瑕疵物件(2)
洋食屋のアルバイトに採用されて明日から働く前日の夜に異変が起こりました。深夜に突如ドンドンと殴るような音とバタバタと駆け回るような音が上から聴こえる。明日の朝からバイトだから勘弁してくれと思いながらなんとか寝つこうと試みましたが繰り返される騒音。上に住んでるのは訳アリそうな爺さんなので
注意しようと外に出て真上の部屋の呼び鈴を鳴らすが
一向に出てこない、仕方なく自分の部屋に戻りなんとか寝れたもののどうしても気がかりなので朝バイトに向かう前にもう一度上の部屋の呼び鈴を押したが応答がない。すると隣の部屋から爺さんが新聞をとりに出てきた。爺さんは1回コチラを見て不思議そうな顔をして戻っていった。大家に確認してみたら自分の上の部屋には誰も住んでいないとのこと、ましてや爺さんは早く寝るらしく騒音を起こすことなんてないと言われ、Mは頭に疑問を残しながらバイトに向かいました。それからも騒音は度々あったのですが、学校が始まり疲れていたのであまり気にしなくなりました。しかし気がつけば状況はどんどん酷くなっていきました。
騒音から1ヶ月が経った頃です。その日の夜は大雨でした。夜にバイトを終えて家に帰えり玄関を開けた時、人の気配を感じとりました。最初は泥棒かと思ったのですが、学校の友達はMの家を知りませんし、家族がくるとも言われていません。電気をつけてみると濡れた人の足跡が玄関から和室の1枚目の畳までついています。畳には足を引きずったような足跡で黒く、泥で汚れた足跡とはまた違う感じの汚れ。拭き取ったり、乾かしてみたり、色々な方法を確かめましたが畳の汚れだけ取れずに残ってしまいました。その後Mは恐ろしい夢をみました。外は大雨で何か呻き声のようなものとともに首のない人間が足を引きずってコチラにやってくる夢でした。
次の日寝不足ながらも学校の友達数人に話すと馬鹿馬鹿しい話だと思われたそうです。ですが友達のうちの1人が面白半分で家に泊まることになりました。