P29 頭の体操「3回で出来る?」④ ~ 解答編 ~
さて、前回出した問題の解答です。
図のように正方形に配置された4つのコイン。コインを1枚ずつ動かします。ただし動かす際は
必ず2つのコインに接するように動かします。
コインを3回動かし、元の位置と違う場所に正方形を作りなさい
が問題です。
さぁ、皆さんは出来たでしょうか? 以下、解答です。
図形の対象性を考えると
最初の1手はこの形と同じになります。これとは違う形でも、教科書で学ぶ【ネックレス順列】の考え方で、回転させるか裏返しにするかすれば、必ずこの形になりますので。
問題は次の2手目です。
正方形内部にある右上のコインを動かし
このようにちょこっとズラして配置。そして
3手目はこのコインをくいっと押し出す事で
このように正方形が出来るわけです。背景の正方形とズレているのがわかると思います。
と、いうのは冗談です。笑
今のを解答とすると、
なるほど!
という人よりは
えー! なんじゃそらー! いやいやいや、それはない!
と思う人が多いでしょう。これじゃ「要・とんち」で、数学的ではありません。どちらかというと物理的? 笑
安心してください。次が本解答です。笑
1手目はこちらで、2手目はですね……
この1番下、背景正方形の左下にあるコインを
このように、チョロっとズラします。ちゃんと2つの円に接していますよね。
最後は右上にあるこのコインを
動かして
このように配置すればOKです。ちゃんと背景の正方形とはズレた形で、4つのコインが正方形を作っていますね。
どうでしょう? この解答なら納得では?
☆★
前回出した天秤の問題、私は1週間かかってようやく解けたんですが、このコインの問題は1分足らずで解けたんですよね。それは「ある数学的な考え方をしたから」なんですが……
では、数学的にこの問題を考察してみましょう。
教科書で学んでいる、いわゆる「場合の数」を数えればいいのです。
どういう事か。まず
1手目は図形の対象性より、どのように動かしてもこの図形と合同になるので、これでOKです。
1つ注意をしておきます。
この形は正方形ではないので、このような「細長いひし形」を作ってしまうと、その時点でアウトになります。この状態からは、どこをどう動かしても正方形を作る事は不可能ですから。
この「細長いひし形」を作ってしまうことを、将棋用語の「詰み」と呼ぶことにします。
さて、最重要の2手目ですが……
最初に動かしたコインを2度目も動かす事はもちろん無しです。それが無駄だというのはおわかりでしょう。だから2手目は、背景正方形内に入っている3つのコインのどれかです。
もしこのコインを動かすとしたら、起こりうるパターンは? その場合の数を数えるのが数学的思考。
2つの円に接するという条件がありますので、図の3カ所どちらかに2手目を配置する事になります。しかしこの3カ所、どちらに置いても「細長いひし形」になってしまうため、「詰み」状態です。
つまり2手目で
こいつを動かしてはいけないという事です。
では次。
2手目でこのコインを動かすとしたら、どうでしょう?
動かす先で考えられるのは、図の2カ所。ここで①に配置してしまうと
このようになり、次動かすとしたら1番左にあるコインを
このように動かすのが、正方形を作る手順です。しかしこの時の正方形は、元の正方形と同じ位置なのでアウトとなります。
では、②の位置に配置したとしたらどうか。左下に正三角形ができるわけですが、この場合、右上に孤立したコインを動かさなければなりません(でなければ3手目で4つのコインがくっつく正方形は出来ない)。
しかしどうやっても3手目で、細長いひし形が出来てしまい「詰み」。すなわちアウトです。
従って、
2手目でこのコインを動かす事もダメなんですね。全ての場合を考えましたから。
消去法により、2手目は
このコインを動かすしかありません。これがダメなら、この問題は解決しないという事になります。このコインを動かした場合、動かす先は
図の3通り。①と②は線対称の同じ形になりますが、いずれも3手目で正方形を作れない事がわかると思います。まぁ実際やってみて考えてください。
そこで③へ動かすしか残る道はない。
③へ動かせば、実は1手目と線対称の同じ配置になっている。という事で、1手目のコインと線対称の位置にある
このコインを
つつつ……と動かして
このように配置すれば正解となるのです。
どのコインを動かすか、それぞれに対して配置できる全てのパターンをチェックして解答を導きました。
こういう「もれなく全てのパターンを数え上げる」というのは、時折センター試験・数学でも出題される問題パターンです。仕事上でも考えられるパターンを考察する事は、やみくもに仕事する・いきあたりばったりで仕事するよりは、効率よく生産性をあげるためには必要です。あなたの勤め先は、無駄な仕事、多くありませんか?
まぁ、「パターンを全て数え上げる」以外にもこの問題を解く方法はあります。実は私、パターンを数え上げる方法で解いたのではなく、逆算で解いたんですね。3手目で正方形を作るには、2手目でどんな形になっている必要があるかを考えました。
すると、実は1手目と同じ形を別の場所に作ればいいという結論に達し、ならば……
という事で解答を導きました。「逆算する」という手法は、受験数学ではちょっとトリッキーな解き方の部類に入るので、今回はくわしく説明しません。ただし仕事上では、有効な手法です。
仕事でこういう結果を出したい。
ならばその前に何を達成するか、それを達成するために必要な準備はなにか……
という感じでね。
それでは今回はこの辺で。
今回、問題の解答を見て
スッキリ!
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