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使い魔と会いました

「えっ……? なに、これ? 使い魔選びって人身売買もやって貰ってるんですか?」



 使い魔ってモンスターだけだと思っていたんだけれども、なんで檻の中に女性が居るんですかね? 左の瞳は赤く、右の瞳は青いオッドアイの金色美女がなんで檻の中にいらっしゃるんでしょうか?



「うん……やってないと思うんだけど」



 と、ダイナマイトボディの制服美女は否定していた。まぁ、僕もそうとは思うんだけれどもじゃあ、この女性は何でしょうか?



「フフフ……。私は誰でしょう?」



 と、檻の中の女性はそうクスクスと笑いながらそう言っていた。人を楽しんでいるような、それとも久しぶりに話して楽しいとか、そう言った感情が感じられる笑みだ。



「……あっ、そうだ。魔物だったらさっきのピクシーと同じように、携帯で見られるだろうか?」



 僕はそう思いながら携帯を彼女に向ける。すると先程のピクシーのように彼女の情報が現れる。



======================

 ドッペルゲンガー(劣等種)

 クラス;C

 必要ポイント;0/5pt

 ポイント[IN][OUT]

======================



「ドッペルゲンガー?」



「あっ、それずるいね。でも正解だよ。私はドッペルゲンガーの、それも劣等種だったりするわけだよ」



 ドッペルゲンガー。それって確か他人の姿をまねる幻影のモンスターでは無かっただろうか? へぇ、こう言う魔物も居るんだ。



「と言うか、劣等種?」



「えぇ。私の瞳を良くご覧ください」



「瞳?」



 そう言って、僕は彼女の瞳をよーく見る。そして彼女の言う通り、彼女を良く見ると彼女の瞳は普通の女性の瞳では無かった。彼女の瞳は花の紋章が描かれていた。



「私は先天的な要素で、どんな姿に変身しようとも花の瞳が出て来てしまいます。まぁ、能力は上手く出来るんですけど、こればかりはどうしても……。誰でもなれるのにも関わらず、この瞳のせいで私はどんな物にもなれません。故に私は失敗作、と言う事になります」


「もしかして能力もコピー出来るのか?」



「えぇ、本当に能力もコピーしないと怪しまれますからできますよ?」



 誰でもなれるはずが売りなのにも関わらず、瞳のせいで誰だかすぐに分かってしまう。初めから敵に見破られてしまうスパイに用が無いのと同じように、初めからドッペルゲンガーだと分かってしまうドッペルゲンガーに用はないと言う事か。

 本当に他人の姿に成り代わる事が出来たとして、そして能力もコピー出来るんだったら、本当なら彼女はB、いやAランクだとしても可笑しくはない魔物である。けどその瞳のせいで彼女はこんな所に……。



「……決めた。僕は彼女を使い魔にしよう」



 僕はそう言って、彼女にポイントを上げる事にした。



======================

 ドッペルゲンガー(劣等種)

 クラス;C

 必要ポイント;5/5pt

 ポイント[IN][OUT]

======================



 ポイントを上げると彼女の前の鉄格子が開いて、彼女が出るように誘導する。



「……良いんですか? ドッペルゲンガーのような幻影種の魔物は裏切ると思われてたりするんですが……」



「やけに弱気だな……」



 さっきまでは饒舌(じょうぜつ)に話していたと言うのに……。



「檻の中に居るままと、檻の外に出るのとでは意味合いが違ってきますよ」



「まぁ、良いさ。僕は君で良いと自分で決めた。だから君は僕と一緒に来てはくれないだろうか?」



 と、僕はドッペルゲンガーの彼女に手を差し伸べる。すると彼女はふっ、と自嘲的な笑みをする。



「そもそも規定通りのポイントを貰っておいて、拒否する事なんて私程度には出来ないよ。良いよ、あなたの指示に従いましょう、我が主様」



 彼女は膝を立ててそう言うが、僕は止めてくれと彼女に言う。



「止めてくれないかな、そう言う畏まったのは……。昔からそう言った上に立つのは苦手なんだよ。だからそう言った畏まった態度は禁止。理解した? 呼び方も龍斗か、石動のどちらかで良いから。あぁ、後、何か名前があるのならばその名前を教えてくれると助かる。僕、そう言った名前を考えるのが苦手だから」



「……使い魔の名前を決めるのも主の特権の1つなんだけどね。まぁ、良いよ。

 ……そうだねー。サファイア、私は以前、そう呼ばれていたからその名前でお願いするよ」



 サファイア、ね。あの青い宝石、サファイアか。



「じゃあ、サファイア。一緒に行く?」



「はい、勿論。よろしくお願いします、龍斗様」



 ”様”は失くしてはくれないんだね。まぁ、良いや。それは諦めるとしよう。けれども残ったこの1ptはどうしよう。余らせるのはどうかと思うし、それにさっきみたいな不良の手に渡らせるのもなー。



「あっ」



 そこで僕は彼女に気付いた。そう、ここに居た不良に絡まれていたダイナマイトな美女。



「えっ……? どうか……しました?」



「いや、もし良かったら残ったポイントを受け取ってくれないなー、って」



 それを聞いた彼女は驚きのあまり、目を大きく見開く。



「い、良いんですか? さっき、助けて貰ったのに……」



「後1ptじゃあどうしようもありませんしね。あなたみたいな美しい女性に使われた方が良いかなー、って」



「う、美しい!?」




 顔を赤面させる彼女。うん、その様子もまた美しいと思う。こんな美しいのにどうして噂にならなかったんだろう? 謎だね。



「じゃあ、ポイント、貰ってくれますか?」



「は、はひ。良いですよ?」



 僕はそう言って、彼女に残りの1ptを託して僕は時間を潰しに彼女と共に歩いて行ったのであった。










「あぅー……。まさか転生者さんとあんなに喋るだなんて思分かったよー」



 と、金髪の美人の女性は今話しかけていた転生者の内の1人、石動龍斗がどこかに行ったのを見てようやく一息吐いた。と、そこに1人の男性が近付く。その男性は知り合いでなければ誰も話しかけない男性だった。なにせ、彼はガスマスクをして素顔を隠していたのだから。



「大丈夫か、イヴァリスト?」



「う、うん。なんとか大丈夫、ですよ。アバユリさん」



 と、金髪の美人の女性、魔王の神である月裏(つきうら)イヴァリストは話しかけて来た男性、ギルドの神である天見(あまみ)アバユリにそう返事を返す。それは良かったとアバユリは返事を返す。



「いつの間にかモニターに居るはずのお前が転送の神である浅尾(あさお)ミカゲと変わっていて、お前がこんな所で転移者達の顔を見ている時を知った時は驚きでしかなかったよ」



「ご、ごめんね、アバユリさん。けど、私は知るべきだったと思うの」



「何を? それはモニターでは確認出来ない事なのか?」



 と、アバユリにの質問に対してイヴァリストは頭を頷かせて、



「転生者達の生身の声だよ」



 と、答えた。



「私は魔王の神、それも主神。魔王と言う魔物達の統率長を管理するのは私の役目だったはずだよ。けど200近くの異世界から魔王が消えて……結局、転生者を使って彼らに役目を押し付けちゃった。そんな彼らの生の声が聴きたかったんです」



「……どうだった、彼らの声は?」



「怯えていた。理解しようとしていた。ふんぞり返っていた。泣き叫んでいた。何とも思っていなかった。そんな彼らの生の声が聞けて、私は満足だよ」



 と言う彼女に対して、アバユリはそんな事をしなくても良かったんじゃないかと問いかける。



「言っておくが、良く異世界転生者を募っている日向ラファエルはそんな事をした事は一度もないし、それにSクラスの檻にポイントをゲットする事が出来ると書いてあったぞ、日向の名前入りでな。つまりお前が襲われたのも日向が原因だ。だからお前は日向に仕事を押し付けても文句は言われないだろう。

 魔王の数を一定に戻すために転生者を募るよう提案したの私だ。だから私に文句を言っても良い。少なくとも君が責任を感じて彼らの生の声を聞く必要は皆無だ」



 と言うアバユリに対して、イヴァリストはそうじゃないと答える。



「これは私の自己満足。転生者に申し訳ないからと、私が彼らの生の声を聞きたかったに過ぎない。だからあなたは何も気にする必要はないわ。



 全ての責任は私が引き受ける。だって私は魔王の神。全ての悪意を受け止めてくれる魔王の神。これくらいしなくちゃどうするの」



 イヴァリストはそう言って、「後でミカゲにありがとうと言っておこう」と言って消えて行った。



「……流石、私の一番尊敬する神、魔王の神の主神、月裏イヴァリスト。決して妥協を許さず、全ての責任は自分にあると言って聞かない存在。だからこそ、私はお前を尊敬してやまないのさ」



 アバユリはそう言って、「ミカゲ、転送を頼む」と言って電話を切り、誰にも見られないように転送されてそこから消えたのであった。

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