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仮忍者の異世界冒険記  作者: ちゃちゃもん吉
危険な本にご注意!?
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プロローグ

 初めての投稿です。無茶ぶりなところがありますと思いますが、よろしくお願いします。




『―――次のニュースです。昨夜、○○市△△区の□×●公園で花火の暴発による事件が発生しました。それにより、花火をしていた高校生五人が火傷による重傷を負い、近くの病院に搬送。手術は無事終了しましたが、五人は意識不明の重体となっています。暴発した花火は携帯用の打ち上げ花火形式のもので、それを点火した後、打ち上がらず中で爆発したのではないかと考えられています。花火の暴発事件はこれを合わせ4件と続いており、暴発した花火はどれもメーカーがばらばらとなっていますが、警察はそれらのメーカーに対して取り調べするとのことです。尚。この花火暴発は過去の6年前にも――…』


 報道された事件にまた起こったのかと顔を強張らせる。

 じめじめとした梅雨の六月が過ぎ、気温がますますと暑くなる七月。夏の盛りと入る頃、珍しく寝坊していて遅刻しそうだった朝に、あわてふためきながら和食の朝ごはんをかきこむように食べていたら、テレビから流れた内容に手と口が止まる。

 この事件は世間だけでなく学校でも話題になっていた。夏と言えば、キャンプや川遊びや海に行ったりとする。中でも祭り、特に花火は欠かせなかった。夏となれば花火をしようと楽しみにしていると話したりした。なにせ、もうすぐ夏休み。夏休みの宿題という欲しくない土産物があるが、それを抜きにして黒板に向きあわずに長く遊べる休みがもうすぐ始まるのだ。

 しかし、今はこの事件によってクラスのみんなは怖がっていた。もしかしたら、自分のいる学校全員や他でも同じ感情を抱いているかもしれない。

 花火暴発事件は各地域ではなく、各県バラバラに発生していた。花火の細工に異常があり、打ち上げ花火式のものだけでなく手に持つ噴水花火でも爆発していて、不安を与えていた。さらに、暴発の被害にあった人達は重傷のまま目を覚ましていなく、余計に恐怖を煽らせていた。被害にあった人間は全員成人していなく、平均的に16歳以上の少年少女。

 どうして暴発したのか、そして問題となる花火が現在特定出来ていない為、花火の販売を中止して回収しようと模索しているところがある。七月に入ってまだ一カ月足らずに4件と発生していたことから、子を持つ親は花火を買ってはいけない、やってはいけないと強く注意されている。

 それは母と父も同じで、友達と遊ぶのは構わないが花火には手を出すなと言いつけられた。近所には被害者が出ていないことから、危険という気持ちは若干薄かったが、学校でも話題になっていることから、言いつけは守ろうとした。

 きっと、この事件で花火の楽しみが減ってしまうだろう。不安よぎる怖さを持ちながら、残念な気持ちになる。けれど、自分には関係ないことか。夏休みは“あの人”によって、山行きなのは確実なのだから。予定を聞かずいつものように強引に連れて行かれるだろう。

 今度は何をするだろうと嘆息半分期待半分と想像していたら、ふと目に入った時計にぎょっと目を大きく開かせる。今家を出れば朝の会にぎりぎりに間に合うかどうかの時間が示されていた。母もニュースに目がいっていたのか、時間に気付かなかったらしく急かされる言葉がなかった。

 朝ごはんを一気に食べ終え、ばたばたと通学用の鞄を背に背負って飛び出すように家を出た。

 その時は不安とある事件なだけで、もう少ししたら訪れる夏休みを前にして記憶の端に置かれてしまうのだった。

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