P27 頭の体操「3回で出来る?」②
12個の球と天秤があります。
球は見た目区別が出来ないのですが、1個だけ重さの違う物が混ざっています。天秤を3回使って、重さの違う1個を特定しなさい。さらに重いか軽いかまで、判定しなさい。
という問題です。
では、早速解答。正直、文章と図だけで説明するのは難しいのですが……。腕の見せ所です。笑
まず12個の球を4個ずつ3つのグループに分けます。
最初の天秤使用は、3つのグループのうち2つを天秤の左右の皿に乗せます。
この時
①釣り合った ②左に傾いた ③右に傾いた
の3ケースに分けて説明します。また、重さの違う球を「犯人」と表現します。「犯球」が正しい気もしますが、まぁわかりやすい言い方で「犯人」で説明しましょう。笑
case1 釣り合った場合
もし、天秤上にある8個の球の中に犯人がいるなら、天秤はどちらかに傾くはずですよね。だから釣り合った場合、天秤に乗っている8個の球は「標準の重さ」という事が確定します。
そこで「標準の球」と確定した球を「白」で表現します。という事は天秤に乗せなかった4個の中に犯人がいるわけでして、これら犯人の疑いのある球を容疑者(容疑球?)の「容」で表します。
こんな感じです。わかりますね。
では2回目の天秤使用いきますよ。容疑の晴れた「白」の球3個と、容疑のかかっている4個のうち3個を天秤皿の左右に乗せます。
ここでまた場合分けになります。1回目の天秤使用が釣り合っているので
①釣り合う→左に傾く ②釣り合う→右に傾く ③釣り合う→釣り合う
で場合分けします。
case1-1 釣り合う→左に傾く
図では、「白」3個が下へ傾いた状況で説明します。
この時、「白」の3個は標準の重さで、かつ、天秤が釣り合っていないので、容疑のかかった3個の球に犯人がいる事になります。
さらに、その犯人は「軽い」という事もわかります。もし重いなら、容疑のかかった3個の球の皿が下に傾くはずですから。
というわけで、「容」の上に「軽」と記しておきます。また、2回の天秤使用で1度も皿にのらなかった1個の球の容疑も晴れましたので、現時点で
状況はこうなります。9個の白と、3個の軽い容疑のかかった球が3個ですね。ここまで来たら、3回目の天秤使用はどうするかわかるでしょう。
軽い容疑のかかった球を1個ずつ、左右の皿に乗せます。
左に傾く → 右の球が犯人で軽い
右に傾く → 左の球が犯人で軽い
釣り合う → 乗せなかった容疑者が犯人で軽い
となります。
というわけで「①釣り合う→左に傾く」の場合、犯人を特定できました。次は「②釣り合う→右に傾く」いきます。
1回目の天秤使用で釣り合い
8個の白と4個の容疑者がいる状況で
2回目の天秤使用は3個の白と3個の容疑者を乗せます。左に傾いた時はすでに説明しましたので
右に傾いた時、どうすればよいのかを話します。
case1-2 釣り合う→右に傾く
天秤が傾いた時点で、天秤の皿上にある球の中に犯人がいるわけですから、容疑の晴れている白の3個をのぞいて、3個の容疑のかかった球の中に犯人がいる事になります。
さらに容疑者の3個の球の乗った皿は下に傾いているので
犯人は標準より重い事まで確定します。天秤に乗せなかった1個の容疑者の容疑も晴れるわけですから
この時点で9個の白と、3個の重い容疑のかかった球が3個ある事になります。
後はもう
最後の天秤使用は、容疑のかかった3個のうち、1個ずつを天秤の左右の皿に乗せます。
左に傾く → 左の球が犯人で重い
右に傾く → 右の球が犯人で重い
釣り合う → 乗せなかった容疑者が犯人で重い
この場合も犯人を特定できました。
現時点で
①釣り合う→左に傾く ②釣り合う→右に傾く
の2ケースで犯人を特定しました。次は
③釣り合う→釣り合う
このケースで犯人を特定しましょう。
case1-3 釣り合う→釣り合う
1回目の天秤使用で釣り合い、2回目の天秤使用で
ここでも釣り合ったとします。
そうすると
天秤上にのっている球は、容疑のかかった3個も含めて容疑が晴れるわけですから
残る容疑者は1個。というよりこの1個はもう犯人なのですが、まだ「重い」のか「軽い」のかが判定出来てないので、容疑者扱いにしておきます。
最後の天秤使用で
白1個、容疑者1個を比較すればよいわけです。ここで釣り合う事はあり得ません。容疑者は標準より重いか軽いかの2択ですからね。
というわけで、上図のように天秤を使用した場合
左に傾く → 右の球が犯人で軽い
右に傾く → 右の球が犯人で重い
となり、重いか軽いかも含めて犯人を特定したわけです。
以上、最初の天秤使用で釣り合い
2度目の天秤使用で「左に傾いた時」「右に傾いた時」「釣り合った時」、全ての場合において犯人を特定できました。
次は「case2」となります。最初の天秤使用で、左に傾いた時をお話しします。
case2 左に傾く
最初の天秤使用でこのようになった時、天秤上にある8個の球に容疑がかかり、乗せなかった4個の球は標準の重さである事が確定しますよね。
8個の容疑者が浮上するのですが、さらに考えると……
皿が下に傾いた方の4個の球には「重い」容疑がかかり、皿が上に傾いた方の4個の球には「軽い」容疑がかかる事もわかりますよね。
こういう状況になるわけです。
ここで、同時に「最初の天秤使用で右に傾いた場合」も考察しておきます。
case3 右に傾く
最初の天秤使用でこのようになった場合、case2と同様に犯人は天秤の皿上にある8個のどれかです。さらに皿が上に傾いているグループには軽い容疑がかけられ、皿が下に傾いているグループには重い容疑がかけられるのもcase2と同じ。
case2と3をまとめておきます。最初の天秤使用でどちらかに傾いた場合、4個の「重い容疑者」と、4個の「軽い容疑者」まで特定できるわけです。もちろん天秤に乗せなかった4個の容疑は晴れるわけですから
1回目の天秤使用の後、状況はこうなりますね。
次の天秤使用が難しい。方法はいくつかあります。例えばこう。
4個の重い容疑者を2個ずつ分け、左右の天秤皿に乗せます。さらに1個の軽い容疑者と、1個の白も左右の天秤皿に乗せます。
このような感じです。ポイントはですね、天秤に乗せない「3個の容疑者」を残しておく事。これについてはまた、後ほどくわしく数学的に解説します。
さて、このように2回目の天秤を使用した場合、
①釣り合う ②左に傾く ③右に傾く
の3ケース、どちらもあり得ます。
まずは釣り合うケースから考えます。
case2-1 左に傾く(右に傾く)→釣り合う
この形で天秤が釣り合った場合
天秤上にある5個の容疑者の容疑は晴れます。
そうすると天秤に乗せなかった3個の容疑者の中に犯人がいる事になります。
3個の軽い容疑者の中から、犯人を特定する方法はご存じですね。
このように1個ずつ容疑者を左右の天秤皿に乗せ
①左に傾く→犯人は右の球で軽い
②右に傾く→犯人は左の球で軽い
③釣り合う→犯人は乗せなかった容疑者で、その球は軽い
となるわけです。
続いて
case2-2 左に傾く(右に傾く)→左に傾く
1回目左右に傾いた時、4個の重い容疑者と4個の軽い容疑者に絞り込んだわけですが
このように2回目の天秤使用で
左に傾いたケースです。この時、左の皿に乗ってる2つの重い球の容疑は変わらずですが、左の皿の軽い容疑者の容疑は晴れます。もしその球が犯人なら左皿は上に傾いているはずですから。
さらに右皿に乗っている2つの重い球の容疑も同時に晴れます。この2つのどれかが犯人なら、その皿は下へ傾いているはずですからね。
さらにさらに、乗せなかった3個の容疑者もはれるので、上図のように犯人候補は2つに絞られたわけです。
ここまで来たら3度目の天秤使用は大丈夫ですね。
このように1個ずつ容疑者を左右の皿に乗せ、釣り合う事はないので下に傾いた方が「犯人で重い」となるわけです。
ちなみに1個の重い容疑者と、1個の白の球を天秤に乗せる方法もあります。
さてさて。いよいよ最後のケースです。
case2-3 左に傾く(右に傾く)→右に傾く
1回目左右に傾いた時、4個の重い容疑者と4個の軽い容疑者に絞り込み
2回目の天秤使用で
右に傾いた場合ですね。このとき、左皿にある重い容疑がかかった2つの球の容疑は晴れます。乗せなかった容疑者3個の容疑も晴れます。
左皿に乗ってる軽い容疑者と、右皿に乗ってる重い容疑者2個は、容疑者のままです。
こういう状況です。
2個の重い容疑者と、1個の軽い容疑者の中から、次の天秤使用で犯人を特定すればいいわけです。
例えばこのように、重い容疑者を1個ずつ天秤に乗せればいいでしょう。他のやり方もあります。
①左に傾く→犯人は左の球で重い
②右に傾く→犯人は右の球で重い
③釣り合う→犯人は乗せなかった容疑者で、その球は軽い
となるわけです。
以上で、全パターンで犯人を特定した事になります。
ホントは実演するともう少しわかりやすいはずなんですが……
文章と図だけで、どれだけ伝わったでしょうか。
最初の天秤使用で、傾いた場合、次の天秤の使い方が難しかったと思います。
私なんか、この問題の解答を導くのに1週間もかかったんですが……
なんて事はない。ある事に気づけば、いっけん複雑そうな天秤への球の乗せ方も簡単にわかるんです。
「ある物を数える」事だけで、どのように天秤に球を乗せればいいのかがわかるんです。
物を数える事で問題を解決できるんですね。
その話を次回、やってみたいと思います。数学的な物の数え方……
次を読めば、あなたもこの問題を自力で解けるようになる!?




