表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『 青春破壊装置 』

作者: 熊葵

花園さんは本物の天才だった。

天才過ぎて、おかしな方向に進んでいく彼女を誰も止められなくて。


「青春なんて人生に必要ありません。くだらない。破壊します」


真面目な顔でそう宣言した花園さんは、三日という短期間で物々しい装置を作り上げてしまった。


「さようなら、青春」


隣の席の凡人クラスメイトの僕。

彼女を止められずに、ただただ装置の完成を見守る事しか出来なかった。


「このネジで最後」


その小さなネジで最後らしい。

甘酸っぱい青春は、もうすぐ世界から消えてなくなってしまうんだ。




「あ」


天才少女は手を滑らせて、小さなネジが窓の外へ。


「……」


正しくは、天才少女が全力で、小さなネジを窓の外へ思い切りぶん投げた、かな。


「まあ、何て事でしょう」


みんな帰った教室。

二人きりの空間。

花園さんの妙に熱っぽい視線。


誰にも止められなかった天才を、青春って奴は飲み込んでしまったらしい。

この三日間消されまいと必死になって、あろうことか青春とは無縁だった僕なんかをけしかけて。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ