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Road to Lord -魔王の道-  作者: アッキ@瓶の蓋。
第2話 コテイ村
22/66

コテイ村の広報活動

「では、こちらにサインをお願いできますか?」



「はい。分かりましたのじゃ」



「……うむ。これはどこに書けばよいのだろうか?」



「こちらにお願いしますです」



 コテイ村村長宅。

 僕とサファイアの2人は村長宅で、2人の男性と出会っていた。

 1人はセルキーの村長であるニグレ=ロード=オーシャン、スキュラの頭領であるアマカワさん。二グレ=ロード=オーシャンはセルキーをまとめ上げる御年962歳(人間年齢からすると96歳くらいらしい)で魔法を使う賢者で、アマカワさんは御年432歳(人間年齢からすると43歳くらいらしい)で豪快な剣術を使うおじさんである。今、僕とサファイアはこの村の実質的な権力者の2人から、



 ”【番勝田】を推薦して貰っていた”。



 何故、こんな事をしているかと言うと、僕は魔王として【番勝田】を押したいのだ。



 魔王候補5人の中で魔王をやりたいと本当に思っているのは、2人だけだろう。番勝田と東堂健二の2人。そしてあの2人からすると、僕は番勝田の方が良いと思うのだ。番勝田の方は裏で頭脳役の者達が支えていけば良いと思うのだが、東堂健二はあれはダメだ。あれは初めから人の上に立つ事が当然だと思っているような奴だ。あいつはあぁ言った奴だからだ。ならば、それよりも番勝田を推した方が良い。

 番勝田の方が僕は好感を持てる。だからこそ、僕は番勝田を魔王とするためにこのコテイ村で広報活動をやっているのである。



 と言う訳で、このコテイ村の有力者であるニグレさんとアマカワさんの2人にお願いした訳である。カルタ様とミズワリさんは確かに今のコテイ村で人気を博しているが、あくまでも彼女達はまだ若輩者、こう言った村での主導権は未だ彼らが担っている。恐らくあと数年くらいは彼らがこの街の有力者であり続けるのだろう。



「ニグレ様。この魔王選挙が終わりましたら、私達の方も選挙をやっておきますか?」



「な、何を言っているんじゃ、アマカワ! まだカルタちゃんには可愛い女の子で居て欲しいんじゃよ!」



「この孫大好きおじいちゃんめ……。私は娘にはもう役目を渡したいと思っているのに村長のせいで、彼女のデビューを見送っているんですからね」



「だ、だって、ミズワリがスキュラ一族の新頭領となったら、こっちもカルタちゃんをセルキー一族の新頭領にしないといけないじゃろ!? じゃから、嫌なのじゃ!」



 ちなみに今の台詞から察して貰えると思うけれども、ニグレさんはカルタ様のおじいさん、アマカワさんはミズワリさんの親であったりする。僕はどうでも良いけれども。



「では、よろしくお願いしますね」



「よろしくお願いします」



 僕はぺこりと頭を下げて、サファイアの方も同じように頭を下げていた。



「しかし、わしは見た事のない相手を推薦するのかのぅ……」



「そうですね。うちの娘とも仲良くしていたし、君がやってくれると嬉しいんですが」



「いえ、僕は魔王になるよりも、ちょっと旅をしてみたいんですよ」



「龍斗様はそちらの方が良いと思っているので、使い魔である私も着いて行くのですが」



 仲間を集めつつ、旅をやりたいと思っているし。それに僕には魔王は向いていない。ならば、向いている人がやって貰った方が良いに決まっているのだから。僕はそう心に、自分にそう言っていた。

 そう心に問いかけていると、1人のスキュラ兵士が入って来る。



「た、大変です! ニグレ様、アマカワ様!」



「どうした、タナカ。落ち着いて状況を説明せよ」



 と、アマカワさんが言う。あの兵士、タナカって言う名前なんだ。なんだか、スキュラ族の人達って日本語名のような名前が多いな。

 と言うか、この焦りようから察するに相当な事が起きたに違いない。まさかまたあのリンテイ村のように、勇者が攻めて来たのだろうか?



 そう思っていると、その兵士は大きな声で、焦りながら状況を伝える。



「か、カルタ様とみ、ミズワリ様が突如現れた謎のスイリュウに捕まっています!」



 ――――――スイリュウ、水の竜。敵はどうやら、水の竜のようです。

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