3/3
エピローグ
3年後、佐々木は貧相なアパートに一人住んでいた。
あれから十人の人妻との浮気や托卵がバレて、退職金も払って一文無しとなると、有紗はさっさと去っていった。
「アンタには本当に騙されたわ。
顔だけだったのね。
あれなら浮気をせずに元の旦那と仲良くやっておくべきだった。
こんなコブ付きでは元サヤも難しい。
この疫病神がー!」
それからこの前のニュースでは無職の男と同棲して、子供が虐待を受けていたらしい。
「見ろ、いい気味だ」
どんどん!
ドアを叩く音がする。
「うるせえなあ。水道代なら払ったぞ」
ドアを開けると見るからに反社の人達。
「オマエ、うちのアニキの女に手を出したそうだな。
いや、何も言わなくていい。
すぐに連れてこいとのことだ」
そして手下に縛らせている間に観察して電話する。
「コイツなら折り畳めばスーツケースに入りそうだ。
持ち運びが楽で助かったな」