P6 ベン図
使用教科書 【第一学習社 数A】
教科書6ページに目を通した後に読んでいただけると、より楽しめます。
今回は【ベン図】の話を。
ド・モルガンの法則を証明する時に使われる
この図。英語では【Venn diagram】(ヴェン・ダイアグラム)と言います。「V」で始まるので「ベン図」というよりは、下唇をかんで【ヴェン図】と言う方が正しいですね。
まぁ、今回のテーマは英語じゃないので、深く突っ込まず先へ。ちなみに私は気になるので、以下「ヴェン図」と記します。笑
この【Venn】というのはイギリス人数学者の名前でして、彼が考案した図なのでヴェン図と呼ぶのです。例えば1つの集合Aに対しては
このようなヴェン図を考えます。これなら集合Aに属する要素のある領域と、そうでない領域の2つ
どちらも表されている事になります。
お次は2つの集合に対するヴェン図。
集合2つのヴェン図の場合
「A,B両方に属する要素のある領域」
「Aには属するがBには属さない~」
「Aには属さないがBには属する~」
「両方に属さない~」
の4つの領域が必要ですが
このヴェン図にはちゃんと4領域が現れています。
一般にn個の集合がある場合、要素としては
1番目の集合に属するか属さない(2通り)
2番目の集合に属するか属さない(2通り)
3番目の集合に属するか属さない(2通り)
・・・ ・・・
n番目の集合に属するか属さない(2通り)
となりますので
全体集合である「U」の中においては、2のn乗通りの在り方があるんですね。
なので集合が1つの場合は、2の1乗で
2つの領域があれば十分であり、集合が2つの場合、2の2乗で
4つの領域があればよいのです。という事は集合が3つの場合、2の3乗で8通りの領域が必要となります。
集合3つの場合、上のような図を考えると
ちゃんと8つあります。教科書にもこの図は後半出てきます。
では……
4つの集合のヴェン図はどのようになるでしょう?
集合1つ、2つ、3つのヴェン図から察すると、このような形になりそうですよね。ところが
この図をよ~く見ると、領域は14。4つの集合なら2の4乗で16の領域が必要のハズ。
足りないのは、この2つです。では、どのように4つの円を組み合わせれば16の領域を得られるのでしょうか?
実は4つの円(と全体集合を表す1つの長方形)をどのように配置しても、16の領域を作る事は出来ない事が一般に知られています。という事は
4つの円によるヴェン図は存在しない
という事になるんですね。
じゃぁ4つの集合のヴェン図は存在しないのかというと、そういうわけではありません。円以外の図形を用いてやればよいのです。
どんな図形になるのかは……
また次回。笑