Ex.ヒルデガルドの想い
ソロモン72柱。ソロモン王と言う王様は72の悪魔を使役しており、その悪魔はそれぞれの特技を持っており、呼び出して願望を叶えたとされている。それぞれが地獄における爵位と呼ばれる悪魔の階級を持ち、大規模な軍団を率いている。
そんなソロモン72柱の1柱、序列29位の悪魔、アスタロテと言う元女神が居る。竜にまたがる右手に毒蛇を持った天使であり、口から毒の息や悪臭を撒いているとされている。アスタロテは公爵と言う爵位を持っているが、彼女には40の軍団を所有している地獄の大公爵である。
その40の軍団の一員であるヒルデガルドはある意味、アスタロテよりも恐ろしい能力を持っている。元々、魔女であった彼女は全ての毒を保有しているとされている竜と一体化する事によって、その毒の竜の力も手に入れた魔女となったのだ。
魔法だけでなくて、毒の力も手に入れた彼女は、危険指定の魔物として封印されていた。
彼女が危険指定されたのは、その力ゆえである。魔法の力と毒の力、そして竜の力を持った彼女は、その力全てを使えば世界を滅ぼせるかもと言われていたからである。それ故に彼女は捕まっているのだが、別に彼女はそんな事を考えてはいなかったのだ。
そんな彼女には1柱の神様と友達であった。
その神こそ魔王の神の月裏イヴァリスト。ヒルデガルドは世界を崩壊する危険性があるために嫌われていたが、それでも魔王の神の月裏イヴァリストは接していたのだ。
『どんなに危険だろうとも、ヒルデガルドちゃんはヒルデガルドちゃん……だよ! だから、気にしないでね』
ヒルデガルドはその言葉が嬉しかった。だから、彼女のために何かしたかった。
そんなイヴァリストが1人の転生者が気になると言い出した。その者の名前は石動龍斗。
「だったら、そんな彼とイヴァリストの間を取り持ってあげるのが私の役目でしょう」
ヒルデガルドはイヴァリストのおかげで救われた。だから今度は、イヴァリストのために自分が何かしたい。
彼女はその思いを叶えるために、異世界へと飛び立った。
3章はこれにて終了です。次回から4章、遂に冒険に突入……。長かった気がしますが、これからもお付き合いお願いいたします。