざわし始める。どこからか男か女かという話が始める。入ってきた人は綺麗な女の人だった。創也はがたっと立ってしまった。


「ファブロ!お前なんで!」


「久しぶりですねぇスミス」


 皆さらにざわざわしはじめる。えっ何?知り合い?という声が上がる。


「知り合いだったの?じゃあ改めて自己紹介を」


創華そうかです鍛冶屋でした今は剣です」


「じゃあ席は創也君の隣ね朝終わりー」


 先生が教室を出て行く。女は軽く会釈し創也の隣の席に座る。創也は恐る恐る女に聞いてみる。


「お前なんでここに?」


「うーんそうですねぇ強いて言うなら貴方がいたからですかね」


「えっ?どういうこと?」


「あなたの腕が落ちてないか見に来たって所ですかねブラッドスミスさん?」


「・・・よく言うよ一回も僕に勝ったこと無い癖してサンファブロさん?」


「懐かしいですねぇ二人してその呼び名は」


「そうだねまお前の場合はサンじゃなくてサングエというのが正しいんだけどねで依頼もあるんだろ?」


「あたりです私ね剣の調子が悪くてですねぇ・・・誰か鍛冶屋に頼もうと思いまして」


「ほーう?じゃあ剣は僕がこさえてあげる」


「えぇよろしくお願いしますね?創也」


「任せてよ?創華」


 まるで恋人のようなまたは兄弟のようなそんな会話を眺めるクラスメイトが多数。


「お前なんでそんな美人を知り合ってんだー!」


「えっ!?いちよう同郷で幼馴染だったんだよ」


「えぇ幼馴染です鍛冶屋を二人でやってたんですよ」


「もともとスミスっていうあだ名は創華が始めたんだよ」


「だからスミスは創華さんのことファブロって呼んだんだねイタリア語だ小さいつが入ってないけどね」


「この子ね小さいころ舌足らずで上手く言えなかったんですよ小さいつが」


「それは言わないでよ・・・結構恥ずかしいんだから」


「そういえば創也一時間目の鍛冶というのは?」


「あっそれはね僕が皆に剣や防具とかのことを話してもっと剣や防具の使い方を学ぶって言う奴だよ」


「それはいいですねぇじゃあ二時間目の実技って言うのは?」


「お前が大好き剣や魔法の修練さ」


「!それはいいですねぇ!待ちきれません!」


「待って!まだ剣造ってないから今日は予備の剣ねいちよう大剣造っておいてよかった・・・」


「構いませんよぉ!貴方が造剣はいい剣ですから期待するとします!」


「うん!任せておいて!希望はバスターソードでしょ?」


「えぇ!また大剣です!あれはいいですよぉ」


「材質はどうする?って聞くまでもないか」


「超高純度鉄で!アレはいいですよぉ!硬くて錆びない!あと重い!」


「分かってるよ両刃ね?」


「はい!お願いします!」


 鍛冶屋同士の話についていけないクラスメイトが多数。もう諦めてる。


「にいさーん!話すのもいいですけどそろそろ授業の準備してくださーい!姉さん!久しぶりです!」


「はーい!じゃあ行って来るね!あっそうだ!創華!大剣使いとして出てくれない!?」


「えぇ?まったくしょうがないですね!出ます!剣聖!久しぶりですねぇ!元気そうで何よりです!」


 テレテレしてる女を睨む妹が一人。睨むだけで何も言わなかった。心の中で学校の距離をとろうとする妹であった。そして造育館で開かれる鍛冶の話。


「皆おはようございます!」


 皆がいっせいに挨拶を返す。先生としての人気はかなりである。男女関係無く恋慕を抱くものもいる。


「今日はっ大剣の魅力についてお伝えします!大剣のイメージを聞かせてください!」


 えっと重くて男用?みたいな感じ?何か振り回して使いそうだよねといった声が多い


「纏めるとでかい男の人が振り回しそうな感じですね!でも今日はそんなイメージを捨ててもらいます!今日は一人ゲストをお呼びしました!どうぞー!」


 創華がステージに上がる。皆はあの子が使うとは思えないと言った顔である。


「今回この学校に転向してきた創華さんです!大剣をいつも使っているのでいいかなと連れて来ました!えっ?何で知ってるか?いやぁ実は昔からの知り合いですっと話が脱線しそうだ!今回使う大剣はいつもの練習用です!じゃあお願い!」


「じゃあ行きますよぉ!そぉりゃぁ!」


 すっぱーんと丸太が真っ二つになった。振り回したりせず一直線に振り下ろし床すれすれでとまる。


「えっとまず大剣に必要なのは腕じゃなくて肩です!小手先で振れるものじゃないので肩からのしっかりとした力で振っていかないと振り回されます!男の人が振り回すというのは大剣に振り回されてます!」



「そうです!振り回すものではありません!振り回すのは多勢に無勢の時だけです!」


 みんな頷きながらノートを取っていく。成績も創也が付けテストもする。授業に組み込まれているのだ。


「じゃあ皆に配るから丸太を的にして振ってみてください!女の人は軽めにしてあるからたぶん平気だと思います!」


 皆大剣を持ち上げるが中々振れない様だ。創也はステージから降り一人一人を見ていく。


「うーんとねその手首で持ち上げるんじゃなくて持ち上げる時は腕を棒みたいにしたほうが楽だよ振る時だけ鞭みたいに振ればいいんだ」


「はい先生!やってみます!」


 先ほどとは違い良いフォームで振れるようになってきた。中でも一番良く振れているのはやはり剣聖だ。


「うん剣聖結構いいね!やっぱりあの修行は役に立ったでしょ?」


「はい!あの剣に比べたら全然軽いです!」


 あの修行は何もこういうためだけにある訳ではないが役に立っているのも事実だ。


「皆筋が良いですねぇ先生の教え方が良いんでしょうか?」


「いやそういうわけじゃなくてみんなの素質だよもっと頑張れば良い部隊になると思うよ」


 皆この一言を聞いてさらにやる気が出てくる。もっとがんばれば部隊に・・そんな想いがクラスメイトを支配した。すごく振っている状況を見てしかめっ面になった創也。


「みんな!ストップ!!!!」


 大声を出しすぎてハウリングがおきてしまうほどの声で止めさせた。


「大剣は振ればいいものじゃないよ!しっかりとした狙いをつけて振ったほうが絶対に強いよ!」


「そうですよぉ!闇雲に振っても疲れるだけです!」


 皆静かに後悔した。もう腕が疲れているからだ。次は実技だというのに。


「はい今日はここまで!次は実技だから校庭に集合ね!」


 皆ぐでーとしている。振りすぎたのだ。参加しなかった魔法の生徒が回復魔法と思わしき呪術をかける。まるで水を得た魚のようになった皆はピンピンして校庭へ向かった。創也はみんなの剣を持って校庭へ。これだけでも重いのだが片手でヒョイと背負う。


「はい皆持ってきたよー!あっ先生!はい剣です!」


「うんありがとう!それ重くないの?」


「鍛えてますから!触ります?冗談ですってひゃあ!」


 ぺたぺたと二の腕を触って来るとは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった創也である。


「結構しっかり鍛えているのねこれはいい筋肉だわ」


「あっ先生!ずーるーい!」


「さーて授業始めるぞー!ちゃんと剣は持ったか!始めるぞ!」


 これは創也も参加する。といっても本気ではやらない。剣が軽すぎて変な癖がつくと怖い。


「よーし!pvpだ!コンビ組め!」


「スミス私とコンビ組みませんかぁ?」


「えぇ?しょうがないなぁちょっと待ってこういうための特製があるから!」


「さすがスミスですねぇこういう事は大好きでしたからね」


「懐かしいもの持ってるよ!これ!バスタード!」


「おぉ!私が使ってた大剣じゃないですか!まだ持ってたんですか・・・もう溶かしたとばっかり・・」


「溶かさないよこれでも大事な思い出だからね・・・って湿っぽい話はなしなし!僕はこれ!」


「これは!やけに重い片手剣!大剣より重いのに片手で振るなんてどうなってるですかぁ?」


「いいじゃないかもうやろうよ!さっきからもう準備は出来てるよ!」


「良しきたです!久しぶりに冥府神の力見せてもらいます!」


「うん!の力見せてもらうよ!」


「じゃあはじめぇ!」


「そぉりゃぁ!潰れろです!」


「甘いよ!すらぁ!」


「なんじゃあれ・・・これって授業ですよね?命を懸けた戦いじゃないですよね?」


「そこです!しねぇです!」


「まずは一本!頂き!ねぇ!魔法!回復だけは準備しといて!」


「そんな喋っていいのです?足貰うのです!」


「甘いよ!止まって見えるよ!」


「すげぇ・・・振る剣の上に立ってる・・・スミスそんなに強かったのか・・・」


「実を言うとな学校の歴史の中でスミスが一番の実技点が高いんだ・・・」


「げっ!あの入学試練ですか・・・アレは苦労したなぁ傷だらけだった記憶が・・・・あの機械ばっかのエンドレス」


「あいつ一つも傷を負わなかったんだ・・・あいつ多分私より強いぞ・・・」


「ごちゃごちゃうるさい!黙ってて!」


「はいぃ!」


「チェックメイトだね」


「・・・私の負けですねぇ首に剣を置かれたら終わりです」


「・・・ふぅ楽しかったよ!ねぇ魔法さん!回復お願い!創華傷が少しある!」


「イエッサー!」


「うーんまだまだ遠いですねぇ・・・さすがは冥府神・・・」


「これでも剣士だからね・・・せめてお前は戦わせたくないんだけどなぁ無理?」


「無理ですねぇ私は戦うことが好きですからねぇ!・・・それに私は貴方のために・・・」


「え?何か最後言った?良く聞こえなかった」


「いえいつになったら敵さんが来るのかなぁていったんです」


「そればっかだないつもいつも・・・身造は壊さないでね?」


「もちろんです!身造壊すほどやわじゃないですよぉ!」


「分かったよじゃあ別れて別の人とやろうか」


「えっと・・・あの・・・別れたくないのですが・・・」


「え?またやり合うの?今度は軽めにね?身造持たないよ」


「!ほんとですか!フッフッフ身造は弱いんですねぇ」


「ハッハッハ僕の本業は鍛冶屋だからね座りぱなしだから鈍りもするよ」


「まぁ軽く行きましょう身造を壊したら元も子もないですしね貴方の家族のためにもねぇ」


「かるーくね行くよ!」


「よいしょっとうぅりゃぁ!」


「よいしょっと甘いって!もっと中心狙って!」


「ううむ・・・貴方が早すぎるんですよぉ!」


「お前が遅いの!遅いなら遅いなりの戦法を考えなさい!」


「ううんと・・・あっそうだ!これはどうです!」


「うわっ!ぐっ!」


「やった!当たったのです!」


「やったなー!まさか予測打ちとはね!」


「私は目だけは良かったのです!でもガードされたのです・・・」


「ちょっと危なかったよもう傷は勘弁だからね・・・」


「むう・・・かなり危なくさせるのです!」


「できるかな?次は僕の番だねうーんとここかな?」


「きゃっ!?切りましたね!女の子の肌は大事なんですよ!?」


「いやごめん・・・まさかここまで簡単に当たるとは思わなかったから・・・」


「にいさーん!先生が呼んでまーす!姉さんも!」


「ぬ?せっかく良いところだったのに・・・仕方ないですね?」


「ちぇー何だろう?何かあったのかな?」


「先生!呼んできました!」


「よしよしありがとうワンコ」


「なんでいつもワンコなんですか・・・」


「何でも良いだろえーこほんスミス!君に部隊を推薦したい!」


「丁重にお断りします」


「早い!なぜだ!部隊に入れば未来安泰だろう!」


「先生とりあえず座りましょうよ立ったままする話ではないでしょう?」


「んそうだなまぁ校庭だが座ろうか」


「よいしょっと僕が部隊に入らない理由ですが入る理由が見つからないからです」


「入る理由など一つだろう!この世界のために力を振るうためだ!」


「振るう力というのは剣でしょう?僕達は鍛冶屋です振るのはハンマーで十分です」


「しかしだな!その剣裁きを役立てようとは思わないのか!?」


「はぁ・・・少し昔話をしましょうかそこに僕が入りたくない理由もあります」


「ほう!聞かせてもらおう!」


「えぇー?その話するんですかぁ?まぁいいですけどね」


「そうですね・・・今から8年前にこんなうわさが流れませんでした?」


【ある無名の二人が隣国の軍を壊滅させた!そのおかげでこの国は発展した】


「新聞はこんな見出しだったかな?知ってます?」


「あぁ知っているあの時は戦慄した・・・あの隣国の軍を壊滅させるなんてどこまで強い奴なのか!と」


「その情報は一つだけ間違っている情報があるんですよ」


【二人の子供の鍛冶屋見習いが隣国の軍を壊滅させた!そのおかげでこの国は発展した】


「これが正しい情報ですまぁその子供は二人とも鍛冶屋になったから結果的には正しいんですけどね」


「子供?そんなわけがないだろう?子供が壊滅できるわけが無い不可能だ」


「ある男女の子供がやったんですよその不可能を」


「ほうどうやったのだ?地の利でも使ったのか?」


「いえいえもっとシンプルです剣の真っ向勝負でしたよあの二人の戦いは」


「魔法はどうしたのだ?狙い撃ちだろう?」


「もっと簡単です弾道を見てよけるだけですあの二人はそうやって切り進み壊滅させました」


「なるほど・・・しかし腑に落ちないことがあるのだが?」


「はいなんです?」


「なぜ君がそこまで事細かく知っているのだ?ファンだったのか?」


「・・・できることならそんな奴のファンはしたくないですね死んでもごめんだ」


「じゃあなんなのだ?他に考えられることはあるか?」


「あと一つだけありますそれは・・・その子供は僕だったこと です」


「冗談言わないでくれ!そんなわけ無いだろう!」


「ではなぜそう言い切れますか?僕ではないと?」


「簡単だ!まだ君達は子供ではないか・・・」


「えぇそうです今から8年前は僕達は7歳ですでもやってしまったんですよ」


「では聞かせてもらいたい壊滅させた動機は?」


「そうですね・・・剣聖!魔姫!ちょっと来て!」


「はい!なんでしょう!」


「なーに?お兄ちゃん?」


「こいつらのためです簡単でしょ?」


「なんですか?あのころの話ですか?僕達実は兄さんに拾われた身なんです」


「そうそう私達のために隣国まで行って来ちゃってねーほんと困った兄だよねー」


「そうだったのか・・・ちょっと失礼なことを言うがこの二人の為だけに命を懸けたのか?」


「えぇ創華と一緒にね最初これは報道されてませんが隣国が攻めて来たんですよ」


「ん?やっと私に話を振りましたねぇそうですよぉ私たちの町が攻められて生き残りはこの4人だけでした私達の両親は殺され偶然生き残ったのはそこの2人だけです私達は護身に・・・何人でしたっけ?」

「25人だよ結構やったね・・・そして生き残ったこいつらを守るという青臭い正義感でやったんです」


「自分で剣を造りましたねぇ私のバスタードはその当時の剣です」


「だからこの国のために力を振るうために部隊に入らないかって聞きましたよね先生は」


「あぁ確かに言ったが・・・」


「もう尽くしましたよ敵対国を潰し領地を広げましたこれ以上何をすればいいんですか?」


「・・・なぜここにいる」


「普通なら王都にいるはずだと言いたいんですか?」


「あぁその通りだ」


「じゃあ先生は言えますか?自分の国の領地は年端も行かぬ二人の子供のおかげでしたって言えます?」


「言えない・・・言えるはずも無い!そんなこと!たった二人の子供がこの国を豊かにしたなど!」


「でも紛れも無い事実ですだから今でもどこからか言われますよ【血の鍛冶屋】【冥府神】とかね」


「あぁ理解した・・・君達の強さの秘密が・・・命のやり取りを幼少期からやっているからか」


「えぇでもその後の道は違いました僕は鍛冶屋に創華は」


「傭兵隊ですよぉ【太陽の道】って聞いたことありません?私そこの副隊長やってるんですよぉ」


「知っている・・・一番大きな傭兵隊だろ?若い女が副隊長をやっていて隊長の席は空席なんだろ?」


「でも3年だけその席に座った人がいたんですよぉそれが創也ですよ」


「3年だけですけどねやめたあとは鍛冶で剣とかを造って支給してるんですよ」


「まだ空けてますからいつでも帰ってきてくださいねぇ」


「うん近いうちに戻るよ鍛冶屋はしばらくお休みしてね」


「まて!入るなら部隊に入れ!・・・と言いたいんだがなもう国には尽くしたし免除してやるか」


「先生ならそういうと思いましたそんな先生が僕は好きです」


「うん私も好きだ自分を曲げないお前が」


「あれぇ?生徒と先生の禁断の恋ですかぁ?」


「ハッハッハそれもいいかもね」


「そうだなハネムーンはどこにしようか?」


「本気で考えないでくださいよぉ!・・・私のです・・・」


「ん?あぁそういうことかじゃあ仕方ない!創華に譲ろう!」


「え?何のことですか?創華に譲るって?」


「・・・創華挫けず頑張ってくれ」


「もう慣れましたよ・・・」


「ところで先生そろそろ授業終わりじゃないですか?」


「おっともうそんな時間か結構長く感じたな」


「じゃあ戻りますねいちおう授業なんですし」


「あぁ戻ってくれえぇーこほん全員元にもどれ!授業を終わる!号令!」


 気をつけ!!礼!ありがとうございました!


「ありがとうございました!」


 あんまり話が進むから僕が入る隙がなくなった。地の文担当なのに。えぇーこんな話もありその後は普通の授業のため省略。ちなみに創也と剣聖魔姫は成績優秀である。成績表はいつも5または4である。テストも三位はいつもこの三人だ。勉強は創也が教えてる。


「さてと帰ろうか」


「はい兄さん家帰ったら少しだけ修行手伝って下さい!」


「ちょっと無理かな創華の大剣造らないといけないし晩御飯もあるからね」


 本当は法律で12日以上かけないといけないのだがこちらの世界とそちらの世界は違うのであしからず。


「そうですか・・・でも一人で頑張ってみます!」


「おっやる気だね!あの剣が軽くなったら来なもっと重くするから」


「はい!じゃあさき帰って修行してます!」


「おう!行って来な!」


「あいつほんとにお兄ちゃんにべったりね」


「そう?まぁ慕ってくれるのは嬉しいよ」


「性格変わったよねあいつも私も」


「そう?確かに良く話すようになったね前はそんな喋らなかったし」


「傷が癒えたってことなんでしょ私とあいつの傷が」


「それなら良かった僕ね傭兵に入ろうかなって思ってるんだけど二人だけ残すのもなって」


「行って来なさいよ家は私と剣聖に任せて!」


「うんそうするやるけど鍛冶屋は長期休暇ってしっかり言わないとね」


「二足のわらじはいけないって言うけどお兄ちゃんの場合は一足に編み込んであるから大丈夫でしょ」


「そうなのかな?よく分からないけどねおっと家についたね晩御飯造から待ってて」


「うん待ってる!そうだ鍛冶場の炉つけて来るよ」


「うんお願い助かるよ!」


「さてっと確か炉はこのスイッチ押せばいいんだよね」


 ポチッと炉のボタンを押す。炉が赤くなり始める。それを確認しキッチンに戻ろうとした魔姫は気付いた


「あれこの剣・・・お兄ちゃんが使っているのと同じ剣だ予備なのかな?どのくらい重いのかな」


 形は片手剣のこの剣を持とうとした魔姫は気付いた。まったく動かない。重過ぎるのだ。これほどの剣をなぜ兄は片手で持てるのか。本当に人間なのかとさえ思えてくる。しかしいかんせん性格が負けず嫌いというのが魔姫なので持ち上げようとやっきになった。そんな事をしていると創也が入ってきた。


「おーい晩御飯出来たよーって何してるの?」


「えっもうそんな時間?えっとねこの剣さ重過ぎない?」


「あぁこれ?前に造ったものなんだけどもう軽いな」


 ひょいっと片手で紙を拾うかのごとく持ち上げた創也を見てこいつ人間かという目を向ける。


「そのお前本当に人間か?っていう目を向けないで!僕は人間だよ?筋トレしたら持てるようになるよ」


「そうなの?だけど毎日鍛えてる割には細いよねお兄ちゃん」


「そういう造質なんだよ筋肉が増えにくい代わりにしっかり鍛えた分だけは力を発揮するって言う」


「変なのそんな造質の人なんているんだねーって晩御飯食べようよ」


「あぁ先食べてて今日中に造らないといけないし」


「うーん分かったでも徹夜はだめだからね?」


「了解気をつけるよご飯はドアのところに置いておいて」


「はーい」


 こんな微笑ましい兄妹間の会話の後創也は部屋に閉じこもり大剣を造作業へと入った。


「よいしょさて超高純度って面倒なんだよな」


 超高純度鉄とは不純物を取れるだけ取った鉄の事だ。特徴は環境の変化に強いこと。もともと鉄は極度に寒かったり熱かったりするともろくなってしまうのだ。しかしこれはその課題をクリアできるのだ。理由はよく分からないままだ。あとは堅いこと。堅過ぎてなかなか切断できず難しい。しかしそれを見事剣にできるならこれ以上無い最高の剣になる。と創華が言っていた。


「よし!やっとインゴットができた・・・あとは叩くだけ!」


 かんかんとハンマーが打ちつけられる音がする。何回も焼入れし叩きまた焼入れし叩きを繰り返しできた。今までの大剣の中で最高傑造が出来たと創也は満足そうな顔をした。


「あとは少し削って・・・よし!できた!」


 気がつけば外が明るくなっている。よく一日で出来たなと自画自賛をして鞘をこしらえる。


「完成!やっとできた・・・どれどれ?」


 試し竹を使い唐竹割りをしてみる。最高の切れ味である。


「よしあとは創華に届けるだけだよいしょっと」


 立ち上がり伸びをする創也。パキパキと小気味良い音がする。


「よいしょっとアレ?何でここで寝てるんだ?」


 ドアを開けるとまきが壁に寄りかかって寝ていた。何してんだこいつといった目を向ける。ドアの横には晩御飯と思わしき物造が置いてある。


「なるほどね僕に晩御飯を届けようと思ったら作業中で入れなかったってことか」


 冴え渡る状況判断力である。ここまで分かる人は中々居ないのではないだろうか。


「おーい起きろー朝だよ」


「ふわぁあっおはようお兄ちゃん剣出来たの?」


「うんおかげ様でねいい剣ができたよ」


「それはよかったね剣聖起こしてきてたぶんぐっすりだから」


「分かったじゃあ起こしてくるね」


 そんな朝の会話。創也は部屋に剣聖を起こしに魔姫は川に洗濯に・・・じゃなかったキッチンに料理を。


「剣聖?起きろーあさだよー」


「あいたた造中痛いです・・・おはようございます兄さん」


「うんおはよう筋トレしすぎだよしっかり身造解しておいで」


「はいそうしますアレ?その後ろのは?」


「あぁこれもって来ちゃったできたんだよ創華にあげる剣」


「できたんですか!良かったです!渡すのが楽しみですね!」


 二人して喜ぶ兄弟である。剣聖は学校の準備をしキッチンへとついた。


「いただきます」


「いただきます!」


「召し上がれ!」


 朝食はいつもと変わらない美味しい料理だった。傭兵に入ったらこうはいかないと思う。


「さて準備も出来たしそろそろ行きますか!」


「そうしましょう」


「了解バッグとって来るね」


 魔姫が部屋にバッグを取りに行きそのまま三人で登校する。途中で会うクラスメイトからは昨日の戦いが凄かったよという話が多い。創也も満更でもない顔をしている。


「あっおはようございます三人仲良く登校ですかぁ?」


「これで不仲だったら一緒に登校しないよ」


「そうですよまっ不仲になること自造あまりないですけどね」


「ほらお兄ちゃん渡すものがあるんでしょ?」


「あぁそうだったはいこれ創華に」


「わぁもうできたんですかぁさすがブラックスミスですねぇ」


「血は時間が経つと黒くなるからねそれのほうがいいや」


「ほらお兄ちゃんお姉ちゃんに言うことあるでしょ」


「それもいっておくか今日さちょっと本部まで行ってくるよ」


「!正式に入ってくれるんですね!ジュフ喜びますよぉ」


「ジュフか懐かしいねいつも陽気で明るかったなぁ」


「今あの人ナンバースリーなんですよ覚えてます?コード」


「あれは忘れないでしょ簡単すぎるもん」


 朝の会話はこんな感じであった。学校の様子は実技は創也と創華の激しい戦いで授業はいつものごとく受けていた。


「よし行ってくるよ」


「はい頑張ってきてください!兄さん!」


「まお兄ちゃんはそうそう死なないから平気でしょまぁ行ってきなさい」


「私も終わったら行きますので待っててくださいねぇ」


「うんありがとうじゃあね」


 一通りの装備をもって本部まで歩く。少し遠いが創也はまったく気にしなかった。


「おい止まれ!って鍛冶屋の兄さんじゃないかまた納品か?」


「いいや違うよジュフに伝えて欲しいんだ【コード1パスワードハデス】って」


「?分かった少し待っててくれ」


 門番とこんな話をする。まさか思わないだろう目の前にいる高校生が団長などとは。


「創也さーん!コード1ってことは戻るんですかい!?」


「うん創華からナンパされちゃってね答えないわけにはいかないでしょ」


「五年ぶりですねまた来てくれる日をどれだけ待ったか!ささ中で騒いでますがどうぞ」


「うん失礼するよ・・・人増えたねぇ何倍?」


「五倍になりやしたほとんど創華さんが頑張ったんですよ」


「ジュフさん誰ですか?その薄汚い小僧は?切っていいですか?」


「・・・造品番号3605スターダストシューター材料は鋼・・・だったかな?」


「何故知っている?これはある鍛冶屋が造ってくれたものだ」


「一応自己紹介をさせてもらうよ僕は創也ブラックスミスって言ったほうが分かる?」


「ブラックスミスってこの傭兵の武器を造っている鍛冶屋じゃないか!お前が造っていたのか!」


「うんそうだよ君はほんとに見知らぬ人は切ろうとしないの危ないよ」


「創也さんそろそろ皆に知らせたほうがいいんじゃありません?」


「それもそうだねじゃあちょっと呼び掛けて欲しいなあんまり知らない人もいるし」


「うぃ了解ですこほん注目!!!今日は大事な知らせがある!長らく団長の席が空いていたのは知ってるよな!その席に座ることになった人を紹介する!どうぞ創也さん」


「えぇ今回また戻って来ましたえっと僕の事知っている人はいる?」


「「「もちろんです団長!」」」


「「「誰ですか?あの人」」」


 真っ二つに別れる声。古参と新人で反応が違う。


「君たちまだいたんだねえっと知らない人に簡単に説明するとこの隊を設立した張本人です!」


「そう言うことだ!創華さんと並びやっていたのだが一身上の都合により離れていたが今回戻って来たもらえた!」


「でも武器を造っていたから君たちの性格は大造分かっているよたとえばこの傭兵隊は力がすべてて言うこともね」


「じゃあやっていいんだな!ほらお前らテーブルどかせ!喧嘩じゃあ!」


「あちゃあ・・・売りやがったよ馬鹿が・・・」


「OK!て言うか全員きていいよ!つまらないし」


「「「なんだとこら!」」」


「「「遠慮します」」」


 創也の恐ろしさを知っている古参と血の気が多い新人でこれまた声が別れる。


「じゃあ剣出すから待ってね」


「待つわけねぇだろうが!」


「もうちょっとね待っててねあと剣挟んでるの辛いから引いてくれる?」


「ありえねぇ・・・人差し指と中指で止めやがった・・・」


「あったあったよいしょっとはい交換ね剣のみせあいしないといけないでしょ?」


「プッなんだぁその剣刃がないどころかただ丸いだけじゃねぇかホラよかわりによこせ・・・うおっ!?」


「うん僕が造ったから知ってるはいありがとう」


「持ち上がらねぇ・・・すっげぇおめぇ・・・」


「はいじゃあ離れて構えようかいい?じゃあそっちのタイミングでどうぞ」


「クソッ舐めやがって!おるらぁ!」


「簡単だねーよいしょっと」


 突っ込んでくる相手をよけそのまま頭に剣を振る。バキッという鈍い音が相手の頭からする。


「回復お願いね次やる人は誰?」


「次は僕だぁ!こいつに勝ったからっていい気になるなよ!」


「ハッハッハジュフ中々いい人たちを集めてるじゃんか!」


「ほんとすんません・・・こいつら血の気が多くて困ってたんです」


「じゃあめんどくさいからやる人は一斉にやっていいよじゃないと僕暇だし」


 なんだとこら!なめてんじゃねぇぞ!という声が上がる。皆思い思いの剣を持ち創也の周りを囲んだ。


「この人たちの回復を魔法さん頼んでいい?」


「はい!任せて下さい!創也さん!」


 古参の魔法使いがそう言ってくれた。ありがたい。


「おいおい人の心配より自分の心配しろよ!この状況が分かってねぇのか!?」


「ぐだぐだうるさいなぁじゃあ始めていいよ」


 どこまでも腹が立つな!じゃあ心置きなくやらせてもらうぜ!と雪崩の様に創也へと流れていく。創也が見えなくなったと思ったら人がすっ飛んでいった。そのままふっとんだりビキッという音を立てて倒れていく人が多数。決着は創也が傷一つ負わずに勝った。


「満足した?僕はまだいけるけど明日の任務に響くでしょ?もう終わりね」


 この呼びかけに答えるものは誰もいない。古参の者は昔と変わらぬ戦慄を新参は新しい恐怖を刷り込まれたのだ。創也は内心後悔する。


「もうしょうがないなぁ・・・ねぇ!回復終わったら1杯どう!?」


「あんた酒飲めんかよ?未成年だろ?」


真っ先に倒された奴がそう聞いてくる。


「お!言葉が優しくなってきたね平気!いいお店知ってるから!もちろん僕の奢りだよ!」


 おぉと声が上がる。この人数では安酒もかなりの値段だろう。しかしそこは男である。うまいご飯と酒は欲しい。


「よし!皆動けるようになったみたいだね!じゃあ出発!」


【太陽の道】がぞろぞろと道を歩いていく。先頭はもちろん創也だ。


「ついた!店長!もうやってる?」


「あ?誰だおめぇ?餓鬼に飲ませる酒はねぇ!かえんな!」


「あれ?忘れたの?僕だよ!創也!」


「創也ぁ!?隊長!?戻ってたんですか!?」


「うん今日からね皆で1杯飲みに来たんだけど平気?」


「もちろんです!隊長がいなくなってから隊の奴ら来ないからメンバーが変わってるの分からんです」


「うんまとりあえず皆にビール僕は・・・」


「ウィスキーですよね?入れてありますよ」


「うん!よろしくね!」


「おいおい・・・ウィスキーなんて飲めんのかよ?」


「おいお前ら!ビール待たせたな!ウィスキーもお持ちしました!」


「おっ来たねぇ!じゃあ皆!今日一日お疲れ!乾杯!」


かんぱーい!と男の声がこだまする。皆うまそうにビールを飲む。


「なぁウィスキーってうまいのか?飲んだことねぇからよわかんねぇわ」


「うーん匂いの好みが別れるかな飲んでみる?」


「すこーしもらうぜ・・・ぶはっ!」


「ちょっとこっちかけないでよ!大丈夫?」


「アルコール強過ぎだろ・・・何度だこれ?」


「40は超えてるだろうね・・・ぷはぁ!」


「まじかよ!そんなたけぇのか!・・・それにしてもうまそうに飲むな」


なんだ?なんだその茶色い酒?ウィスキーっていうらしいぞ良し俺も頼んでみるか!と顧みないやつらが続出。


「何?皆ウィスキー?じゃあウィスキーばんざーい!」


ばんざーい!グビッブー!なんと綺麗な霧だろうか。こんなに酒臭い霧は中々無いだろう。


「おーい皆出すなよ!大事な酒だよ!頼んだからには飲め飲め!」


なんであいつ平気なんだ?それはな昔から好きだったからだ!変わってんなー・・・アルコール強い確実に皆が創也を見る目が変わってる。その証拠に創也の回りには楽しそうな輪が出来てる。その輪が広がり一つの輪になった。


「店長!あれ持ってきて!」


「了解!スピリタス!いっきまーす!」


「来たー!スピリタス!大好き!」


「こんどはなんだ?日本酒か?」


「飲んでみて」


「ちょっともらうぜ・・・ぶべらっ!?」


「おいしいでしょーこれアルコール94!」


「馬鹿かっ!?馬鹿なんだな!?これ消毒用のアルコールじゃないよな!?」


「それより高いよ味はしないけど甘く感じるんだよね・・・あーっおいしい!」


「こいつの肝臓どうなってんだ?まだ顔が赤くもなってねぇ・・・」


「元から酒には強いんだよ・・・店長!おかわり!」


「へい!お待ち!」


「ありがとう!さてこれ飲んだら行きますかね」


「おうそうしたほうがいいと思うぜ」


「ぐびぐび・・・」


「いや自分で効果音言ってどうするんだよ」


「ぷはぁ!おいしかった!よし!皆!そろそろ帰ろうか!明日の任務もあるし!」


おー!そうしようぜ!今日はゴチになるぜ!


「よし!店長勘定お願い!」


「はい!今回40万となります!」


「うーん今日は安いねはいご馳走様!」


「ありがとうございました!またきてくだせぇ!」


「うんありがとう!またねー!ほら皆行くよ!」


ごちそうさん!また来たくなるな!あぁ!


「気に入ってもらえたようだね!良かった!」


「40万をぽんと出せるって凄くねぇか!?どんだけ金あるんだよ!」


「大人気鍛冶屋を見くびるんじゃないよ!結構いい稼ぎなんだよ?」


「へー・・・剣とかってどうやって造ってるんだ?」


「材料溶かして叩いて焼いて叩いて冷やす後は休ませるだね」


「何か簡単そうだな・・・そんなさくっとできるのか?」


「今度家においで実際に造らしてあげる」


「おいおいいいのかよ?これであんたを超えられたらあんた立場がなくなるぞ?」


「それはどうかなぁ?明日任務が終わったら来なよ教えてあげる」


「OK明日な」


凄い進歩だ。一日で人間関係というのがここまで変わるのか。


「よし!着いた!じゃあ皆自分の部屋に戻りなおやすみ」


「あんた部屋あるのかよ?」


「あっそうだった・・・」


「心配しないでください!俺たちで毎日掃除しときましたから!」


「ありがとう!助かるよ!」


太陽の道は寮生活だ。しっかりした設備である。創也含め初代メンバーが金を出し合って買ったものだ。


「ふあぁおやすみ・・・」


「おやすみなさい!隊長!」


おやすみー隊長ーと新参者の誰かが言ってくれた。うれしい。創也はそう思って眠りに着いた。明日から任務だ。造をしっかり休ませなければ。明日以降の話は次回としよう。

もう疲れました・・・次回まで身体持つかな・・・

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