【天見アバユリの個人的レポート第1305012号】
『雷の英雄の……』の方をコンテストに出すために連日更新を行っていたので、久方振りの更新となります。
これからは前と同じくちょっとずつ更新する予定なのでこれからも読んで貰えると嬉しいです。
【天見アバユリの個人レポート第135012号。
題名、【過去からの継承】と【救いの雨】について。
異世界【イナスフィア】にて、【過去からの継承】及び【救いの雨】のスキルの発動が確認された。このスキルは日向ラファエルが作ったスキルであった事は後の調査によって判明したのだが、後にこのスキルは廃神の力を加工して作られた物である事が判明していた。廃神とは廃れた神、つまり人々から忘れ去られたり、力を失ったりなどして、観測出来なくなってしまった神の事である。日向ラファエルは廃神の久利島ヴェレントの力を【過去からの継承】と言う力に、廃神の粋七ニヒミィリの力を【救いの雨】と言う力に変えていた。
久利島ヴェレントから作られた【過去からの継承】とは、範囲内の人々から波長があった人間の記憶を継承すると言うスキルである。大きからず小さからずの範囲であり、どこの誰の記憶を継承するのか、またいつ継承するかも分からないと言う、使えるかどうか良く分からないスキルであった。まぁ、力の元となった久利島ヴェレントと言う廃神も、どこを見ているかどうか分からないような眼をした変人ならぬ変柱であったから分からなくもないのだが。
粋七ニヒミィリから作られた【救いの雨】とは、他人の物を奪い、他人に物を与えるスキルである。このスキルはとても汎用性が高い。そもそもこの【救いの雨】は、本人の意思さえあれば何でも奪って与える事が出来るこのスキルであり、生命力でもスキルでも背でも体重でもなんでも与え奪うこのスキルは、元となった廃神の粋七ニヒミィリがそれだけ万能であったからだろう。本当に今から思えば、何故廃神として消えたかも分からないような奴だった。
ともかく、その2つの力は確かに作用していた。ただし完全ではなく、ただ使われていただけだったと言う感じではあったとの調査報告が上がっている。それがもとは廃神を加工して出来たから完全ではないのか、もしくは使った本人の技量もあるかも知れないが、詳しくは調査を続行する。
なお、他の世界でも廃神を加工した物が発見された。それは今回のケースのようにスキルであったり、もしくは使い魔であったり、あるいは武器であったり、はたまた有形ではないものだったりと色々だ。その調査については、まだ全部が判明しきっていないので今回は伏せて置く。だが、どうやらこれに関しては色々と根が深い問題が多いようである。
なお、この前の月裏イヴァリストの魔王転移に関して事後報告があるので載せて置く。月裏イヴァリストが魔王として転移する者を増やして欲しいと言う話であったが、やはり昨今のネット情報では魔王よりも勇者の方が人気らしいみたいで、魔王として転移した者も自らを自称勇者と名乗って活動している者も居るらしい。そう言った者には後からこちらで『魔王としての大切さ』、『勇者と魔王について』を軽く1,2時間ほど相談する事を考えていた。
今後も魔王転移した者については調査を続行しようと思う。
以上、天見アバユリの報告終わり】