P17 人生の善き友 ~ BOOKS ~ ①
さて。本作品
初心者への誘い ドラマティックな数学の世界 ~数A~
は、第一学習社出版の教科書【数A】に沿って、色々な話題を書いております。
教科書の17ページは【節末問題】。
まぁ、数学の話題はたくさんあるので、書こうと思えばいくらでも書けるのですが……
大事なのは、これを読む人がいかに数学に興味を持ってもらうか。果ては学ぶ事に興味を持って貰うか。それが大事なテーマなんですね。
本作品、仕事上の企画で執筆していますが、どういう事を書いて読む人の興味を惹きつけようか、まだ手探り状態なのです。
とりあえずと言っては失礼ですが、【節末問題】や【章末問題】の所では、本の紹介などしてみてはどうかという事になりました。
この企画自体は高校生や高校教師を基本対象とし、それ以外でも数学に興味ある方達が少しでも楽しんでくれたらなと思って書いております。筆の進みは遅いですが。笑
読書をしない高校生。忙しくて本を読めない高校教師。ネット時間が長く、紙媒体の本を読む機会の少ない人たち。
そんな人たちが少しでも興味を持てる本を紹介してみてはという事で、今回は筆を進めていきたいと思います。
ちなみに私は1ヶ月に20冊以上の本や雑誌を読みます(漫画は入っておりません笑)。
そんな私が紹介する本……
記念すべき第1回はコチラ
【恐くて眠れなくなる科学】【竹内薫】【PHP研究所】
まずは作者紹介。竹内薫先生は知ってる人も多いハズ。著書も多いですが、TVにもよく出ていらっしゃいます。
フジテレビ【たけしのコマ大数学科】では問題の解説者としてもレギュラー出演なさっていますし、NHK【サイエンスZERO】においてもサイエンスナビゲーターとして活躍していらっしゃいます。
そんな竹内先生の書いた恐くて眠れなくなる科学。
みなさんは【科学的に】と言われたら、思わず信じてしまいませんか?
例えばこの本の32ページには
裁判における科学的事実は、まだまだわかってない事も多く、冤罪を生む事もあります。
一昔前のDNA鑑定も冤罪が多いわけです……
と書かれてあります。
ニュースで【DNA鑑定により、容疑者のものと一致し……】なんて言われると
あ、この人、犯人だ
なんて思ってしまいますよね。ドラマや映画なんかでも【DNA鑑定】が犯人の決め手となる事もよくあります。でも一昔前のDNA鑑定では冤罪もたくさんだった……。それがどういう事なのかは本を読んで頂く事といたしましょう。
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私が1番恐いと思った【ロボトミー手術】の話を。統合失調症の患者には激しく興奮して暴れるなどの症状があらわれる場合があります。
そんな患者の鼻の頭からアイスピックのようなものを突っ込み、脳をかき混ぜて治療します。この治療を受けると患者は暴れる事はなくなります。その代わり感情の起伏も全くなくなり、全くの別人格になるそうです。
前頭葉の一部を切除する事で、人格を完全に破壊する恐ろしい手術……それがロボトミー手術なんですね。この手術の発案者であるエガス・モニスという人物はこの功績で、1949年、何とノーベル賞を受賞したそうです。
もちろん今ではこのような非人道的な手術は否定されています。ですが、わずか60年前にはこのロボトミー手術がアメリカで広まっていたそうです。
ノーベル賞を取った程ですから、当時はよほど素晴らしい手術と思われていたんでしょう。
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上にあげた以外にも、ヒトラーの【優生学】の話や、宇宙の話題【ブラックホール】の話、地球上の生物大量絶滅の話などなど。
例えばメキシコのユカタン半島には、直径10kmにもおよぶ隕石が落ちた痕跡が残っているそうです。時速1万kmで降ってきた直径10kmの隕石が引き起こしたものは、大惨事という言葉では言い表せない程の事態を招きました。
その時起こった津波は実に数1000mというから、我々の想像を遙かに超えているでしょう。地球上の多くの生命体が絶滅したのもうなずけます。
こうした隕石が地球に落下する事態は、人類滅亡の危機もはらんでいるわけですから、NASAなどは小惑星の衝突について観測を常に行っているのです。
しかし2008年に発見された小惑星は、発見からわずか1日で大気圏に突入。この隕石はスーダン上空で爆発し、事なきを得たそうです。
つまり地球に被害をもたらしそうな危険な小惑星が、衝突前に発見したとしても【手遅れ】になる可能性がある……
という話なんですね。
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本の後半には、意外なガリレオのエピソードが載っています。我々の持つガリレオのイメージは……
宗教上、天動説を主張する教会側に対し、地動説を主張するガリレオ。最後は真実より自らの命を選び、地動説を破棄する事に。「それでも地球は回っている」というドラマティックなストーリーで記憶している人も多いハズ。
ところが……
ガリレオが「それでも地球は回っている」なんて言った事実はどこにもないとか。まぁ、意外なガリレオのエピソードは本を読んでいただきますか。笑
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他にも興味深いお話満載の【恐くて眠れなくなる科学】。
最後に、作中の竹内先生の言葉を紹介して、本の紹介も終えたいと思います。
科学には限界がある。
科学の妄信――それこそが何よりも恐いのです。
興味が持てたら、是非本屋に。
★☆
活字離れが叫ばれる昨今。
タイトルにもありますが、本は人生の善き友となる可能性を多分に秘めています。
乱読のススメ
という言葉がありますが、私もおススメです。気になる本があれば、図書館、本屋問わず手にしてみましょう。
あなたの人生がよりよいものになるようなヒントが書かれているかも。
それでは……
今回はこの辺で。
ちなみにPHP研究所からは【眠れなくなる】シリーズが結構出ております。
私はこのシリーズが大好きでして、他にも【眠れなくなる数学】【眠れなくなる物理】【眠れなくなる宇宙のはなし】など、我が家の本棚に並んでおります。
夜、眠る前、ベッドで横になりながらこれらの本を手にするわけですが……
めちゃめちゃぐっすり眠れてしまいます。笑
でも内容は面白いですよ。またいつか、これらの本も紹介しようと思います。




