表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

真っ赤な満月

作者: 檸檬

時空を越えてきみに逢いに行けたなら


今度こそ西瓜をキレイに割ってみせたい


あの形の悪いぐっちゃぐっちゃの西瓜


本当は目隠しをずらしてズルをしたんだ


それなのにキレイに割れなかった


きみはその西瓜を全部塩をいっぱいかけて


しょっぱくして苦々しく食べては


縁側から種をぶっ飛ばしていた


私も縁側に座って一緒に食べたい


今度はキレイに割るよ


「ハチマキは額にするんだ」


きみはそう言って


満月の様に円い西瓜を置いた


額にハチマキをキュッとして


真っ直ぐに進んで


「コノーツ⁈ エイッ、ヤー!」


ああ キレイに割れたよ!


真っ赤な満月みたいに断面が輝いて


キーンと冷えたスプーンで


まずは瞼を冷やしてから


満月の西瓜を二人で笑って食べるんだ


あんまり塩はかけないで


涙の塩味ぐらいで十分だよ


それで十分あまーい果実を二人で頬張って


この夏の思い出のひとつにしたい


西瓜の種を飛ばして


笑い飛ばして


夜を越えて


時空を越えて





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ