総理大臣は転生する(1)
「何だここは、薄暗い場所だ。誰かいないのか。」
私はいつの間にか知らない場所にいたので、動揺する。
「すみません、如何せん忙しいもので遅れました。」
「あなたも邪神の被害者ですか?」
いきなりきれいな10台ぐらいの少し露出の多い服を着た女性がやって来た。初対面で失礼だが頭がかわいそうな人らしい。私は今それどころではないので素通りする。そして、唯一の明るい場所から外に出れることを願って歩き出す。といっても死んだので、出れたとしてもあの世だろう。
「ちょっと待って下さい。向こうにいくと転生してしまいます。その状態でいくと、記憶もなくなりますよ。」
あまりにも、物騒なことをいうので私は足を止めた。
「どういうことだ。」
「説明しましょう。まず私は神です。そこで確認したいことがあります。あなたは邪神の被害者である佐藤誠さんですか。」
「佐藤誠ではあるが、邪神などとふざけたことをいうな、真面目に話せんのか。」
「ふざけてません。」
少し、怒り気味にいう。
「もう少し詳しく説明しましょう。まず、私は調律神マノアです。」
「まず、神というのなら、威厳がもう少しあるだろう。」
「もう、信じないならそれでいいですから私の話を聞いて下さい。」
「しょうがない。」
「では、まずあなたがいく世界の話をしましょう。この世界では魔法があり、魔物もいます。魔物はFランク~SSランクの全8段階に強さが分けられています。そして、急な話ですがあなたには邪神を倒してもらいます。メリットとしては、邪神を倒すとあなたは、邪神が呪いをかける前、つまりあなたが8才の時にもどって思い描いていたような生活を送れます。」
「邪神の呪いとは何だ。」
「邪神の呪いとは、負のエネルギーを集めるためにかけた、感情の制御が弱まる呪いのことで、それを除くことで、矛盾や歪みが治り呪いをかける前に戻るのです。」
「なるほど、それで私は何をすればいい。」
「佐藤さんには、まず転生してほしいのです。」
と、女神は告げた。




