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ゴトウ先生はまだ来ない

「ふーっ、どっと疲れたぜ……」


「なんだかんだ、騒がしかったもんなあ……結局、娘さんはあの坊主の姉さんで、五頭屋ンところの子だったと言う事かい」


「そいで、それを攫ったのがあの侍とゴロツキで、間抜けなことに拐かした坊主にまんまと逃げられたから探し回ってたんだな。んで、水売りが十手持ちで、優男は岡っ引。二人でばったばったと薙ぎ倒して一味をとっ捕まえた……と」


「韋駄天婆さんと茶屋の親父はなんの関係もなく、ただの乳母と茶屋の店主だったということか?」


「そういやあの親父は何処に行った?」


「確かに何処に行った? 出て行ってから、結構経つぜ」


「つまりオレたちはまだ待たねばならぬということか。ゴトウ先生も、茶屋の親父のことも。ゴトウ先生は実際来たのか、来てねえのか、あの六太坊のおかげでわからなくなっちまったぜ」


「うーん、いたのかねえ。いたのかも知らねえし、いなかったのかも知れねえし、見逃したかな。ちえ、周りがドンチャン騒がしくしやがったせいだ」


「まったくもってその通り! それにしても、店主のやつ、本当にどこに行きやがったんだ……こうも遅いと、約束をした手前動くに動けねえじゃねえか!」


「店をこのまんまにして離れるわけにもいかねえしなあ。まあまあ、おいらたちはどうせ暇なんだしよう、のんびり出来ていいじゃねえか」


「ま、そいつもそうだな。そんじゃ、このまま夜まで待って、その後は酒でも飲んで帰るか」


「韋駄天婆さんから貰ったやつ、まだ残ってるもんな。蕎麦屋に行くかい」


「そりゃあいい。酒に蕎麦に玉子でも食や、オレはぐっすり寝れるぜ」


「そんでもって明日もまた来ればいいな」


「先生が日を間違えたのかもしれないし」


「きっとそうだ。ゴトウ先生も人だもんな」


「よし、明日にするか」


「それがいい」


(了)

最後までぐだりぐだりと駄弁る二人に、お付き合いくださいまして、ありがとうございました!

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