表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Road to Lord -魔王の道-  作者: アッキ@瓶の蓋。
第3話 魔法の悪魔
37/66

得た力の使い道と新たな旅立ち

 僕はリーファとの戦いの後、気絶していたからこれはドッペルゲンガーであるサファイアから後に聞いた話である。リーファとの試合はその後、夕張聖さんとの戦いで幕を閉じた。夕張聖さんは風や水、植物と言った自然の力で戦ったみたいで、水の力を使うリーファとそこそこの戦いを繰り広げていたみたいだが、どうにも決定的な力不足によって負けたみたいである。

 そして番勝田、夜里弓葉、そして僕の3人は見事にこのリーファの試練に認められたみたいである。勝ったのは番勝田だけなのに、僕や夜里弓葉の2人が認められたのは、この試練の目的が勝つ事ではなくて、自分の力量を見せる事みたいである。その分で言えば力はあれどそれを活かしきれなかった東堂健二と夕張聖の2人は魔王として相応しくないと見なされて、僕と夜里弓葉の2人は戦いにて検討したから認められたと言う事だろう。



「『水神式魔術』……ね」



 リーファと戦ったその日の夜、僕は自室にて手に入れたスキルを見直していた。『水神式魔術×01』。スキルではなくて、アイテムと言う形にて僕の中にあった。



「『過去からの継承』と言っても、本当にスキルを継承している事ではなくて、あくまでも消費アイテムの1つとの事なんですね」



「まぁ、正確に言えばスキルのアイテム化と言った所だろう」



 頭からの謎の丸文字の話によると、『過去からの継承』は他人の記憶を受け継ぐのではなくて、他人のスキルを継承すると言うスキルらしい。継承とは即ち、後の世代に継がせる事。対象となった相手の持っているスキルの中で、1つのスキルをアイテムとして具現化するのだそうだ。

 これを使用した者はこのスキルを使えるようになる。そう言う事だそうだ。



「と言う訳で、サファイアは使ってみる?」



「……私なんかが使ってしまってもよろしいのでしょうか?」



「『水神式魔術』は水神の力を借りて行う水の最高術式だそうなんだが、正直な所、僕はこの力を使いこなせる自信がない。人は持っていると使いたくなってしまう生き物だから、渡しておくんだよ」



 多分、僕が持っているよりかはサファイアが持っている方が良いだろう。サファイアは考え込むような感じでこっちを見つつ、うんと頷いていた。



「では、私も少し考えて使わせて貰いますね」



「そうしてくれ」



 「じゃあお疲れでしょうし、失礼しますね」と言って、サファイアは部屋を出て行った。残ったのは僕1人。



 サファイアの持って来た話だと、東堂健二は番勝田に説得されるような形にて、魔王城に残る事になったみたいである。東堂健二の知能があれば、これから先の魔王城も安泰だろう。弓葉はもう少しやる事があるとの事で、魔王城には残るみたいだがどうして残るかと言う事に着いては分からなかったみたいである。夕張さんは分からないみたいである。



「まぁ、考えても分からない物は分からない、か」



 これで僕がこの魔王城に残る理由も無くなった。後はサファイアとワイトワーム、それから子供スイリュウでも連れてこの世界を冒険するのもありかなと考えていると、トントンと、控えめな音で扉が叩かれる。



「――――――はい?」



 僕はそう言いつつ、扉を開ける。扉を開けると、そこには夕張さんの姿があり、その手には荷物の入った大きなバッグを持っていて、その目は何故か涙で潤んでいた。



「……石動龍斗さん。お願いです、私を見捨てないでください」



 この状況、どうなってんの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ