表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Road to Lord -魔王の道-  作者: アッキ@瓶の蓋。
第4話 悪魔と魔の鎧
53/66

偽物と武器

 新しく進化して強くなったリンと共に、僕達は【サイクロプス協会】へと向かっていた。この前の【サイクロプス協会】で起こった暴動のため、営業停止を行っているみたいである。そのため、客はおろか店員も全員居ないみたいだけれども。これじゃあ、ヒトメの従者と名乗っていたフォースも居ないかも知れないけれども。


「どうですか、ヒルデガルドさん? あの中にフォースは居ますか?」


「……う~ん。ちょっと魔法で見ていますが……」


 と、サファイアはヒルデガルドさんにそう質問して、ヒルデガルドさんは魔法で【サイクロプス協会】の中を探っていた。この前の暴動の際、暴動している人達が持っていた武器から揃って微弱な良くない魔力がしたんだそうだ。その魔力を覚えて、魔法にて感じ取ろうとしているのだそうだ。


「……居ますね。あの【サイクロプス協会】の中で、確かに感じますね」


 と、そう言うヒルデガルドさん。ならば普通に、【サイクロプス協会】へと向かったらフォースが居ると言う事か。けれどもあの【サイクロプス協会】は、今は人が居ないはずなのにどうしてフォースが居るのだろう? 隠れて潜んでいるのだろうか?

 その辺りも探って貰っているのだが、どうにもヒルデガルドさんでも流石に細かいそこまでは分からないみたいである。どうもあの店の商品は、魔法を歪めたりしている商品が多くて上手く実態が掴めないそうだ。この前の暴動で、ヒルデガルドさんが見つけられなかったのもそれが原因だと言う。けれども、あの店のどこかに居る事だけは間違いないんだそうだ。


「よし、じゃあ手筈通りに」


 僕が言うと、皆がコクリと頷いた。


 僕が考えた布陣は以下の通りである。

 まず、店の中に入るのは僕、リン、そしてサファイアの3人。僕とサファイアは汎用性が高い攻撃手段を持っているし、リンも飛行能力だけではなく、【槍術スキルLv.4】(恐らく【剣術スキル,Lv.3】と【牙術Lv.5】が合わさって生まれた物)と【炎魔法Lv.3】、【水魔法Lv.2】と言った、僕が【救いの雨】によって与えたスキルがあるから使いやすい。一方、外に出た場合は夕張さん、ヒルデガルドさんの2人でなんとかして貰う予定である。

 とりあえず、こうした布陣にしたのは、敵の目的が『魔王』であるからだ。魔王候補の僕や聖ですら反応していたそいつは、もし仮に全員で入った場合僕と聖のどちらも狙い撃つかもしれない。そうなると、守っている方はどちらを守れば良いか分かりづらい。それならばいっその事、どちらか片方に分断すれば敵の狙いを一つに絞って戦いやすくなると考えたのである。


 そして、僕達は中へと突入した。


「炎の鱗粉!」

「エレファント・ブレス!」


 中に入ると共に、リンが触れたら燃える鱗粉を放ち、サファイアが腕を象の鼻にして空気を吐いて、鱗粉を店の中へと飛ばす。あの燃える鱗粉は敵にしか反応しないと言う謎仕様らしくてこれで敵を炙り出せる。他に誰も居ない、今日で良かったと思いつつ、中へ入るとそこには――――――こちらを睨み付ける燃え盛る人形が立っていた。


「人形? あ、あれ?」


 いや、ただの人形では無い。あれは確か店に記念品として飾られていた、殺害専門の人形。店の初代店主であるヒトメが作り出した3体の自律人形をモデルに作られた、『紛い物の人形』として置かれていた……


「なるほど。流石とでも言っておきましょうかネ」


 そう言って、そいつが腕を振ると、周りの金属製品が形を成して大きな団扇となる。その重そうな金属製の団扇をそいつは思いっきり振る。それによって生まれた大風は、店内を駆けまわり、そしてそいつに付いていた炎を吹き飛ばしていた。


「『金剛馬力』と『金属専攻』、案外使える能力でしたネ。まぁ、最も本人は全然ダメダメでしたガ」


 そいつはケケケと笑いながら、こちらを見ていた。


「魔王よ。初めましてダナ。さっきの火炎鱗粉のせいで、言語が可笑シクなっているが挨拶だけしテオこう。

 私ノ名前はフォース。ヒトメ様の忠実なる(しもべ)の自律人形デアル」


 その狂ったように笑う自律人形は、腕や足から刃を出してこちらを睨み付けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ