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Road to Lord -魔王の道-  作者: アッキ@瓶の蓋。
第4話 悪魔と魔の鎧
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夢とこれから

 【サイクロプス協会】にて、ヒトメの従僕と名乗るフォースによって洗脳されたサファイアの洗脳を解いて、宿屋に帰って来た僕達。そしてそのまま、その日はサファイアに事情を聞く事にした。

 大事を取ってベットに寝かせたサファイア曰く、「何が起こったのか良く分からない」との事だった。洗脳された間の事を当人が覚えていないと言うのは良くある話ではあるのだが、それに近い物を感じた。ヒルデガルドさんが言うには、あの【サイクロプス協会】の何かに洗脳を誘導する何かがあるとの事らしい。


「洗脳する方法は大きく分けて、2つあります。1つは直接、洗脳する相手が対象に向かって洗脳の術をかける方法。けれども、あの【サイクロプス協会】で、魅力的な私は洗脳にかけられてない」


 僕はそのヒルデガルドさんの言葉に突っ込まなかった。話が真剣だったからである。他の皆も空気を読んだのか突っ込まなかった。


「シュー、シュー!」


「ありがとう、ワイトちゃん。話をちゃんと聞いてくれて、嬉しいわ」


 最も、そこに居なかったワイトワームにとっては興味津々な話題らしく、突っ込んで話を聞いているけれども。


「……ともかく、直接洗脳をかける方法だと、洗脳が効かなかった人達は洗脳をかけた人物の顔を覚えているのが普通です。だから、今回のケースではそれは当てはまらない。だから、もう1つの洗脳方法を使ったと考えられました」


「も、もう1つと言うと、どう言った方法、なんですか?」


 聖さんがそう聞くと、ヒルデガルドさんはこう答えた。


「何かに洗脳の術をかけて、それを見た相手を洗脳させる方法ですよ。ただし、何に洗脳の術をかけたのかが分からないと、防ぎようがありません。あの【サイクロプス協会】には多くの武器があって、そして多くの鉄製品がありましたから」


「鉄製品だと何かあるのですか?」


 と、ベッドで横になっていたサファイアがそう聞くと、ヒルデガルドさんはコクリと頷いた。


「洗脳の術で一番かけやすいのは、自分の顔が映る物にかけるのが一番効くのですよ。鏡の前で自己暗示をするとかかりやすいのと同じように、暗示する対象が目の前で映っている方がかかりやすい……。鉄製品は魔法を貯蓄するだけの素材としての性質を持っているだけでなく、鏡のように顔を映しますから」


 「洗脳には適しています」とヒルデガルドさんはそう答えた。


「とにかく、あそこには少なくとも僕達の中に魔王が居る事を掴めるだけの能力と、洗脳する力を持ったフォースと名乗る人物が居る、と言う事か」


「そして、あの【サイクロプス協会】を潰さないと拙い事になると思います、龍斗様。【サイクロプス協会】の良い武器は、勇者だけでは無く、一般の人達や魔界軍の方にもいくつか出回っているみたいですし」


 サファイアの言葉に僕は息を飲んだ。それは……はっきり言って拙いな。さっきのような洗脳する武器が魔界軍に渡って、そのまま魔王討伐になったりするかも知れない。あるいは、一般の人達が洗脳されて襲って来るかも知れない。早い所、潰さないと今後の冒険に支障をきたす可能性が高い。


 僕達は明日、もう一度【サイクロプス協会】に向かう事を決意する。


 その夜、僕は不思議な夢を見た。前にも二回ほど見た、自分の記憶では無い不思議な記憶だった。

 1回目が聖さん、2回目がヒトメの意思を継ぐと言っていた謎の人物。


 そして3回目の今回は、とある作品を作っていた職人の記憶……のようである。ヒトメが作ったとされる『1番(ファースト)』、『2番(セカンド)』、『3番(サード)』と呼ばれる3体の自律人形を裏ルートで手に入れ、その3体の機能を模した新たな人形を作っている職人の記憶。


 それが何を意味するのか、僕には分からなかった。


「それは恐らく、【過去からの継承】の能力の1つでしょう」


 早朝、不思議な夢を見ていたせいか、思ったより朝早く起きた僕は、外を散歩していると、窓からそれを見たヒルデガルドさんが降りて来た。そして、僕の話を聞くなりそう言って来た。


「【過去からの継承】……? それって、この前リーファから【水神式魔術】と言う結晶を出す際に使った能力、じゃなかったっけ?」


「まぁ、それを能力の1つではあるわね。けれども、あのスキルは、今自分と関係のある物や人物の過去の記憶を読み起こすと言う効果もあります。聖さんの夢を見たのは、前世からの繋がりがあったからじゃないでしょうかね?」


 自分と関係のある人物や物の過去の記憶……。つまりその後の2つの記憶も、僕に関係あると言う事か?


「だとすると、恐らく……」


「その2つ目と3つ目の記憶とやらは、あなたを襲ったフォースの、過去の記憶、なのかも知れないです」


「…………」


 じゃあ、あの2番目の記憶は、フォースの記憶、なのだろうか? 『魔王殺ス』みたいな事を言っていたし。けれども、それだったら3番目の記憶は……。


「まぁ、フォースを倒すのに、そのスキルが関係あるかどうかは分からないけれども、確かな事が1つ見つかりました」


 と自信満々に言うヒルデガルドさん。そして、彼女は僕にこう告げた。


「龍斗君、今から君にはスキルを鍛えて貰いましょう」

只今の主人公の状態。

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 石動龍斗(いするぎりゅうと)

 種族;人間

 魔王ランク;☆☆☆

 スキル;錬金術Lv.4、身体強化Lv.2、魔法の指輪、罠解除(トラップブレイク)罠検知(トラップサーチ)捕獲(テイム)、飴と鞭、採集、アイテムボックス、過去からの継承、救いの雨

 使い魔;ドッペルゲンガー(劣等種)のサファイア、ワイトワーム(♀)、ゴーレム×40、悪魔のヒルデガルド

 同行者;夕張聖

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