オープニング 必勝法にまつわるエトセトラ
世の中にはたくさんのゲームがあります。
今回はTVゲームやネットゲームなど、いわゆる電子系のゲームは置いておきます。
例えばトランプゲーム、あるいは将棋やチェス、麻雀や五目並べ、すごろくや百人一首などなど……
日本にもたくさんのゲームがありますよね。
ゲームに参加するなら勝ちたい。それは誰もが思うこと。
以前、チェスではコンピュータに勝てない、将棋も勝てなくなるかも……
というお話をしました。
しかしゲームで遊ぼうって時に、コンピュータなんかを側において勝負に挑むわけにはいきません。なんとか、コンピュータに頼らず相手に勝てる方法はないものか。
実はいくつかのゲームにはあるんです。必勝法が。しかも誰にでも出来る簡単な手順での必勝法が。
今回はそういうお話をしていこうかなと。
☆★
まず、簡単なゲームのお話を。これから話すのは「1対1」の、いわゆる2人対戦型ゲームです。
2つの袋AとBがあり、それぞれの袋の中には20個ずつの球が入っています。対戦者2名が、交互に袋の中から球を取り出します。
その際、袋はAかBの1つのみを選択し、取り出す球の個数は自由です。「Aから1個、Bから2個取る」というのはダメですが、「Aから20個取る」というのはOKです。
交互に球を取り続けると、いつか球を取り尽くしてしまうわけですが……
「最後の球を取った方が負け」というゲームでございます。
実はこのゲーム、必勝法が存在するのですが……
果たして先手必勝なのか、後手必勝なのか?
まぁ、必勝法といえばね、何やら難しい手順というイメージがありそうです。
例えば、最初にAから●個とり、相手がAから●個取ればこちらはBから●個取る。しかし相手がBから●個取ればこちらはAから●個取る……みたいな。
しかしこの必勝法はいたってシンプル。
このゲームは後手必勝。以下、手順を示します。
①相手が袋の中から、2個以上の球を残して球を取りだした時
この場合、あなたは相手が選ばなかった方の袋から、同数の球を取り出します。
②相手が片方の袋に1個の球を残して、球を取りだした時
この場合、あなたは相手が選ばなかった方の袋の球、全てを取り出します。
③相手が片方の袋の球を取りきった時
この場合、相手が選ばなかった方には2個以上の球が残っています。
あなたはその球の残ってる方の袋から、1個だけ球を残すように球を取り出します。
いっけん難しそうですが、基本は
常に2つの袋に同数の球が入っている状態にする
です。一方の袋の球が1個になれば、反対側全てを取ればいいというのは自然とわかるし、一方の袋の球が0個になれば、反対側に1個残せばいいというのも自然とわかります。
具体例を。
A ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
B ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
これがスタートの形。後手必勝なので、まず相手がBから5個とれば
A ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
B ○○○○○○○○○○○○○○○○
あなたもAから5個とります。
A ○○○○○○○○○○○○○○○
B ○○○○○○○○○○○○○○○
相手がAから7個取れば
A ○○○○○○○○
B ○○○○○○○○○○○○○○○
あなたはBから7個取ります。
A ○○○○○○○○
B ○○○○○○○○
相手がさらにAから6個取れば
A ○○
B ○○○○○○○○
あなたもBから6個取る。
A ○○
B ○○
とにかく、相手に同数でパスをすることを意識します。
この状態で相手が
A ○○
B ○
片方に1個だけ残すなら
A
B ○
あなたは反対側を全て取り尽くせばいいし
A ○○
B ○○
この状態から相手が片方の球を全て取るならば
A
B ○○
あなたは反対側の袋から
A
B ○
1個だけ残して相手にパスをすればいいのです。
もしあなたが先手となってしまった場合、相手が必勝法の手順通り球を取ってしまうと、あなたは負けるしかないです。ただし相手が必勝法を理解しておらず、2つの袋の球が異なる数になるようにあなたに順番を回してきたら、あなたはそれが同数になるように調整すれば勝てるわけです。
ちなみにこのゲーム、「最後に取った方が勝ち」というルールにする事も出来ます。その場合の必勝法はもっと簡単。後手必勝で、とにかく
相手が取った球と同数の球を、反対側の袋から取り出せばよい
これだけで必ず最後に球を取るのはあなた。つまり必ず勝てるのです。
★☆
今回は、「相手が取った球を数える」事で、あなたに勝利がもたらされるゲームを1つ紹介しました。
次回もそういうゲームを紹介します。
そして次の次では……
「数える」だけで簡単に勝てるゲームを実践し、巨万の富を築いた人物を紹介したいと思います。
教科書では、ちょっと複雑な物の数え方を学ぶところです。数学が出来ると、年収が上がるという調査結果も出ています。
いろいろな数学的な知識を身につけ、年収をアップさせてやりましょう! 笑




