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はじめに

2012年4月。平成24年度が始まりました。


中学・高校の数学授業においては、【新課程】内容を盛り込んだ教科書を用いて勉強していく事になります。


今回の【新課程】移行に伴い、とある企画に参加する事になった私。


  【初心者が、数学を面白く感じられるようなコラム的なもの】を書く


という仕事が課せられました。具体的には、新課程の数学教科書に沿って(例えば2次関数とか集合とか)、それにまつわる【何か面白い事】を書く仕事です。


コンセプトは3つ。


1つ。これから高校数学を学ぶ生徒に、少しでも興味を持って勉強出来るように。


今回の【新課程】においては【ゆとり教育撤廃】の風潮もあり、旧課程に比べ学習内容がかなり厚くなっています(中学の数学教科書など、びっくりするぐらい分厚くなってます)。おそらく例年通りのペースで授業を展開していたら、教科書内容を終えきれないのではないでしょうか。それゆえ授業において、計算や証明が淡々と繰り返されるケースがあるかもしれません。生徒の中には

 

  何でこんなつまらない事をやってるんだろう?


と思う人も出てくるでしょう。そんな時「何故こんな勉強をするのか」「どんな役に立つんだろう」「こういう数学的内容が出てきた背景は?」などを知っていれば、勉強する際のモチベーションアップに繋がるかも……と、考えているわけです。


コンセプト2つめ。現場の数学教師に【数学ネタ】を提供する。


現場の教師は、本当に多忙を極めていますからね。私のように【笑っていいとも】を毎日見てるようなダメ仕事人とは大違いですから。笑


なかなかじっくりと本を読む時間も取れない教師陣。本作品では教科書の単元ごとに区切って、その単元にまつわるおネタをいくつか書いていきます。なので、例えば先生が


  今日は【対数】教えるから、【対数】にまつわる話をちょっと読んでみようかな


と思って本作品を読むと、【ネイピア】がどのような気持ちで【対数】を産みだしたかの物語や、「果たして【対数】って世の中に必要なのか?」という疑問に対するうまい返答、「マグニチュードや星の等級に対数が?」といったネタ的なものを得られるでしょう。そしてそれを授業で生徒にちょこっと話し、授業の活性化につながってくれれば幸いです。


コンセプト3つめ。学生でもなく教師でもない人たちに、数学って面白いな、ドラマティックだなと感じてもらう。


ぶっちゃけ、そういった本は本屋に行けばたくさんあります。ただ今回は【新課程の教科書にのっとって】という事で、若干の目新しさはあるかなと思っております。


とにもかくにもこの作品では……


偉大な数学者のお話であったり、数学史に残る問題解決へのドラマティックな物語の紹介であったり、あるいはマニアックな数学ネタであったり、時には数学を超えて歴史や哲学、物理や科学などのお話も交える予定です。


ところどころ専門用語を使う時もありますが、それはスルーしてもわかるよう


  【中学校で学んだ数学、どこまで覚えてるか……】


という人たちにわかるように書いていきます。


例えばですね


数A【整数論】なら、フェルマーの最終定理にまつわる数学史のお話

数B【数列】なら、ガウス少年の面白エピソード


など、有名どころのお話から(だいたい数学啓発本ではお目にかかる内容)


数Ⅰ【三角比】なら、身近でよく見る三角測量の話から、地球に近い星の距離を測るお話

数Ⅱ【微積分】なら、ニュートンやライプニッツ(あるいはハレー彗星で有名なハレーなども交えて)のお話


など、数学を専門にした人なら知ってるけど、そうでない人はイマイチピンとこないお話を。


時には最新の数学トピックや、数学者の悲劇的なお話などなど、なるべく読者が興味を持てるようなものを書いていく予定です。


平成24年度から高校生になったみなさんは、手元に数学の教科書があるとより楽しめるでしょう。そうでない人は、本作品目次の中から面白そうと思ったお話から読んでいくとよいでしょう。


使用教科書は、第一学習社の教科書です。各章、各ページ事に1話のネタを書いていきます。


それでは。


今宵、ドラマティックな数学世界を……


覗いてみませんか?

【教員の方向け】


今回の教科書内容改訂はかなり幅広くなっていまして、例えば数Cの【行列】が全削除となったり、数Aに【整数論】が盛り込まれたり、あるいは【複素数平面】が復活したりなど、下準備なしで授業に臨んだら混乱する場合もある事でしょう。


特に数Aでは【整数論】導入は1つの目玉。教科書によっては、合同式(mod)が掲載されたり、一部マニアックな【7の倍数の判定法】(知らない人も多いはず?)を載せている教科書もあります。この【整数論】はこれまでの教科書には深くは出てこなかったため、教師の中には学生時代以来超久しぶりに【整数論】と対面したという人も少なくないハズです。


例えば一橋大学など毎年必ず整数論の問題を出題しますし、他にも入試問題で整数問題を扱う大学はあります。ここは1つ、数学教師として基礎的な整数論をしっかりと理解し、授業展開だけでなく大学入試問題に対しても生徒にすらっとアドバイス出来るよう腕を磨きましょう。


例えば350年以上にも及ぶフェルマーの最終定理にまつわるストーリーや、ゴールドバッハ予想について、授業中に話題としてとりあげれば食いつく生徒もいるはず?


とにもかくにも……


この作品が、数学教師の授業ネタ、あるいは教科書だけで物足りなかった何かを補う事が出きれば、作者としてコレ幸いです。

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